リング符号(リングふごう、英語: ring)は、ダイアクリティカルマーク(発音区別符号)の一種で、文字の上または下に付される小さな円である。
よく似た記号
- ° (U+00B0) は、「度」を表す単位記号である。
- º (U+00BA) は、序数標識である。
- Å (U+212B) は、単位記号のオングストロームである。Å を参照のこと。
各言語における用法
- デンマーク語、ノルウェー語、スウェーデン語、ワロン語
- å を用いる。円唇奥舌半広母音 /ɔ/ を表す。
- チャモロ語
- å を用いる。奥よりの /ɑ/ を表す。
- チェコ語
- クロウジェク(kroužek)といい、ů を用いる。発音は /uː/ で ú と同じであるが、歴史的に二重母音 uo に由来する語に用いる。
音声記号
国際音声記号では、文字の下に置かれ、無声を表す。/ɡ/ のようにディセンダのある (下に長い) 文字では上に書いてもよい。
その他の用法
サンスクリットの翻字で、音節を形成する r, l を表すのに、IAST方式ではドット符号を用いて ṛ, ṝ, ḷ, ḹ と記すが、ドットのかわりに下つきのリングを使って r̥, r̥̄, l̥, l̥̄ のように記されることもある。ISO 15919 方式でもこの方法を採用し、ṛ, ḷ はそり舌の /ɽ/, /ɭ/ を表すために使用している。
インド・ヨーロッパ祖語の音節を形成する子音も *m̥, *n̥, *l̥, *r̥ のように下つきのリングを用いて表す。国際音声記号ではそれぞれ m̩, n̩, l̩, r̩ にあたる。
符号位置
記号 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
名称
|
˚ |
U+02DA |
- |
˚
˚ |
RING ABOVE
|
̊ |
U+030A |
- |
̊
̊ |
COMBINING RING ABOVE (合成可能)
|
̥ |
U+0325 |
1-11-71 |
̥
̥ |
下リング (合成可能), 無声 COMBINING RING BELOW
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大文字 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
小文字 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
備考
|
Å
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U+00C5
|
1-9-28
|
Å
Å
Å
|
å
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U+00E5
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1-9-59
|
å
å
å
|
デンマーク語、ノルウェー語、スウェーデン語、ワロン語、チャモロ語
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Ů
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U+016E
|
1-10-37
|
Ů
Ů
|
ů
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U+016F
|
1-10-53
|
ů
ů
|
チェコ語
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Ǻ
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U+01FA
|
|
Ǻ
Ǻ
|
ǻ
|
U+01FB
|
|
ǻ
ǻ
|
|
Ḁ
|
U+1E00
|
|
Ḁ
Ḁ
|
ḁ
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U+1E01
|
|
ḁ
ḁ
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関連項目