港の見える丘公園(みなとのみえるおかこうえん)は、神奈川県横浜市中区山手町114にある都市公園(風致公園)。1962年(昭和37年)に開園し、南北に細長い公園で、面積は5.7ヘクタールで、横浜港を見下ろす。名称は戦後の流行歌『港が見える丘』に由来する。
概要
幕末に横浜が開港した際に、イギリス軍とフランス軍が当地に駐留した。日本初のフリーメイソンのロッジも置かれた。その後、太平洋戦争後も、アメリカ軍など進駐軍がこの地を接収した。接収が解除になってから、横浜市が公園用地として手に入れ整備し、1962年(昭和37年)10月25日に風致公園として一般者が立ち入ることができるようになった。
山下公園と並んで、横浜市の観光地の公園の一つで、横浜港を見渡せる高台に位置する。ただし、見える物はあくまで本当の意味の「港」であり、横浜ベイブリッジを除くと、横浜の代表的な観光地であるみなとみらい21や関内といった地区を見下ろすことはできない。
山手地区に近く、雰囲気も山手と似ているので、家族連れやカップルも見られる。
終戦直後の1948年(昭和23年)にヒットした流行歌『港が見える丘』に因んで命名され、1962年5月8日の開園式には同曲が流れる中、横浜市長によるテープカットがなされた[1]。園内には『港が見える丘』の歌碑が建っている。公園の一角には大佛次郎の記念館もある。
また、1969年(昭和44年)に累計150万枚以上を売り上げ[2]、横浜の代表的なご当地ソングとなっている[3]いしだあゆみの楽曲『ブルー・ライト・ヨコハマ』は港の見える丘公園から見た、横浜と川崎の工業地帯の夜景をイメージしたものだという[4]。
1986年(昭和61年)より放送が開始されたテレビドラマ『あぶない刑事』の中にもよく登場している。
ちなみにオフコース(小田和正)の『秋の気配』の歌詞に出てくる“港が見下ろせるこだかい公園”とはこの公園のことを指しており、B'zの『TIME』でも“港が見渡せる丘”として歌われている。
当園は2002年(平成14年)に設定された散策コース「開港の道」(桜木町駅前を起点とし汽車道、みなとみらい新港地区、山下臨港線プロムナード、大さん橋、山下公園などを経由)の終点側にあたる[5][6]。
また2012年(平成24年)には、スタジオジブリ『コクリコ坂から』の記念スポットとしてUW旗とパネルが設置された[7]。
2014年(平成26年)、港の見える丘公園の拡張区域として「ブラフ99ガーデン」が開園。山手の洋館の前庭をイメージしたものとなっている[8]。
2016年(平成28年)にバラ園が「イングリッシュローズの庭」、沈床花壇が「香りの庭」としてリニューアルされ[9][10]、2017年(平成29年)には第33回全国都市緑化よこはまフェア(愛称:ガーデンネックレス横浜2017)のみなとガーデン会場の一つとなっている[11]。
なお、以前は高台から横浜港湾の岸壁を望むことができたが、近年は横浜ベイブリッジ建設に伴う道路の整備が行われたため、視界に首都高速道路の高架が必ず入る。平日は人通りも少ないが、週末にはカップルで賑わう。
イングリッシュローズの庭
園内のイギリス館の前には「イングリッシュローズの庭」があり、現在約150種 約800株のバラが植わっている。毎年5月初旬から約1か月は、ここと山下公園・山手イタリア山庭園などのバラ園と協力して、「横浜ローズ・ウィーク」が開催される。
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横浜ローズ・ウィーク 2023
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イングリッシュローズの庭の入口
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イングリッシュローズの庭のバラ
フランス山
港が見える展望台から北へ、元町・山下公園の方へ降りる地区はフランス山と呼ばれていて、フランス領事館跡地、風車、バルタール設計のパリの「レ・アル中央市場」遺構などがある。[12]
公園内の施設
周辺
アクセス
脚注
関連項目
外部リンク