株式会社ロピア(英: LOPIA CO.,LTD.)は、スーパーマーケットや精肉店を運営する日本の企業。株式会社OICグループ傘下。神奈川県藤沢市で精肉店「タカラヤ」として創業し、現在は本社を神奈川県川崎市幸区[1]に置く。
神奈川県を中心に東京都・埼玉県・千葉県・茨城県の関東地方及び山梨県・静岡県・愛知県・岐阜県・三重県・奈良県・京都府・大阪府・兵庫県の中部・近畿圏、北海道、青森県、宮城県、福岡県、沖縄県の17都道府県と、日本国外では台湾新北市・桃園市・台中市・高雄市に出店し[2]、食品スーパーの「ロピア」「新鮮大売りユータカラヤ」を展開する[2]。2011年に株式会社ユータカラヤから株式会社ロピアに社名変更した。
社名・店名の「ロピア」は「ロープライスユートピア」が由来で[3][4]、低価格路線で急速に店舗を増やしている[5]。食品ディスカウントストアとして扱われることもある[6]。モットーは「食生活♡♡(ラブラブ)ロピア」[3]。
コンビニスイーツやプリンを手がける株式会社ロピア(愛知県)は同名の別会社である。
概要
「新鮮大売り」を企業コンセプトとして、関東地方及び中部・近畿・北海道・東北・九州・沖縄地方の1都1道2府13県でスーパーマーケットを展開する。また神奈川県内で食肉専門店を展開している。
一般的なスーパーマーケットとの同質化競争を避け、精肉を中心とした生鮮食品部門に特に力を入れている。
野菜売場に「八百物屋あずま」、鮮魚売場に「日本橋魚萬」というように独自の屋号を付け、店舗全体を商店街のイメージとし各部門の責任者に大きな裁量を与えて運営を行う「個店主義」をモットーとしている。
中規模スーパーマーケットながら、独自のプライベートブランド商品を自社開発しており[7]、飲料や調味料などのストアブランドも取り揃えている。また元来が精肉店であるため、ハム工場にて自家製ハム・ソーセージなども製造しており、加工食品でも「昔ながらのお肉屋さんのパン粉」がある。一部店舗でのお菓子コーナーでは、蒸気機関車の鉄道模型が走行しており、買い物客を楽しませている。
1990年代から2000年代には西友が撤退した跡地に居抜き出店することが多かったが[8]、近年はららぽーと[4]などのショッピングセンター[2]、島忠ホームズ[2]・ヨドバシカメラなどの異業種の量販店にもテナント出店している。ららぽーとTOKYO-BAY西館(旧・船橋そごう)の改築リニューアルにより2012年11月に千葉県へ進出[9]、その後、東京都や埼玉県のみならず、大阪府・兵庫県などの近畿圏[10]や、東海圏・福岡県・宮城県・山梨県にまで店舗網を拡大している。後述のように、2024年から2025年にかけてイトーヨーカ堂から閉店店舗を承継する形で北海道、青森県に進出し、岩手県、新潟県、長野県にも進出予定である。また、静岡県にも富士市に出店していたが閉店したため、浜松市への出店により再び進出した。
2024年12月13日、ホームセンタームサシ、ビバホームを運営するアークランズとの業務提携を発表。ロピアはムサシ、ビバホーム施設内への出店優先権を獲得。ビバホーム吹田千里丘店、清田羊ケ丘通店、ムサシ姫路店に2025年春出店する。アークランズはロピアのフランチャイジーとなり、新潟県、富山県、石川県で10年後に1000億円の売上を目指す[11]。
基本的にはクレジットカードや電子マネーは利用できず、支払い方法は現金のみとなる。近年導入されているセミセルフレジもクレジットカード決済には対応していない。なお、ららぽーとTOKYO-BAY店については同ショッピングセンターを運営している三井不動産商業マネジメントとの契約の関係上、クレジットカードが使用できる[12]。また、ポイントカードのサービスもない。2019年4月よりQRコード決済のPayPayを殆どの店舗(都内の一部小型店舗を除く)で試験的に導入したが[13]、2020年4月末でPayPay導入を終了し、再び支払い方法が現金のみとなった[14]。
店内のショッピングカートは放置を防ぐためコイン式のものが採用されており、コインロッカーのように100円玉を入れるとカート置き場の鍵が外れて利用でき、使用後にカート置き場に戻すと100円玉が戻ってくる仕組みである。ショッピングカート、買い物かごはどちらも、太陽ビルメン製で、買い物かごは赤い色、精算済みのかごは、黄色かオレンジ。精算済みのかごからは、かごハンドルが外されている。
同様のショッピングカートはオーケーや、三和の一部店舗(イーアス高尾店、ららぽーと沼津店[15]など)でも採用されている。
経営形態
沿革
店舗
現在の店舗
2024年12月1日時点、関東地方1都4県及び中部・近畿地方2府7県と福岡県・宮城県・青森県・北海道・沖縄県に、日本国外では台湾と合計107店舗を展開する[1]。店舗の詳細は公式サイト「店舗情報」を参照。
- 北海道
- 東北地方
- 青森県 - ロピア1店舗[2]
- 宮城県 - ロピア1店舗[2]
- 関東地方
- 神奈川県 - 新鮮大売ユータカラヤ1店舗、ロピア28店舗[2]
- 東京都 - 新鮮大売ユータカラヤ2店舗、ロピア9店舗[2]
- ロピア松原店・高尾店(2024年6月にスーパーバリューより転換)は後述のグループ会社であるスーパーバリューによる運営のため、こちらには含まれない。
- 埼玉県 - ロピア9店舗[2]
