京成高砂駅
京成高砂駅(けいせいたかさごえき)は、東京都葛飾区高砂五丁目にある、京成電鉄・北総鉄道の駅である。
概要
京成電鉄の本線・金町線・成田空港線と北総鉄道の北総線が乗り入れている東京23区東部の交通の要衝の一つ。京成電鉄と北総鉄道の共同使用駅であるが、駅名に「京成」を冠する。駅管理は京成電鉄が行っている。駅番号は京成電鉄に対してのみKS10が付与されている。
本線以外の3路線は当駅が起点で、このうち金町線以外は全て直通運転の設定がある(京成上野、押上・都営線方面 - 印旛日本医大、京成船橋方面)。
成田空港線は「成田スカイアクセス線」の愛称が付けられており、旅客案内ではそちらが使われている。同線は印旛日本医大駅まで北総線と施設を共用しており、京成成田空港線と北総線は法手続き上別事業者の路線であるが、時刻表などでは共通して案内されることが多い。
この駅は本線(京成船橋経由)のルートと京成成田空港線・北総線(印旛日本医大経由)のルートの分岐駅となっており、隣の青砥駅ともども京成におけるジャンクション駅として機能している。
駅東側に京成の高砂車庫が設置されている。当駅が始発・終着となる列車も多数設定されており、押上・都営線方面と京成上野方面は毎時1本程度始発列車がある。当駅 - 青砥間は複々線となっている。
歴史
駅構造
島式ホーム2面4線(地平)および単式ホーム1面1線(高架)を持つ駅で、橋上駅舎を有している。京成電鉄が駅業務全般を行う。京成本線・成田スカイアクセス線(成田空港線)・北総線は地平の2面4線で、同一線路・ホームを使用する。1954年の移転前は、本線・金町線ともに線別の相対式ホーム2面2線を有し、本線下りと金町線上りは同一のホームベース型の中ホームであった[2]。
京成については本線・成田スカイアクセス線と金町線が別線路・ホームとなっており、金町線は高架の5番線(コンコースと同一フロアからスロープで連絡)を使用しているが、同一社線ながら別改札となっている。同一乗車券(普通乗車券・ICカード)による改札外乗り換え(途中出場)は60分以内の時間制限が設けられており、これを超過すると当駅「下車」扱いとなり、普通乗車券は無効、ICカードは当駅で運賃計算が打ち切られる。5番線ホームができた当初は、乗り換え用の自動改札機は他の改札機と区別できるように緑色の配色となっていた(ICカードはどの改札機からも乗り換え可能)が、2016年1月現在、磁気乗車券が投入可である自動改札機が青色、ICカード専用の自動改札機がピンク色の配色となっており、すべての改札機が乗り換え可となっている。
発車標は、1番線から4番線ホームにはフルカラーLED式のものが、5番線(金町線)ホームには3色LED式のものが設置されている。
高砂管区として、京成小岩駅・江戸川駅を管理下に置いている。以前は自駅のみ管理だったが、小岩管区の廃止により当管区に統合された。
のりば
- 上表の路線名は成田空港線開業後の旅客案内の名称に基づいている。
- 実際の3・4番線の方面標識では、北総鉄道北総線独自の路線案内がなく、京成電鉄の「成田スカイアクセス線」の方面表記に「北総線」を含む形としている(両路線の関係については各路線の項目を参照のこと)。
- 3・4番線は「京成本線経由」と「成田スカイアクセス線経由」(北総線含む)の2方向が同じ線路から発車するため、注意を加えた接近放送が流れる。
- 配線の関係上、1番線と車庫へ出入庫する線路は限られる(※ 北側の折り返し線2線は1番線へ進入できない)。そのため、京成上野・押上方面行きの当駅始発列車は、大多数が2番線より発車する。
- 2024年11月ダイヤ改正以降、北総鉄道及び京急電鉄の車両による夜間外泊がある。
行先変更
当駅にて行先・種別を変更する列車が存在する。当駅止まりであっても行先・列車種別を変えて引き続き運転される。以下に平日における例を示す。
- 押上・京成上野方面からの列車
- 京成上野6時51分発普通 → 快速 成田空港行(京成本線経由)
- 京成上野7時12分発普通 → 快速 京成成田行
- 羽田空港第1・第2ターミナル7時13分発急行(品川から普通) → 快速 京成佐倉行
- 西馬込7時50分発普通 → 快速 京成成田行
- 西馬込8時27分発、8時49分発、9時10分発普通 → 快速 京成佐倉行
- 京成上野18時16分発普通 → アクセス特急 成田空港行[8]
- 京成上野18時48分発普通 → アクセス特急 成田空港行[8]
- 京成船橋方面からの快速列車
- 京成成田9時4分発 → 普通 西馬込行
- 成田空港16時25分発(京成本線経由) → 普通 西馬込行
- 京成佐倉17時31分発 → 普通(泉岳寺から急行) 羽田空港行
- 京成成田18時31分発 → 普通 西馬込行
- 京成佐倉21時30分発 → 普通 押上行
駅構内設備
利用状況
- 京成電鉄 - 2023年度の1日平均乗降人員は97,368人である[利用客数 1]。
- 京成線内全69駅では押上駅に次ぐ第2位である。ただし北総線との連絡人員(62,227人)を含むため、実際の利用客は上記値よりも少ない。
