靉光(あいみつ、1907年6月24日 - 1946年1月19日)は、日本の洋画家。昭和前期(戦前・戦中期)に活動した。本名は石村 日郎(いしむら にちろう)[1]。
人物
靉光はシュールレアリズム風や宋元画風など特異な画風で知られるが、生前に多くの作品を破棄した上、残された作品も原爆で失われたことからその数は非常に少ない。将来性を大いに嘱望されていたが敗戦後に戦地からの復員を待たず、38歳で病死した。
戦時下の状況から、靉光は戦争画を描く事を当局より迫られ「わしにゃあ、戦争画は(よう)描けん。どがあしたら、ええんかい」と泣くようにいったという。
略歴
靉光は生前、独特な画風から画壇の主流から外れ“異端の画家”とも呼ばれたが靉光の死後、作品が日本人の油彩表現として一つの到達点を示したとして評価を高めた。2007年3月~5月に靉光の生誕100年を記念する回顧展が東京国立近代美術館で開催された。
主な作品
-
《静物》(1926年-1927年頃)信濃デッサン館蔵
-
《コミサ(洋傘による少女)》(1930年)
広島県立美術館蔵
-
《キリスト(赤)》(1932年頃)
-
-
-
-
《貴婦人》(1938年)
-
《眼のある風景》(1938年)
東京国立近代美術館蔵
-
-
-
《作品》(1941年)東京国立近代美術館蔵
-
-
-
《警察病院風景》(1941年)
神奈川県立近代美術館蔵
-
《花(やまあららぎ)》(1942年)東京国立近代美術館蔵
-
《花園の虫》(1942年頃)広島県立美術館蔵
-
《船長の肖像》(1943年)
-
《 帽子をかむる自画像》(1943年)広島県立美術館蔵
-
《梢のある自画像》(1943年)
東京芸術大学大学美術館蔵
-
《自画像》 (白衣の自画像)(1944年)
東京国立近代美術館蔵
脚注
- ^ 上田正昭、津田秀夫、永原慶二、藤井松一、藤原彰、『コンサイス日本人名辞典 第5版』、株式会社三省堂、2009年 3頁。
- ^ a b c "靉光「眼のある風景」". 美の巨人たち. 10 June 2006. テレビ東京。
- ^ 大谷省吾「靉光《眼のある風景》をめぐって(上)」『美術研究』第410号(2013年9月)pp.38-54
- ^ 大谷省吾「靉光《眼のある風景》をめぐって(下)」『美術研究』第411号(2014年2月)pp.27-38
関連項目
外部リンク