阪急阪神レストランズ

株式会社阪急阪神レストランズ
Hankyu Hanshin Restaurants Co.,Ltd.
種類 株式会社
略称 HHR
本社所在地 日本の旗 日本
530-0001
大阪府大阪市北区梅田1丁目12番39号 新阪急ビル8F
本店所在地 530-0012
大阪府大阪市北区芝田一丁目16番1号
設立 2010年(平成22年)2月1日
業種 小売業
法人番号 1120001142258 ウィキデータを編集
事業内容 飲食店の運営
代表者 代表取締役社長 生井昌樹
資本金 1,000万円
純利益 △2億8987万2000円(2019年3月期)[1]
純資産 △1億7875万6000円(2019年3月31日時点)[1]
総資産 16億2624万2000円(2019年3月31日時点)[1]
従業員数 137人(2012年4月1日現在)
決算期 3月31日
主要株主 阪急阪神ホテルズ 100%
外部リンク 公式ウェブサイト[リンク切れ]
特記事項:2019年11月21日法人格消滅
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株式会社阪急阪神レストランズ (はんきゅうはんしんレストランズ、: Hankyu Hanshin Restaurants Co.,Ltd.)は、かつて存在した大阪府大阪市北区に本社を置く、飲食業(外食業)を営む企業であった。

阪急阪神ホールディングスの中核会社の1つである阪急阪神ホテルズの100%子会社(連結子会社)であり、阪急阪神東宝グループに属していた。

概要

阪急阪神ホールディングスグループ内の仕入や衛生管理などの統合による経費削減を目指した飲食事業の集約のため、阪急阪神ホテルズの100%出資を受けて、2010年(平成22年)2月1日に設立され[2]、設立から2ヶ月後の同年4月1日付で、阪急リテールズの飲食事業部門とクリエイティブ阪急のフード事業部を継承して事業を開始した飲食事業を行う企業である[3]

店舗数の多い主力業態は、クリエイティブ阪急から引継いだ阪急電鉄の駅構内を中心に展開している立ち食いそば・うどん店駅そば)の「阪急そば」と、阪急リテールズから引継いだカフェベーカリーの「フレッズ」で[4]、事業を承継した2社がともに阪急電鉄系の企業であることから、主に阪急電鉄の沿線や所有物件(例えば阪急グランドビルなど)の中に店舗を構えていることが多かった。

主力の2業態以外にも「Naturalkitchen麹」や「粋房 寸(ちょっと)」などの居酒屋・ダイニング系レストランのほか、「喫茶 スタンダード」や「りら」、「プレンティ」などの店名で展開する喫茶店・カフェ、ケンタッキー・フライドチキンハーゲンダッツフランチャイズ店舗など多岐にわたる業態で飲食店を展開していた[4]

しかし、2019年にフレッズ事業を同じ阪急阪神東宝グループのエイチ・ツー・オー リテイリングに、阪急そばを平野屋にそれぞれ売却した。また、駅構内の喫茶店事業も大幅に縮小したうえで、同年11月に解散した。

店舗ブランド・業態の一覧・総説

以下では、阪急阪神レストランズが展開していた店舗ブランド・業態について概説する。阪急阪神レストランズが展開している店舗の数は最大98店舗で、同社では大きく6つに業態・ブランドを分類している。ここではその分類に従って項目分けをした後、比較的大規模に展開しているブランド・業態についてはブランド名を項目名として、1店舗のみ展開しているブランドや喫茶店部門のように細かく店舗名が異なるものについては、業態の種類を項目名として細分している。

