クロアチア、スプリット、ハムレットのシーンでのジョシップ・ゾフコの写真:マトコ・ビルヤク
『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ 』(ローゼンクランツとギルデンスターンはしんだ、Rosencrantz & Guildenstern Are Dead )は、イギリスの劇作家トム・ストッパード の戯曲 。1966年 のエディンバラ ・フェスティバルにて初めて上演された[ 1] [ 2] 。『ハムレット 』にほんの少しだけ登場するローゼンクランツとギルデンスターン という人物を主役にして、『ハムレット』の物語の裏側で彼らに何があったのかを描く。
概説
ストッパードの最も有名な作品の一つ。シェイクスピア の『ハムレット 』の台詞をそのまま題名にしており、『ハムレット』では端役の2人の人物を主人公とする喜劇である。2人は『ハムレット』におけるのと同様、無能で、状況をあまりよくわかっていない小悪党といった役回りにある。ハムレットと2人の関係は登場頻度の上では原作と逆転しているが、ハムレットを監視しているつもりで実は手玉に取られており、ハムレットの企みで確実に殺される運命にあることでは原作と変わりない。しかし状況を理解できない2人は、ほとんどの時間を、状況に対応して行動するためでなく、機知ある会話や状況の分析や予測に費やす。この膨大な、状況に対して全く働きかけることのない無意味な会話は、とりわけ劇の中心的人物が目的を持たず、自らの置かれた状況を理解していないという点で、サミュエル・ベケット の不条理演劇 『ゴドーを待ちながら 』と類似している[ 3] 。
日本語訳書
『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』(松岡和子 訳 劇書房 1985年)
『トム・ストッパードIII ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』(小川絵梨子 訳 早川書房 2017年)
映画
1990年にストッパード自身の監督で映画化された。ローゼンクランツはゲイリー・オールドマン が、ギルデンスターンはティム・ロス が演じている。ヴェネツィア国際映画祭 にて金獅子賞を受賞した。
キャスト
※括弧内は日本語吹替(VHS版)
脚注
外部リンク
英語版ウィキクォートに本記事に関連した引用句集があります。
映画版関連のもの
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