名鉄モ90形電車(めいてつも90がたでんしゃ)は、かつて名古屋鉄道(名鉄)に在籍していた電車(制御電動車)である。
渥美線(現・豊橋鉄道)向けに1942年(昭和17年)2月に製造された半鋼製二軸単車で、機器はデワ1形からの流用で台車はブリル21-E、屋根はシングルルーフ構造、側面窓配置は D 6 D である。鉄道線向けの車両だが構造的には路面電車に準じており、制動装置は手ブレーキ、集電装置はトロリーポールであった。
戦後、戦災で車両不足に陥った岡崎市内線に名古屋市電から元・京都N電車両が譲渡され、これがモ90形(2代)となると、本形式はモ140形(140 - 142)に改番した。モ140とモ141はその後永久連結化されている。
1954年(昭和29年)10月に渥美線が豊橋鉄道に譲渡されるとモ140形も豊橋鉄道に転籍となったが、譲渡後さほど使われることなく廃車解体された(1956年(昭和31年)9月14日廃車届)。
脚注
参考文献
- 加藤久爾夫・渡辺肇「私鉄車両めぐり 名古屋鉄道」『鉄道ピクトリアル アーカイブスセレクション』第30号、電気車研究会、2015年1月、122 - 165頁。
- 清水武、田中義人『名古屋鉄道車両史 上巻』アルファベータブックス、2019年。ISBN 978-4865988475。
- 白井良和「豊橋鉄道渥美線」『鉄道ピクトリアル』第244号、電気車研究会、1970年11月、66 - 72頁。
|
---|
|
|
|
|
|
|
1941年改番以降の形式称号を掲載。「引継車」は名岐鉄道および被合併会社から継承した車両。「譲受車」は被合併会社以外から購入・譲受した車両。 |
|
---|
|
|
|
渥美線(1500V昇圧後) | |
---|
渥美線(600V時代) | |
---|
東田本線 | |
---|
田口線 | |
---|
|