カフェ・ベーカリー部門

フレッズ

旧阪急リテールズ系。店内のオーブンで焼いて提供するパンを主力にしたカフェ・ベーカリー。現在メインブランドである「フレッズカフェ」が7店舗、その姉妹ブランドである「フレッズカフェSTATION」「フレッズがXP」2店舗の合計9店舗(以下参照)を展開している。展開地域は神戸線沿線に多く、梅田駅にある2店舗と十三駅の1店舗を除けば、残り6店舗のうち3店舗が神戸線沿線に展開されている。2019年4月1日付けで同じ阪急阪神グループのエイチ・ツー・オー リテイリングが株式会社阪急フレッズを子会社化し[5]、以前からエイチ・ツー・オー傘下の株式会社阪急B&Cプランニングとともに、株式会社阪急ベーカリーへ経営統合された[6]。ただし、屋号や業態はフレッズのまま変わらず、駅ナカ周辺に展開している。

  • フレッズカフェ梅田店(中央改札口外の2階コンコースに出店)
  • フレッズカフェ茶屋町口店(茶屋町口改札口外の2階コンコースに出店)
  • フレッズカフェ茨木店(茨木市駅改札口外の2階コンコースに出店)
  • フレッズカフェ十三店(十三駅の2階連絡通路に出店)
  • フレッズカフェ園田店(園田駅改札口外の2階コンコースに出店)
  • フレッズカフェ西宮北口店(西宮北口駅の今津線宝塚方面ホームに出店)
  • フレッズカフェ六甲店(六甲阪急ビルの2階、六甲駅改札口前に出店宮駅が入る神戸阪急ビ
  • フレッズカフェSTATION川西能勢口店(川西能勢口駅の2階西改札口構内に出店)[7]
  • フレッズEXP石橋店(石橋駅構内に出店)

うどん・そば・ラーメン部門

阪急そば

旧クリエイティブ阪急系。駅の構内外で立ち食いスタイルでそば・うどん等を提供する[8]、いわゆる立ち食いそば・うどん店である。阪急沿線を中心に、同じ系列の「阪急そば 若菜」も含め、2012年5月末現在で33店舗を展開している。最近では、阪急そば庄内店をリニューアルし、うどん・そば以外にコーヒースイーツを提供する「阪急そば+Cafe」とする試みも行っている。2019年4月1日阪急阪神ホールディングスグループの阪急阪神レストランズからフラット・フィールド・オペレーションズの完全子会社の平野屋に全店舗事業譲渡され、店名を「若菜そば」に変更した。

十三ラーメン ゆうな

旧クリエイティブ阪急系のラーメン店。現在は阪急沿線に以下の3店舗を展開している。

その他そば・うどん・ラーメン部門の店舗

  • 若菜(JR西日本千里丘駅前に出店) - 「阪急そば」や「阪急そば 若菜」と同様にうどん・そば等を中心に提供している店舗。ただし、阪急阪神レストランズの店舗一覧ページでは「阪急そば」や「阪急そば 若菜」と同じうどん・そば・ラーメン部門の店舗とはされているものの、「その他の店舗」として案内されている[9]
  • 御鷹茶屋(阪急三番街南館地下2階に出店) - そばや天ぷら等を中心に提供している店舗。上述の「若菜」と同様、阪急阪神レストランズの店舗一覧ページでは「阪急そば」や「阪急そば 若菜」と同じうどん・そば・ラーメン部門の店舗とはされているものの、「その他の店舗」として案内されている。
  • 観音茶屋(中山寺境内に出店) - 鉄道駅周辺や商業施設内ではなく、宝塚線沿線にある中山寺の境内に出店している店舗。うどん・そばを中心に甘味なども提供している。中山寺の公式サイトにおいても、境内に2店舗ある喫茶・飲食店の1つとして案内がなされている[10]
  • 阪急ラーメン(東向日駅前に出店) - 旧クリエイティブ阪急系。ラーメンを提供しているが、上記の十三ラーメン ゆうなとは異なる。阪急そば東向日店に隣接しているが、阪急そばと同一店舗扱いとなっているため、阪急阪神レストランズの店舗一覧には掲載されていない。かつては富田駅前にも出店していたが後に閉店(その名残で阪急そば富田店ではラーメンを提供している。)。

