岡山湯郷Belle(おかやまゆのごうベル)は、岡山県美作市をホームタウンとする日本女子サッカーリーグに加盟するサッカークラブ。
概要
岡山県美作ラグビー・サッカー場を活動拠点とし、英田郡美作町(当時)のスポーツの核をめざして県と町の官民一体となった地域支援、振興を狙いとした女子サッカーチームによる町おこしプロジェクトにより、湯郷温泉の従業員や市民が中心となって2001年に結成された[3][4]。
クラブの運営は、クラブ設立から2009年3月31日までは美作市・岡山県サッカー協会・湯郷温泉旅館組合などが設立した任意団体「美作スポーツ&レジャークラブ」が行っていたが、2009年4月1日からは美作スポーツ&レジャークラブをNPO法人に移行する形で設立された「特定非営利活動法人岡山湯郷Belleクラブ」に移管された。その後、2014年3月3日からは岡山湯郷Belleクラブを一般社団法人に移行する形で設立された「一般社団法人岡山湯郷Belle」へ移管された。
2005年11月に「クラブ申請制度」を活用し、岡山県作陽高等学校サッカー部に新設された女子チーム「作陽高校サッカー部女子」(愛称:作陽レディース)を下部組織(ユースチーム)として設立、2006年から本格始動した[5]。作陽高校は岡山湯郷Belleの選手を職員及び作陽レディースのコーチとして雇用し、両チームでの合同練習も行うこととなった。高校のサッカー部をクラブチームの下部組織にするのはこれが全国初のケースであったが、2016年を以て独立した。
クラブ名のBelleは「美人」「美女」などを意味するフランス語で、湯郷温泉が「美人の湯」で有名であることから、この街と共に発展していくという思いが込められている[6]。
歴史
クラブ結成当初は中国地域の大会に出場し、県内はもとより中国女子サッカーリーグなどの大会で新興勢力として躍進。その功績が認められ、2003年から日本女子サッカーリーグに加盟した。この年は1次リーグ(予選)西日本ブロック4位となり、決勝リーグは下位リーグに回る。その下位リーグは2位となり、上位4チームで行われた1回戦総当たりのプレーオフ「2004 L1参入チーム決定戦」に進出するも3位に終わり、2004年はL2に所属となった。
2004年のL2は、6チームによる3回戦総当りのリーグ戦を15試合14勝1敗で優勝。特に後半戦は10連勝し、L1自動昇格となるL2の初代優勝に輝いた。
2006年は4位に終わったが、8月27日に行われた「なでしこリーグオールスター」で4名が選出された。また、なでしこジャパンでは宮間あやと福元美穂が定着した。
12月から行われた第28回全日本女子サッカー選手権大会では、準決勝で日テレ・ベレーザを破り決勝進出。TASAKIペルーレFCとの対戦となった決勝戦(2007年1月1日)では0-2で敗れ準優勝となった。
2011年1月31日、クラブ創設以来10年に亘って監督を務めていた本田美登里が退任し、翌2月1日に2代目監督として、本田の読売ベレーザ時代の後輩でコーチ兼下部組織のBelle Kids FC U-15監督だった種田佳織が就任した。
2014年は10チーム総当たりによる1次リーグ「レギュラーシリーズ」を優勝し初のタイトルを獲得したが、その後行われた上位6強による決勝リーグ「エキサイティングシリーズ」では、浦和レッズレディースに及ばず、年間総合優勝は逃した。
2015年は開幕から2勝1分5敗と成績が低迷、この責任を取り、監督の種田佳織が5月31日付で辞任した[7]。後任には、コーチの櫻井庄吾が翌6月1日付で監督代行に就任、10月7日付で正式に監督に就任したが、結局総合8位でシーズンを終えた。
2016年は開幕5試合を3勝1分1敗と好調なスタートを切るも、第6節AC長野パルセイロ・レディースから6連敗を喫し、6月1日付けで、成績不振のため櫻井庄吾が監督を辞任した。後任としてコーチの結城治男が監督代行に就任したが[8]、結城と選手との軋轢が表面化(後述)したことから、7月25日付で解任された[9]。その後は谷口博志や森周三が監督代行を務めたが、結局、第5節浦和レッズレディース戦での勝利を最後にシーズン終了まで13連敗を喫して、最下位の10位となり、なでしこリーグ2部降格が決定した[10]。
