1996年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第92回ワールドシリーズ(英語: 92nd World Series)は、10月20日から26日にかけて計6試合が開催された。その結果、ニューヨーク・ヤンキース(アメリカンリーグ)がアトランタ・ブレーブス(ナショナルリーグ)を4勝2敗で下し、18年ぶり23回目の優勝を果たした。
両チームの対戦は、1958年以来36年ぶり3回目。また、ヤンキースのシリーズ出場は1981年以来15年ぶりである。ヤンキースとしては1921年の初出場以降、最も長期間シリーズ出場から遠ざかっていたことになる[3]。連続不出場記録を止めた今シリーズでは、初戦から2連敗のあと4連勝で優勝を決めた。ヤンキースGMのボブ・ワトソンは、アフリカ系アメリカ人史上初のシリーズ優勝GMとなった[4]。相手のブレーブスにとっては、翌シーズンから本拠地球場をターナー・フィールドに移すため、今シリーズ第3戦からの3試合がアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアムでの最後の試合となったが、全敗に終わりシリーズ制覇も逃した[5]。シリーズMVPには、第3戦からの4連投で全てセーブを記録し、5試合4.1イニングで防御率2.08という成績を残したヤンキースのジョン・ウェッテランドが選出された。
試合結果
1996年のワールドシリーズは10月20日に開幕し、途中に移動日を挟んで7日間で6試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 |
試合 |
ビジター球団(先攻) |
スコア |
ホーム球団(後攻) |
開催球場
|
10月19日(土) |
第1戦 |
雨天順延 |
ヤンキー・スタジアム |
|
10月20日(日) |
第1戦 |
アトランタ・ブレーブス |
12-1 |
ニューヨーク・ヤンキース
|
10月21日(月) |
第2戦 |
アトランタ・ブレーブス |
4-0 |
ニューヨーク・ヤンキース
|
10月22日(火) |
第3戦 |
ニューヨーク・ヤンキース |
5-2 |
アトランタ・ブレーブス |
アトランタ・フルトン・ カウンティ・スタジアム
|
10月23日(水) |
第4戦 |
ニューヨーク・ヤンキース |
8-6 |
アトランタ・ブレーブス
|
10月24日(木) |
第5戦 |
ニューヨーク・ヤンキース |
1-0 |
アトランタ・ブレーブス
|
10月25日(金) |
|
移動日 |
|
10月26日(土) |
第6戦 |
アトランタ・ブレーブス |
2-3 |
ニューヨーク・ヤンキース |
ヤンキー・スタジアム
|
優勝:ニューヨーク・ヤンキース(4勝2敗 / 18年ぶり23度目)
|
第1戦 10月20日
ブレーブスの7番アンドリュー・ジョーンズが、シリーズ初出場のこの試合で、2回表の第1打席と3回表の第2打席の2打席連続で本塁打を放った。A・ジョーンズは1977年4月23日生まれで、この試合時点では19歳6か月28日(180日)である。それまでのシリーズ最年少本塁打記録は20歳11か月16日(352日)で、ミッキー・マントルが1952年シリーズ第6戦で樹立したものだったが、A・ジョーンズはこれを更新した[6]。奇しくもこの10月20日は、マントルの誕生日だった[注 1][7]。また、シリーズ初打席からの2打席連続本塁打は、1972年のジーン・テナスに次いで史上2人目である[6]。さらにA・ジョーンズは、6回表の第3打席でも三塁への内野安打で出塁した。ティーンエイジのうちにシリーズ1試合3安打を達成したのも史上2人目で、こちらは1924年のフレディ・リンドストロム以来である[注 2][8]。A・ジョーンズの3安打5打点の活躍もあり、ブレーブスは12-1の大勝を収めた。この試合はヤンキースにとっては、シリーズ史上最悪の大敗だった[9]。
第2戦 10月21日
第3戦 10月22日
第4戦 10月23日
第5戦 10月24日
第6戦 10月26日
脚注
注釈
- ^ もしマントルが存命であればこの日で65歳になっていたが、前年8月13日に亡くなっている。
- ^ リンドストロムは第4戦と第5戦の2試合連続で3安打以上を記録した。第4戦時点で年齢は18歳10か月16日(321日)である。
出典
- ^ "World Series Television Ratings," Baseball Almanac. 2020年2月1日閲覧。
- ^ Murray Chass, "WORLD SERIES PREVIEW: YANKEES VS. PADRES; For Yankees, 70's Flashback Fitting for 90's," The New York Times, October 16, 1998. 2020年2月1日閲覧。
- ^ KHOU 11 Staff, "Houston Astros legend Bob Watson dead at 74," khou.com, May 14, 2020. 2020年5月15日閲覧。
- ^ Mark Bradley, The Atlanta Journal-Constitution, "Atlanta’s stadium farewells: Fun and flops," AJC.com, February 20, 2016. 2020年2月1日閲覧。
- ^ a b Paul Sullivan, Tribune Staff Writer, "BRAVES 12, YANKEES 1," Chicago Tribune, October 21, 1996. 2020年2月1日閲覧。
- ^ Wallace Matthews, ESPN Staff Writer, "Kid who eclipsed Mick a Yankee at last," ESPN.com, January 21, 2011. 2020年2月1日閲覧。
- ^ Sarah Langs, "How will Juan Soto enjoy his 21st (!) birthday?," MLB.com, October 25, 2019. 2020年2月1日閲覧。
- ^ Joel Sherman, "AND NOW GAME 7 – LIKE IT OUGHTA BE," New York Post, November 4, 2001. 2020年2月1日閲覧。
外部リンク
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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ライバル関係 | |
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永久欠番 | |
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ワールドシリーズ優勝(27回) | |
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ワールドシリーズ敗退(14回) | |
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リーグ優勝(41回) | |
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できごと | |
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傘下マイナーチーム | |
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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ブレーブス球団殿堂 | |
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ワールドシリーズ優勝(04回) | |
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ワールドシリーズ敗退(06回) | |
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リーグ優勝(18回) | |
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