ダイニング部門

ダイニング部門では、居酒屋やバールといった業態の店舗を複数のブランド名を用いて計14店舗展開・運営していた。

  • 「粋房 寸(ちょっと)」[4]- 堂島アバンザとニッセイ新大阪ビルに1店舗ずつ、計2店舗を展開。
  • 「Natural Kitchen 麹」[4]「南船場 麹」 - 麹など発酵食品を使用した料理を売りにしていた。「Natural Kitchen 麹」は大阪に2店舗(阪急三番街、本町に1店舗[11])京都に1店舗(COCON KARASUMA内)の計3店舗を展開した。また「南船場 麹」については、店名の示す通り南船場に店舗を構えていた。
  • 「粋房 夕菜(ゆふな)」 - 阪急三番街と京都・四条烏丸(京都三井ビルの地下1階)に1店舗ずつ、計2店舗を展開していた。
  • 「あせんぼ」 - 阪急かっぱ横丁の2階に2店舗を展開しており、それぞれ「あせんぼ 母屋・離れ」と「あせんぼ 樂坐(らくざ)」と店名を変え、区別していた。
  • 「大鍋居酒屋 御用だ!」 - 大鍋で炊いたおでんなどを売りにする居酒屋。大阪(阪急かっぱ横丁)に1店舗、京都・四条烏丸(京都三井ビルの1階)に1店舗の計2店舗を展開していた。
  • 「デリカ・バール」 - バールスタイルの飲食店。阪急三番街に1店舗を展開していたほか、2011年(平成23年)6月6日に阪急グランドビルのサン広場にやや店舗規模の小さい「デリカ・バール Jr.」を出店していた[12]

カフェ部門

阪急阪神レストランズでは、(フレッズカフェを除く)カフェと喫茶店を区別していた。カフェについては、以下の5つの店名(ブランド名)で合計6店舗を展開した。カフェ部門については2店舗を除き全て阪急三番街南館(梅田駅に併設)に出店しており、後述する喫茶店部門が主要駅以外にも展開しているのと対照的な展開方法を採った。

  • 「Slow Cafe」(スロウ・カフェ) - 大阪(阪急グランドビル地下)に1店舗と、京都・四条烏丸に1店舗を展開。「スロウに生きてみようよ」をテーマ・コンセプトとしている。
  • 「neko」 - 阪急三番街南館1階に出店。「チャイニーズ・スタイル・カフェ」と銘打っており[13]、ドリンクメニューは中国茶を中心に展開していた。
  • 「hirari」[14] - 阪急三番街南館2階に出店。「イタリアン・カフェ」と銘打っており[15]、ランチメニューやディナーメニューでもイタリアンが紹介されていた。
  • 「parfum de cafe」(パルファム・ドゥ・カフェ) - 阪急三番街南館地下1階に出店。
  • 「Cafe&Dining 糀」 - レム新大阪がある新大阪駅の新大阪阪急ビルに出店。「Natural Kitchen 麹」「南船場 麹」同様、麹など発酵食品を使用した料理を売りにしている[16]

喫茶店部門

喫茶店部門は「喫茶 スタンダード」や「プレンティ」など10の店名(以下参照)を用い、27店舗を阪急電鉄の駅周辺(駅構内や駅前など)や阪急系列の商業施設・ビル内に展開している。特に梅田駅については出店数が多く、各改札口の内外に計5店舗を展開していた。また、喫茶店部門は主要駅以外の駅にも店舗展開しており、前述のように阪急梅田駅エリア(阪急三番街南館)に集中的に出店しているカフェ部門とは対照的であった。