亘崇詞を新監督に迎えた2017年は、開幕節FC吉備国際大学Charmeでは勝利するものの、第2節オルカ鴨川FCから2分5敗と不振に陥る。後半戦も成績は上向かず、5勝4分9敗の8位でシーズンを終えた。
2018年は前半戦では1勝もできず、3分6敗の最下位に沈む。第13節スフィーダ世田谷FC戦でようやくシーズン初勝利を挙げるも、結局最下位から抜け出すことはできず、チャレンジリーグWESTに降格となった。
2019年は、第4節吉備国際大学Charme岡山高梁戦から7戦負けなしを記録するも、優勝争いに絡むことはできずWEST 4位。順位決定戦プレーオフの結果、総合5位でシーズンを終えた。
2020年は、第2節スペランツァ大阪高槻戦から5連敗を喫する。結局、この年は吉備国際大学Charme岡山高梁にシーズンダブルを達成した以外に勝利はなく、WEST 5位でシーズンを終えた。
2021年はWEリーグ創設に伴うリーグ再編が行われ、なでしこリーグ2部に所属することとなった。しかし、開幕5連敗を喫するなど相変わらず成績は低迷、最下位となる8位でリーグ戦を終了し、入替戦に回ることとなったが、2勝1敗の2位でなでしこリーグ2部残留が決まった。
2022年は、開幕直前に監督の亘が辞任したため、3月にコーチとして加入したばかりの榊原玄が監督代行に就任、3月31日付で正式に監督に就任した。リーグ戦は開幕から4戦連続引分など前半戦は6分3敗と未勝利で終える。後半戦も勝利は遠く1勝4分4敗の8位、総合では1勝10分7敗の10位で、入替戦に回ることとなった。入替戦では1勝2敗の3位となり、なでしこリーグ2部残留が決まった。
スタジアム
- ホームスタジアム
- 準ホームスタジアム
- 県外のホームゲーム開催
かつては、ファジアーノ岡山FCとダブルヘッダーでホームゲームを開催したこともある。
スタジアムDJ
年度別成績・歴代監督
リーグ戦
- 予選(地区)リーグと決勝リーグを採用した2003年の成績は年間順位。チーム数は両地区の合計チーム数。
- 2006年は8チーム2回戦総当たりの「レギュラーリーグ」(RL)後、その順位に基づき上位と下位の各4チームによる1回戦総当たりの「プレーオフ」(PO)を実施。試合数はRLとPOの合計。成績は年間順位。
- 2014年と2015年は10チーム2回戦総当たりの「レギュラーシリーズ」後、その順位に基づき上位6チームと下位4チームによる2回戦総当たりの「エキサイティングシリーズ」を実施。試合数は両シリーズの合計。成績はエキサイティングシリーズ終了後の年間順位。
2004 L1参入チーム決定戦
入替戦
- 2021年
なでしこリーグ2部入替戦
年度 |
チーム数 |
試合 |
勝点 |
勝 |
分 |
敗 |
得点 |
失点 |
得失差 |
順位
|
2021 |
4 |
3 |
6 |
2 |
0 |
1 |
4 |
4 |
0 |
2位 なでしこリーグ2部 残留
|
- 2022年
なでしこリーグ2部入替戦
年度 |
チーム数 |
試合 |
勝点 |
勝 |
分 |
敗 |
得点 |
失点 |
得失差 |
順位
|
2022 |
4 |
3 |
1 |
1 |
0 |
2 |
5 |
11 |
-6 |
3位 なでしこリーグ2部 残留
|
獲得タイトル
所属選手・スタッフ
- 2024年[12]
スタッフ
選手
歴代監督
- 2001年 - 2010年 本田美登里
- 2011年 - 2015年5月 種田佳織
- 2015年6月 - 同年10月 櫻井庄吾(監督代行)
- 2015年10月 - 2016年6月 櫻井庄吾
- 2016年6月 - 同年7月 結城治男(監督代行)
- 2016年7月 谷口博志(監督代行)
- 2016年7月 - 12月 森周三(監督代行)
- 2017年 - 2022年3月 亘崇詞
- 2022年3月 - 同年12月 榊原玄
- 2023年 - 現在 谷口博志
歴代所属選手及び背番号変遷
1-10
11-20
21-30
31-40
|
31 |
32 |
33 |
34 |
35-36 |
37 |
38 |
39 |
40
|
2024
|
釜坂慧 |
小川優花 |
湯郷美彩[注釈 1] |
三田一紗代 |
