建水(けんすい)とは、茶道具の一つで、茶碗を清めたり温めたりしたときに使った湯や水を捨てるために使うもの[1]。「こぼし」とも言う[1]。材質は陶器、磁器、曲物(木地物)、唐銅や砂張()(金属器)、近年はアクリル製など軽くて丈夫な物も使用することもある。形状は筒型や桶型、壺型、碗型など、湯を捨てやすいように口は大きく開いている物がほとんどである。
茶道(抹茶)の場合
茶道における基本的な使い方は以下の通りである。流派や手前の仕方によって順序には変動がある。
- 席入り(茶室への入場)の最後に、中に蓋置、口に柄杓をかけ、左手で口を持って入り、手前座に着く
- 一端左手に柄杓を持ち、右手で中から蓋置を取り出し所定の位置に置く
- 茶筅通しで茶碗を清めるときに使用したお湯を捨てる
- お手前が終わると、最初に左手に持って退座する。
煎茶道の場合
煎茶道では「湯こぼし」とも言われる。材質は金属器が多い。形状は筒型の物が多い。
抹茶用の物との相違点としては、口の部分に蓋のような水切りが付いていることが多い点が挙げられる。ただし流派によっては、抹茶(茶道)用の建水をそのまま使用する流派もある。
脚注