姜(きょう)は、漢姓の1つで、上古八大姓の1つである。
中国の姓
2020年の中華人民共和国の第7回全国人口調査(中国語版)(国勢調査)に基づく姓氏統計によると中国で54番目に多い姓であり、542.51万人がいる[1][2]。一方、台湾の2018年の統計では第81位で、34,687人がいる[3]。
姜姓は上古期の中国においてチンギス・カンの「カン(汗)」と同じく「上に立つ、尊大な」の原義を持つ尊称から生じたものであるが、起源については複数説がある。
地名説
三皇五帝の一人である炎帝神農氏が姜水のほとりで長じたことを起源とする。「姜水」については、現在の清姜河(渭水の支流)、あるいは岐山県の岐水という2つの解釈がある。
合字説
- 「姜」が「癸」+「女」の合字であるという説。上古期の皇帝が女癸を娶り、その子孫に姜姓を与えたとされる伝説が起源で、壬が戊を畏れたため妹の癸を娶らせる五行思想(戊娶癸)が背景にある。
- 「羌(「羊」+「人」)」同様、「羊」+「女」の合字であり、西北中国で羊を放牧していたチベット系民族が羊にちなむ姓をつけたものであろうとする(藤堂明保)。
著名な人物
古代~中世
近代以降
朝鮮の姓
姜(きょう、カン、朝: 강)は、朝鮮人の姓の一つである。
俗説では安姓、崔姓と共に「안강최」と呼ばれ、「頑固な人たち」のステレオタイプで見なされる[4]。
著名な人物
氏族
本貫は文献上に100余本が伝わるが、系譜が明確なのは晋州・衿川・安東・白川・海美・同福・光州などの7本である。皆晋州姜氏の支派である。始祖姜以式は高句麗の兵馬元帥で、隋の軍隊を打ち破った名将である。姜氏は河氏・鄭氏と共に晋州・晋陽の3大姓であり、特に河氏と共に地方の土姓である。
人口と割合
晋州を中心に慶南・釜山地方、その次に全南・慶北・全北地方に多数分布する。
朝鮮時代に文科及第者227人を出して相臣5人、大提学1人、清白吏7人を輩出した。
年度 |
人口 |
世帯数 |
順位 |
割合
|
1960年 |
592,984人 |
10万4760世帯 |
258姓中6位 |
2.4%
|
1985年 |
|
22万7093世帯 |
274姓中6位 |
2.4%
|
2000年 |
|
|
|
|
2015年
|
1,176,847人
|
|
|
|
出典
脚注
関連項目
中国の多い姓上位100位 |
---|
第1~25位 | |
---|
第26~50位 | |
---|
第51~75位 | |
---|
第76~100位 | |
---|
備考 |
- 2020年の第7回中華人民共和国全国人口調査(中国語版)(国勢調査)に基づく姓氏統計による。
- 簡体字の制約などによる特記事項。
#第33位の「肖」は二簡字改革により改姓した「蕭」を含む(簡体字表記の「萧」姓は別統計)。 #第41位の「葉」は簡体字で「叶」と表記。 #第53位の「鍾」は簡体字で「钟」と表記。 #第66位の「傅」は簡体字で「付」と表記(簡体字表記の「傅」姓は別統計)。 #第73位の「邱」は簡体字で「邱」と表記(簡体字表記の「丘」姓は別統計)。 #第77位の「閆」は簡体字で「闫」と表記する(簡体字表記の「阎」姓は別統計)。 #第96位の「戴」は簡体字で「戴」と表記する(簡体字表記の「代」姓は別統計)。
|
---|
台湾の多い姓上位100位 |
---|
第1~25位 | |
---|
第26~50位 | |
---|
第51~75位 | |
---|
第76~100位 | |
---|
備考 |
- 2023年6月30日公表の中華民国内政部の資料による統計。台湾の姓も参照。
- 中国大陸、東南アジアからの移民なども統計に含まれる。また、違う字体を使用する姓を2つの姓と見なされることもある。
#第3位は繁体字の「黃」であり、80位は簡体字の「黄」である。 #64位の「温」は簡体字と同形である。
|
---|
韓国の多い姓上位100位 |
---|
第1~25位 | |
---|
第26~50位 | |
---|
第51~75位 | |
---|
第76~100位 | |
---|
備考 | |
---|