- 北総鉄道 - 2021年度の1日平均乗降人員は47,115人(乗車人員:23,294人、降車人員:23,821人)である[9]。
- 京成線からの直通連絡人員を含む。
近年の1日平均乗降人員推移は下表の通りである。
年度別1日平均乗降人員[* 1][* 2]
年度
|
京成電鉄
|
京成線 北総線 直通人員
|
1日平均 乗降人員
|
増加率
|
2002年(平成14年)
|
81,147 |
|
|
2003年(平成15年)
|
81,739 |
0.7%
|
|
2004年(平成16年)
|
81,487 |
-0.3%
|
|
2005年(平成17年)
|
81,587 |
0.1%
|
|
2006年(平成18年)
|
83,527 |
2.4%
|
52,192
|
2007年(平成19年)
|
87,685 |
5.0%
|
56,174
|
2008年(平成20年)
|
90,020 |
2.7%
|
58,809
|
2009年(平成21年)
|
90,220 |
0.2%
|
59,364
|
2010年(平成22年)
|
92,906 |
3.0%
|
60,417
|
2011年(平成23年)
|
93,314 |
0.4%
|
60,345
|
2012年(平成24年)
|
95,452 |
1.6%
|
61,966
|
2013年(平成25年)
|
96,950 |
1.6%
|
63,056
|
2014年(平成26年)
|
96,669 |
-0.3%
|
62,950
|
2015年(平成27年)
|
98,982 |
2.4%
|
64,377
|
2016年(平成28年)
|
101,330 |
2.4%
|
65,858
|
2017年(平成29年)
|
104,223 |
2.9%
|
67,668
|
2018年(平成30年)
|
106,281 |
2.0%
|
68,914
|
2019年(令和元年)
|
[利用客数 2]106,481 |
0.2%
|
69,095
|
2020年(令和02年)
|
[利用客数 3]78,910 |
-25.9%
|
49,958
|
2021年(令和03年)
|
[利用客数 1]79,605 |
0.9%
|
49,298
|
2022年(令和04年)
|
90,137
|
13.2%
|
56,665
|
2023年(令和05年)
|
97,368
|
8.0%
|
62,227
|
近年の1日平均乗車人員推移は下表の通りである。
年度別1日平均乗車人員[* 2][* 3]
年度
|
京成電鉄
|
北総鉄道
|
出典
|
本線
|
金町線
|
1990年(平成02年)
|
15,852 |
1,063
|
-
|
[東京都統計 1]
|
1991年(平成03年)
|
29,459 |
1,126 |
13,210
|
[東京都統計 2]
|
1992年(平成04年)
|
33,663 |
1,167 |
17,471
|
[東京都統計 3]
|
1993年(平成05年)
|
36,101 |
1,170 |
20,200
|
[東京都統計 4]
|
1994年(平成06年)
|
37,942 |
1,134 |
22,479
|
[東京都統計 5]
|
1995年(平成07年)
|
39,243 |
1,139 |
24,189
|
[東京都統計 6]
|
1996年(平成08年)
|
40,274 |
1,118 |
25,321
|
[東京都統計 7]
|
1997年(平成09年)
|
41,967 |
1,110 |
26,038
|
[東京都統計 8]
|
1998年(平成10年)
|
41,271 |
1,044 |
26,595
|
[東京都統計 9]
|
1999年(平成11年)
|
40,434 |
1,025 |
26,142
|
[東京都統計 10]
|
2000年(平成12年)
|
40,288 |
1,022 |
26,553
|
[東京都統計 11]
|
2001年(平成13年)
|
40,570 |
975 |
26,945
|
[東京都統計 12]
|
2002年(平成14年)
|
40,153 |
992 |
26,608
|
[東京都統計 13]
|
2003年(平成15年)
|
40,366 |
992 |
26,945
|
[東京都統計 14]
|
2004年(平成16年)
|
40,151 |
1,011 |
26,934
|
[東京都統計 15]
|
2005年(平成17年)
|
40,151 |
1,027 |
27,219
|
[東京都統計 16]
|
2006年(平成18年)
|
40,088 |
1,019 |
27,890
|
[東京都統計 17]
|
2007年(平成19年)
|
43,090 |
1,055 |
29,885
|
[東京都統計 18]
|
2008年(平成20年)
|
44,151 |
1,101 |
31,299
|
[東京都統計 19]
|
2009年(平成21年)
|
44,214 |
1,134 |
31,482
|
[東京都統計 20]
|
2010年(平成22年)
|
