1972年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月7日に開幕した。ナショナルリーグの第4回リーグチャンピオンシップシリーズ(4th National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から11日にかけて計5試合が開催された。その結果、シンシナティ・レッズ(西地区)がピッツバーグ・パイレーツ(東地区)を3勝2敗で下し、2年ぶり6回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。
両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのは、1970年以来2年ぶり2度目。この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、レッズが8勝4敗と勝ち越していた[1]。今シリーズは2勝2敗で迎えた最終第5戦、9回裏二死一・三塁でパイレーツの4番手投手ボブ・ムースが暴投し、三塁走者ジョージ・フォスターが生還してレッズがサヨナラ勝利で優勝を決めた。ポストシーズンでのサヨナラ暴投は、1927年のワールドシリーズ第4戦以来45年ぶり2度目だった[注 1][2]。しかしレッズは、ワールドシリーズではアメリカンリーグ王者オークランド・アスレチックスに3勝4敗で敗れ、32年ぶり3度目の優勝を逃した。
最終第5戦は、パイレーツの外野手ロベルト・クレメンテにとって現役最後の試合となった[3]。この年の12月29日にニカラグアで大地震が発生すると、クレメンテは31日、プエルトリコから被災地へ救援物資を届けるための飛行機に自らも搭乗した。しかしその飛行機が墜落し、クレメンテを含む乗員5人全員が死亡した。
1972年のナショナルリーグ優勝決定戦は10月7日に開幕し、5日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
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