  • 「喫茶 スタンダード」[4] - 梅田駅2階店、上新庄店塚口店西宮北口店六甲店石橋店の計6店舗。
  • 「りら」[4] - 阪急梅田駅3階店を出店している。かつては西宮北口店のほか、新阪急八番街(新阪急ビル内)の地下1階にも「八番街店」を出店していた。なお、梅田駅3階店はかつては「ライラック」(後掲)として運営されており、改装を経て「りら」としてリニューアル・オープンした。
  • 「プレンティ」[4] - 阪急梅田駅3階店、南千里店茨木店高槻店四条烏丸店宝塚店三宮店池田店の計8店舗。
  • 「サンシェイド」 - 茨木店逆瀬川店、千里中央店(千里朝日阪急ビル内)の計3店舗。
  • 「ルナ」 - 向日店と吹田店の2店舗。
  • 「ミモザ」 - 阪急梅田駅2階に出店。
  • 「ハーティ」 - 阪急梅田駅の茶屋町口改札口側に出店。
  • 「ライラック」 - 池田駅に出店。
  • 「ジャルダン」 - 阪急三番街南館の地下1階に出店。
  • 「パウゼ」 - 阪急電鉄本社ビル1階に出店。

ファーストフード部門

ファーストフード部門は、大手ファーストフードチェーンであるケンタッキー・フライドチキンとハーゲンダッツの店舗をフランチャイズ展開していた。阪急阪神レストランズ内で社外ブランドはこのフランチャイジー2業態のみである。

  • ケンタッキー・フライドチキン - 阪急茨木店阪急桂店、武庫之荘駅前店の3店舗を展開。
  • ハーゲンダッツ - 阪急三番街南館の1階に出店。

関連項目

脚注・出典

  1. ^ a b c 株式会社阪急阪神レストランズ 第10期決算公告
  2. ^ 阪急阪神レストランズ・会社概要
  3. ^ “阪急阪神HD、4月に飲食事業集約 仕入れや衛生管理を一本化”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2010年3月15日) 
  4. ^ a b c d e f g 株主通信 Vol.22 (Report). 阪急阪神ホールディングス. 2 March 2012.
  5. ^ https://www.h2o-retailing.co.jp/ja/company/history.html
  6. ^ https://data.swcms.net/file/h2o-retailing/ja/news/auto_20210209459862/pdfFile.pdf
  7. ^ 同居していたアズナスの改装及びローソン化に先立ち閉店した
  8. ^ 純粋な立ち食いスタイルを採っている店舗は改装前の十三店のみで、多くの店舗ではカウンターに簡易な椅子を設けて座って飲食できるようになっている。ただし仁川店については、阪神競馬場で競馬が開催される日に限り、混雑緩和のため椅子が撤去される)。詳しくは阪急阪神研究所「研究レポート」第1号 『クリエイティブ阪急フード事業部のお仕事』2/3ページ「お仕事のウラ側見せてください!」および阪急阪神研究所「研究レポート」第1号 『クリエイティブ阪急フード事業部のお仕事』3/3ページ「こんなお仕事発見しました!」を参照のこと。
  9. ^ そば・うどん店舗一覧 阪急阪神レストランズのホームページ。
  10. ^ 観音茶屋 中山寺の公式サイトに掲載された観音茶屋の紹介ページ。メニュー等を掲載している。
  11. ^ 本町店はかつて阪急そば本町店と同じビルに入居していた。
  12. ^ 阪急阪神ホールディングスグループガイド2011 (Report). 阪急阪神ホールディングス. 1 September 2011.
  13. ^ カフェ「neko」の公式サイト
  14. ^ 阪急梅田駅2階でショッピングのあとはひと足伸ばしてブックファーストへ『梅田でホッとひといき100円キャンペーン』を実施します。 (Report). 阪急電鉄. 27 April 2011.
  15. ^ カフェ「hirari」の公式サイト中の店舗アクセス紹介ページ 「hirari」へのアクセスを示したページであるが、その中に「イタリアンカフェ」との記述があった。
  16. ^ 公式ホームページ上ではカフェ・バール部門に記載されていた為、本項に記載。

外部リンク