48,088 |
1,340 |
32,049
|
[東京都統計 21]
|
2011年(平成23年)
|
49,038 |
1,363 |
32,025
|
[東京都統計 22]
|
2012年(平成24年)
|
51,211 |
1,395 |
32,978
|
[東京都統計 23]
|
2013年(平成25年)
|
52,575 |
1,441 |
30,117
|
[東京都統計 24]
|
2014年(平成26年)
|
52,630 |
1,394 |
29,887
|
[東京都統計 25]
|
2015年(平成27年)
|
54,936 |
1,449 |
30,630
|
[東京都統計 26]
|
2016年(平成28年)
|
56,951 |
1,449 |
31,162
|
[東京都統計 27]
|
2017年(平成29年)
|
59,436 |
1,501 |
31,940
|
[東京都統計 28]
|
2018年(平成30年)
|
61,559 |
1,499 |
32,534
|
[東京都統計 29]
|
2019年(令和元年)
|
|
|
32,579
|
|
2020年(令和02年)
|
|
|
23,679
|
|
2021年(令和03年)
|
|
|
23,294
|
|
2022年(令和04年)
|
|
|
|
|
駅周辺
駅の南側に都営高砂団地があり、駅前にイトーヨーカドーが出店している。駅周辺は住宅や商店など中小の建物が密集している。
駅西方の中川沿いにJR貨物新金貨物線が通っている。
北口
南口
バス路線
駅前には交通広場を置くスペースがないため、道路上にある「京成高砂駅」停留所から京成タウンバスの路線が発着する。
開かずの踏切問題
駅の東側に高砂1・2号踏切がある。これら2ヶ所の踏切は京成本線と北総線(成田スカイアクセス線)の列車が同時に通過する上、車両基地への入・出庫の列車も低速で通過するため、朝夕通勤時間帯のみならず、昼間帯、夜間でも遮断時間が非常に長い「開かずの踏切」となっている[10][11]。
かつて、この2ヶ所の踏切は手動昇開式(ワイヤー式第1種乙踏切)で、同様の方式だった東武伊勢崎線竹ノ塚駅(東京都足立区)近くの踏切で2005年(平成17年)3月に発生した踏切事故の影響を受け、2006年(平成18年)9月までにそれぞれ手動ワイヤー式から遮断桿付きの自動式(第1種甲踏切)に変更された。これにより、手動式の特長である臨機応変な開閉対応はできなくなったため、遮断時間は以前より長くなった。以前は踏切を斜めに交差するような形で歩行者用の跨線橋も整備されていたが、金町線ホームの高架化に際して撤去され、踏切を渡らないで対面に向かう場合、現在は踏切の両側に設置されたエレベーターと駅構内の通路を使って横断する。
踏切が自動化されて以降、安全確保のために警備員が常時配置されていたが、2011年(平成23年)4月に1号・2号踏切とも踏切の途中数カ所に非常用ボタンが設置され、現在警備員は配置されていない。
全面高架化も案として上がっているが、高砂車庫(車両基地)の高架化や移転の必要があり、青砥 - 高砂間複々線化の際にも、高架二層化された青砥駅とは異なり、当駅が地上駅のまま残された理由の一つとなっている。道路、もしくは線路の地下化も、駅周辺は狭小な建物が密集するエリアであり、実現の難易度が高い。
しかし地元からは現在でも高架化の要望がある。葛飾区はこの問題を「開かずの踏切」という用語を出して、交通問題として取り上げ、区としても連続立体化実現に向けて取り組むと表明している[12]。
2022年度に、国から新規着工準備箇所として採択された[13]。
隣の駅
- 京成電鉄・北総鉄道
- 京成本線
- ■快速特急・■通勤特急・■特急
- 青砥駅 (KS09) - 京成高砂駅 (KS10) - 京成八幡駅 (KS16)
- ■快速・■普通
- 青砥駅 (KS09) - 京成高砂駅 (KS10) - 京成小岩駅 (KS11)
- 金町線
- 京成高砂駅 (KS10) - 柴又駅 (KS50)
- 北総線・ 成田スカイアクセス線(成田空港線)
- ■アクセス特急・■特急
- 青砥駅(京成本線)(KS09) - 京成高砂駅 (KS10) - 東松戸駅 (HS05)
- ■普通
- 青砥駅(京成本線)(KS09) - 京成高砂駅 (KS10) - 新柴又駅 (HS01)
脚注
出典
- 私鉄の1日平均利用客数
- 私鉄の統計データ
- 東京都統計年鑑
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、 京成高砂駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク
乗り入れ路線と駅の一覧 |
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※全線にわたって京成成田空港線と線路・施設を共有している。 | | 1992年廃止区間 | |
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