- 千葉県 - ロピア11店舗[2]
- 茨城県 - ロピア1店舗[2]
- 中部地方
- 山梨県 - ロピア1店舗[2]
- 愛知県 - ロピア5店舗[2]
- 岐阜県 - ロピア5店舗[2]
- 静岡県 - ロピア1店舗[2]
- 近畿地方
- 三重県 - ロピア1店舗[2]
- 大阪府 - ロピア9店舗[2]
- 京都府 - ロピア1店舗[2]
- 奈良県 - ロピア4店舗[2]
- 兵庫県 - ロピア6店舗[2]
- 九州地方
- 沖縄地方
- 台湾
- 新北市 - LOPIA2店舗[2]
- 桃園市 - LOPIA1店舗[2]
- 台中市 - LOPIA1店舗[2]
- 高雄市 - LOPIA1店舗[2]
過去に存在した店舗
OICグループ
持株会社の株式会社OICグループ(オイシーグループ、英: OIC Group Co., Ltd.、旧・株式会社ロピア・ホールディングス)の元に以下のグループ会社を持つ。
生産・製造
- 利恵産業株式会社 - 神奈川県相模原市南区大野台。惣菜・弁当製造。ロピアオリジナル商品の洋菓子も製造する。日本惣菜協会加盟[19]。
- 株式会社丸越醸造 - 埼玉県新座市堀ノ内。ロピアのプライベートブランド商品の調味料も製造する[7]。
- 株式会社ファインフルーツおおぎみ
- 甲斐食産株式会社
- 株式会社稲葉ブロイラー
- 京都食品株式会社
- 株式会社サンセリーテ
- 北海道千歳ハム株式会社
- 有限会社こむぎ・家
- 株式会社紅葉堂
- 株式会社ロピアファーム
貿易・PB・卸
- 株式会社ユーラス - 食品輸入商社。ロピアで販売するワイン、パスタ、オリーブオイルなども輸入する[18]。
- 日本マイセラ株式会社
- 株式会社L横浜センター
- 川崎南部青果株式会社
- 川崎丸魚株式会社
- 株式会社台湾ユーラス
- 株式会社韓国ユーラス
小売
外食
- 株式会社eatopia - 「ギュウトピア」(横浜市都筑区茅ケ崎中央)、「肉匠 みちば」(松戸)、「山科」(銀座)などの焼肉店を運営。
- 株式会社道場六三郎事務所 - 「和の鉄人」こと道場六三郎が監修する飲食店「懐食みちば」(松戸)・「銀座ろくさん亭」の運営。
- 株式会社ソラノイロ
- 株式会社eatopiaホールディングス
その他
- 株式会社タイシステム
- 商人ねっと株式会社
- フードビジネスサポート事業協同組合
- 株式会社SoupStream
キャラクター
ロピアのマスコットキャラクターとして、子豚の「ロピタくん」が設定されている[67]。有料レジ袋にはロピタくんの顔のイラストが描かれており、店頭にFRP製のロピタくん人形が飾られているほか[68]、ぬいぐるみも商品化され[69]店舗で販売されている。好物は「お肉」[67]。
- ロピタくんのプロフィール[67]
- 愛称:ロピちゃん
- 身長:112.9センチメートル
- 体重:29キログラム
- 趣味:食べること、ショッピング
- 好きなもの:お肉、たのしいお店
- 嫌いなもの:賞味期限切れの食材
不祥事
不当解雇訴訟
- 2018年6月に同社食肉部門担当の従業員が、店舗の商品を会計せず持ち帰ったことで懲戒解雇されたのは不当だとして、従業員が会社を訴えていた訴訟で、2019年10月10日に横浜地方裁判所で解雇無効などとする判決が言い渡された[70][71]。
従業員が精肉商品6点(3000円相当)をレジで精算することなく持ち帰ったことに対し、会社は警察に通報したのち懲戒解雇と、また会社は全店舗で従業員を名指しして窃盗を理由に懲戒解雇した旨の掲示をした。従業員は会計忘れについて過失だと主張していた[70][71]。判決では、警察の捜査が従業員に対する事情聴取だけで終わったことを指摘し、従業員が商品について同僚に説明し、目の前で加工・梱包をしていたことから、故意の犯罪行為だとすれば大胆にすぎるなどとして、故意があったとは認められないとした[70][71]。横浜地裁は解雇を無効とした上で、解雇されてから現在までの賃金相当額の支払いを命令した。また全店舗に対して掲示をした行為が名誉毀損に当たるとして、77万円の慰謝料(うち7万円は弁護士費用)の支払いも命じた[70][71]。さらに従業員が管理職(管理監督者)扱いで残業代が支払われていなかった件についても、従業員の業務は精肉加工・販売にかかわる作業であり、実際にはいわゆる「名ばかり管理職」であったとして、未払い残業代約100万円と付加金の支払いも命じた[70][71]。
不適正表示
2024年6月11日、農林水産省は12都府県74店舗に対して、スコーンをはじめとする調理食品や揚げ餅をはじめとする菓子など18品の計約65万パックに国内製造であることの原料原産地を表示せずに販売した不適正表示が発覚、これに対し同省関東農政局は2023年7月26日から2024年6月7日まで当社および中央林間店に対して食品衛生法第8条第2項に基づく立入検査などの結果、2021年4月1日から2023年7月26日までの間に中央林間店など当社が経営する73店舗において64万5994パックを一般消費者に販売していた。同省は当社に対して是正とともに原因の究明や分析の徹底、再発防止対策の実施などについて指示した[73][74]。
脚注
注釈
- ^ アリオ上田などショッピングセンター内に出店予定の店舗を除く。
出典
外部リンク