- |
- |
- |
- |
-
|
2023
|
程思瑜 |
- |
- |
守屋栞奈 |
谷口木乃実
|
2022
|
- |
- |
- |
-
|
2021
|
2020
|
2019
|
2018
|
佐喜眞幹
|
2017
|
-
|
2016
|
2015
|
エリザベス・エディー
|
2014
|
-
|
2013
|
2012
|
2011
|
2010
|
2009
|
2008
|
2007
|
2006
|
2005
|
2004
|
2003
|
2002
|
2001
|
|
31 |
32 |
33 |
34 |
35-36 |
37 |
38 |
39 |
40
|
ユニフォーム
ユニフォームの色
カラー
|
シャツ
|
パンツ
|
ストッキング
|
FP(1st)
|
紺
|
紺
|
赤
|
FP(2nd)
|
グレー
|
黒
|
グレー
|
GK(1st)
|
緑
|
緑
|
緑
|
GK(2nd)
|
ピンク
|
ピンク
|
ピンク
|
|
|
|
クラブカラー
ユニフォームスポンサー
掲出箇所 |
スポンサー名 |
表記 |
掲出年 |
備考
|
胸
|
山田養蜂場 |
山田養蜂場 YAMADA BEE FARM |
2011年9月 - |
|
鎖骨左
|
佐藤建設 佐藤砕石販売 |
SΛTO GROUP |
2024年 - |
2023年は袖 2023年は「佐藤建設」表記
|
鎖骨右
|
佐藤建設 |
BELLE HOME
|
背中上部
|
マルイ |
MΛRUI |
|
|
袖
|
英田エンジニアリング |
AIDA ENG OKAYAMA JAPAN |
2024年 - |
|
パンツ前面
|
幸和 |
幸和 グループ |
2023年 - |
|
パンツ背面
|
なし |
- |
- |
|
ユニフォームサプライヤー
歴代ユニフォームスポンサー年表
トレーニングウェアスポンサー
車両スポンサー
2016年の選手退団騒動
7月28日、チームの主力でもある宮間あや、福元美穂に加え、松岡実希、高橋佐智江の4選手が、7月25日に解任となった監督代行の結城治男の指導法を巡る意見の相違等[14]を理由にシーズン中にもかかわらず退団を申し出るという報道が出た[15]。この騒動を理由に、GM兼一般社団法人岡山湯郷Belle会長の黒田和則が引責辞任するという事態にも発展した[16]。結局、宮間は8月10日に残留を表明したが[17]、福元、松岡、高橋の3選手に加え、葛間理代が退団することになった[18]。
しかし、一度は残留を表明した宮間も11月5日に契約満了により退団[19]、さらに12月20日には10選手の退団が発表され[20]、残留選手が7人のみという非常事態になった。
脚注
注釈
- ^ 温泉むすめとのコラボレーションによるもの[13]。
- ^ 佐藤建設と佐藤砕石販売の共同掲出。
出典
外部リンク
岡山湯郷Belle 関連テンプレート |
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- 本田美登里 2001-2010
- 種田佳織 2011-2015.5
- 櫻井庄吾(代行) 2015.6-10
- 櫻井庄吾 2015.10-2016.6
- 結城治男(代行)2016.6-7
- 谷口博志(代行)2016.7
- 森周三(代行) 2016.7-12
- 亘崇詞 2017-2022.3
- 榊原玄 2022.3-12
- 谷口博志 2023-
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2000年代 | |
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2010年代 | |
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2020年代 |
- 20 ディオッサ出雲F.C.
- 21 ディオッサ出雲F.C.
- 22 ディオッサ出雲F.C.
- 23 ディオッサ出雲F.C.
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