(532037) 2013 FY27 とは、エリス などと同様の散乱円盤天体 に属する太陽系外縁天体 の二重小惑星 である[ 8] 。この発見は2014年 3月31日 に発表された[ 2] 。絶対等級 (H)は3.2である[ 3] 。2013 FY27 は直径 740キロメートル (460 mi)で、直径190キロメートル (120 mi)の衛星 が存在している。これは、9番目に本質的に明るい既知の太陽系外縁天体であり[ 9] 、太陽系 で最大の名前のない天体 の可能性がある。
軌道
2013 FY27 の軌道
2013 FY27 の公転周期 は約449年である。2202年 11月頃に近日点 に到達し[ 4] [ 注釈 2] 、約35.6天文単位 の距離になる。現在、太陽 から80天文単位の遠日点に近く、その結果、視等級 は22となっている[ 2] 。軌道は33 度の軌道傾斜角 を持っている[ 3] 。セドノイド である2012 VP113 と散乱円盤天体である2013 FZ27 は、2013 FY27 と同じ観測で発見された。これらは約1週間以内に発表された。
特性
2013 FY27 は、直径 が740キロメートル (460 mi)で、中型と大型のTNOの間に位置している。アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計 とマゼラン望遠鏡 による観測で、アルベド は0.17であり、赤い色をしていることが判明した。2013 FY27 は、最大の赤いTNOの1つである。800キロメートル (500 mi)を超えるそのような赤いTNOが少ないことにつながる物理的プロセスはまだよく理解されていない。
2013 FY27 の明るさの変化は、数時間から数日で 0.06 mag 未満であり、これは自転周期 が非常に長いか、ほぼ回転楕円体 であるか、回転軸 が地球 へ向いていることを示している[ 5] 。
ブラウンは、衛星が発見される前に、2013 FY27 は、そのサイズが大きいため、準惑星である可能性 が非常に高いと推定していた[ 10] 。ただし、Grundy et alでは、2013 FY27 は直径が1000 km 未満、アルベドが約0.2未満、密度 が約1.2 g/cm3 であると計算している。物理的構造はある程度多孔質である可能性がある[ 11] 。
衛星
2018年1月から7月にハッブル宇宙望遠鏡で撮影された2013 FY27 とその衛星のアニメーション
2018年 1月に行われたハッブル宇宙望遠鏡 の観測により、スコット・S・シェパード は2013 FY27 から0.17秒角 離れた衛星を発見した。衛星は2013 FY27 より 3.0± 0.2 mag 暗い。発見は2018年8月10日 に公表された[ 12] 。2013 FY27 と衛星のアルベドが等しいと仮定すると、サイズはそれぞれ2013 FY27 が約740キロメートル (460 mi)、衛星が190キロメートル (120 mi)となる[ 5] 。衛星の軌道を決定するために、2018年5月から7月の間にフォローアップ観測が行われたが[ 6] 、それらの観測の結果は未だ公表されていない。軌道が判明すれば、2013 FY27 と衛星の質量 と密度を決定することが可能となる。
脚注
脚注
^ 2013 FY27 と衛星のアルベドが等しいと仮定
^ 近日点通過時間の不確実性は、約1か月(1シグマ)または3.6か月(3シグマ)である[ 3] 。
出典
^ a b “List Of Centaurs and Scattered-Disk Objects ”. Minor Planet Center. 2014年4月2日 閲覧。
^ a b c d “MPEC 2014-F82 : 2013 FY27 ”. IAU Minor Planet Center (2014年3月31日). 2018年3月29日 閲覧。 (K13F27Y)
^ a b c d e f g h i j k l m n “JPL Small-Body Database Browser: (2013 FY27) ”. Jet Propulsion Laboratory . 20 February 2020 閲覧。
^ a b JPL Horizons Observer Location: @sun (perihelion occurs when deldot changes from negative to positive)
^ a b c d e f g h i Sheppard, Scott; Fernandez, Yanga; Moullet, Arielle (6 September 2018). “The Albedos, Sizes, Colors and Satellites of Dwarf Planets Compared with Newly Measured Dwarf Planet 2013 FY27”. The Astronomical Journal 156 (6): 270. arXiv :1809.02184 . Bibcode : 2018AJ....156..270S . doi :10.3847/1538-3881/aae92a .
^ a b Scott Sheppard (21 March 2018). “The Orbit of the Newly Discovered Satellite around the Dwarf Planet 2013 FY27 - HST Proposal 15460 ”. 9 September 2018 閲覧。
^ Scott Sheppard (7 April 2017). “A Satellite Search of a Newly Discovered Dwarf Planet – HST Proposal 15248 ”. 9 September 2018 閲覧。
^ Lakdawalla, Emily (2014年4月2日). “More excitement in the outermost solar system: 2013 FY27, a new dwarf planet ”. www.planetary.org/blogs . The Planetary Society . 18 January 2017 閲覧。
^ “JPL Small-Body Database Search Engine: orbital class (TNO) and H < 3.2 (mag) ”. JPL Solar System Dynamics. 2019年6月1日 閲覧。
^ Mike Brown, How many dwarf planets are there in the outer solar system? Archived 18 October 2011 at the Wayback Machine . (assumes H = 3.3)
^ W.M. Grundy, K.S. Noll, M.W. Buie, S.D. Benecchi, D. Ragozzine & H.G. Roe, 'The Mutual Orbit, Mass, and Density of Transneptunian Binary Gǃkúnǁʼhòmdímà ((229762) 2007 UK126 )', Icarus [1] Archived 7 April 2019 at the Wayback Machine . doi: 10.1016/j.icarus.2018.12.037,
^ “CBET 4537: 2013 FY27 ”. cbat.eps.harvard.edu (10 August 2018). 9 September 2018 閲覧。
関連項目
外部リンク