『赤と黒』(あかとくろ)は、宝塚歌劇団のミュージカル作品。原作はスタンダールの同名小説。脚本が菊田一夫版(1957年初演)と柴田侑宏版(1975年初演)がある。
柴田侑宏版の初演時タイトルは「恋こそ我がいのち -スタンダール作「赤と黒」より-」であった。
あらすじ
貧しい家庭出身の美青年、ジュリアン・ソレルは立身出世のため聖職者を志し、司祭の紹介で町長のレナール家でラテン語の家庭教師を務める。やがてレナール夫人と激しい恋に落ちるが、密告によりレナール家から追放される。
ジュリアンは神学校に入学するも退学。今度はラモール侯の秘書を務め、積極的な令嬢マチルドとやがて恋に落ち結婚を決意する。ところがラモール侯がレナール家にジュリアンの過去を問いただしたところ、かつての不倫が露見。推薦文を依頼したレナール夫人の「女を手に入れ、財産を狙う男」という手紙により、結婚は白紙に戻された。
出世の道を断たれたジュリアンは故郷に戻る。そして教会で祈りを捧げるレナール夫人を見かけたとき、彼は彼女を銃撃してしまう…。
登場人物
- ジュリアン・ソレル - ナポレオンを崇拝するが、出世のために聖職者を志す。
- レナール夫人 - 町長レナール氏の貞淑な妻
- フーケ - ジュリアンの友人
- マチルド - ラモール侯爵令嬢。ジュリアンを誘惑し、やがて恋に落ちる。
楽曲
これまでの上演
菊田版
- 1957年花組・初演
- 9月1日から9月29日に宝塚大劇場で上演。東京では未公演。
- 演出は高木史朗
- 正式なタイトルは『赤と黒』 -ジュリアン・ソレルの恋と人生-
- 形式名は「グランド・ミュージカル」。二部34場。
- 併演作品のない一本立ての作品。
- 上演当時は内容が宝塚向きでないとされ、賛否両論があった。
柴田版
- 1975年月組・初演
- 10月2日から11月11日(新人公演:10月25日)に宝塚大劇場で、1976年3月3日から3月24日(役替わり公演:3月14日、新人公演:3月19日)に東京宝塚劇場で上演。併演はグランド・レビュー『イマージュ』
- 宝塚の形式名は「ミュージカル・ロマン」で12場。
- 東京公演時に、「赤と黒」へ改題。
- 本来の月組トップ娘役初風諄はヨーロッパ公演参加および星組公演『ベルサイユのばらⅢ』への特別出演等のため大劇場・東京とも全日程休演、そのため舞小雪がヒロイン・レナール夫人をつとめた。
- 主演の大滝子は翌年6月の大劇場公演『スパーク&スパーク/長靴をはいた猫』千秋楽をもって歌劇団を退団しており、本作が大がトップとしての最後の東京公演であった。
- 新人公演・配役
- 役替わり公演・配役
- 1989年月組
- 月組が2月4日から2月14日に宝塚バウホールで、1990年1月4日から1月10日に日本青年館で上演。
- 東京の主な出演は涼風真世、朝凪鈴、羽根知里、天海祐希、未沙のえる、愛川麻貴のほか、幸風イレネ、大峰麻友、波音みちる、八汐祐季、若央りさ、久世星佳
- 2008年星組
- 3月13日から3月25日梅田芸術劇場のシアター・ドラマシティ、3月31日から4月7日日本青年館、4月12日から4月14日愛知厚生年金会館で上演。演出は中村暁が担当。
- 主演の安蘭けいは、長年ジュリアン役を熱望していた。
- 2020年月組
- 2月10日から3月4日御園座で上演(2月29日~3月4日の期間はCOVID-19の感染拡大により休演)。演出は中村暁が担当。
- 中日劇場の営業終了から2年ぶりの名古屋公演となった。
配役及びスタッフ
| この節の 加筆が望まれています。 (2014年10月) |
()は劇場場所。不明点は「?」とする。
脚注
注釈
- ^ 一部人物表記が柴田版とは異なる(例:レナル夫人)が、便宜上同じに扱った。
- ^ コラゾフ公爵と2役
- ^ コラゾフ公爵と2役
- ^ フーケと2役
- ^ フーケと2役
- ^ 大劇場公演のみ
出典
参考文献
外部リンク