モノモイガール(英: Monomoy Girl[1])は、アメリカ合衆国の競走馬。主な勝ち鞍は2018年のブリーダーズカップ・ディスタフ(GI)、ケンタッキーオークス(GI)、エイコーンステークス(GI)、CCAオークス(GI)、アッシュランドステークス(GI)、2020年のラトロワンヌステークス(GI)、ブリーダーズカップ・ディスタフ(GI)。
戦績
デビュー前
2016年のキーンランド・イヤリング・セールに上場され、血統面では目立たない存在であったものの、その落ち着いた気性と馬体の良さに注目したBSWブラッドストックのリズ・クロー(Liz Crow)によって10万ドルで落札される[3]。
2歳時(2017年)
2017年9月にデビュー。デビュー当時はゲートが苦手であったため、少しでも長めの距離の競走が適しているというブラッド・コックス調教師の見立てにより、ダート向きの血統ながら芝の競走を使われて2連勝する[3]。初ダートとなった3戦目のブラックタイプ競走も快勝するが、ゴールデンロッドステークスでロードトゥヴィクトリーにクビ差で敗れ、初の敗戦を喫する[4]。
3歳時(2018年)
3歳初戦のレイチェルアレクサンドラステークスを制し、初重賞制覇を果たすと、続くアッシュランドステークスも5馬身半差で制してGIタイトルを手にした。迎えたケンタッキーオークスでは、サンタアニタオークス勝ち馬のミッドナイトビスーに1番人気の座は譲ったものの、先行策から早めに抜け出して伏兵ワンダーガドーの追撃を半馬身差抑えて栄冠を手にした[5]。
その後、エイコーンステークスとCCAオークスを連勝してGI4連勝を達成。しかし、ニューヨーク牝馬三冠(トリプルティアラ)達成がかかるアラバマステークスには向かわず、より賞金の高いコティリオンステークスに直行した[6]。コティリオンステークスでは前走でも勝利したミッドナイトビスーとの再戦となり、デッドヒートの結果モノモイガールがクビ差先着して1位入選を果たす。しかし、直線で内を突いたミッドナイトビスーの進路を妨害する場面があり、2着降着となって連勝はストップした[7]。
古馬初対戦のブリーダーズカップ・ディスタフでも前年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬を受賞したエイベルタズマンらを抑えて1番人気に推された。大外11番枠から2番手を追走し、4コーナー手前では楽な手応えで先頭に躍り出る。直線では後続を競り落とし、ゴール前で内から追い上げてきた2着ワウキャットに1馬身差をつけて優勝し、牝馬チャンピオンの座に輝いた[8]。そして、この年のエクリプス賞最優秀3歳牝馬を受賞した。
4歳時(2019年)
2019年は1年を通して疝痛や脚の故障に悩まされ、一度もレースに出走することができなかった[9]。
5歳時(2020年)
2020年5月16日、1年半ぶりのレースとなる一般戦を快勝[10]。7月11日にはG2ラフィアンSで久々の重賞勝利[11]。続く9月4日のG1ラトロワンヌSも勝利し、2018年11月のブリーダーズカップ・ディスタフ以来のG1勝利を果たした[12]。
11月7日、G1ブリーダーズカップ・ディスタフに出走。直線入口で先頭に立つと、2着に1馬身3/4馬身差をつけて快勝した[13]。2018年に続き、同レース2勝目となった。
ブリーダーズカップ・ディスタフを勝利した翌日11月8日、キーンランドで行われた繁殖牝馬セールの目玉として本馬が出され、当セールにおける史上三番目の高額レコードとなる950万ドル(約10億4500万円)で地元アメリカのスペンドスリフトファームに落札された[14]。そして、この年のエクリプス賞最優秀古牝馬を受賞した。
6歳時(2021年)
繁殖セリで落札された後の6歳シーズンも競走生活を続行し、当初は2月中旬のオークローンパーク競馬場のG3バヤコアステークスから始動する予定であったが、天候不順により開催が延期され[15]、その後2月28日に開催された同競走では単勝オッズ1.2倍と大きな支持を受け、競走でも最後の直線で鞭を入れられると大きく伸びて2馬身差の勝利を手にした[16]。
続く4月17日のG1アップルブロッサムハンデキャップでは前年のプリークネスステークス優勝馬スイススカイダイバーとの対戦となり、1番人気を2頭で分け合っていた。レースでは先頭を行くレトルスカとスイススカイダイバーの2頭の後ろにつけて進み、第3コーナーから前方進出を図ったものの、内ラチ沿いをきれいに走った6ポンド軽量のレトルスカをハナ差捕らえきれずに2着と敗れた[17]。
その後、筋肉痛のためモノモイガールはしばらく休養に充てられていたが[18]、9月に種子骨を骨折、9月21日に競走生活引退が発表された[19]。ケンタッキー州レキシントンのスペンドスリフトファームで繁殖入りする[20]。
繁殖入り初年度となる2022年はイントゥミスチーフと交配する予定。
競走成績
以下の内容は、EQUIBASEの情報[2]に基づく。
出走日 |
競馬場 |
競走名 |
格 |
距離 |
着順 |
騎手 |
着差 |
1着(2着)馬
|
2017.09.05 |
インディアナ |
未勝利 |
|
芝8f
|
1着 |
M.ペドロサ |
3馬身3/4 |
(Lemon Princess)
|
0000.09.28 |
チャーチルダウンズ |
アローワンス・オプショナルクレーミング |
|
芝8f
|
1着 |
F.ジェルー |
1馬身1/4 |
(Moonlight Rain)
|
0000.10.29 |
チャーチルダウンズ |
ラグズトゥリッチズステークス |
|
ダ8f
|
1着 |
F.ジェルー |
6馬身1/2 |
(Queen Mum)
|
0000.11.25 |
チャーチルダウンズ |
ゴールデンロッドステークス |
G2 |
ダ8.5f
|
2着 |
F.ジェルー |
クビ |
Road to Victory
|
2018.02.17 |
フェアグラウンズ |
レイチェルアレクサンドラステークス |
G2 |
ダ8.5f
|
1着 |
F.ジェルー |
2馬身1/2 |
(Classy Act)
|
0000.04.07 |
キーンランド |
アッシュランドステークス |
G1 |
ダ8.5f
|
1着 |
F.ジェルー |
5馬身1/2 |
(Eskimo Kisses)
|
0000.05.04 |
チャーチルダウンズ |
ケンタッキーオークス |
G1 |
ダ9f
|
1着 |
F.ジェルー |
1/2馬身 |
(Wonder Gadot)
|
0000.06.09 |
ベルモントパーク |
エイコーンステークス |
G1 |
ダ8f
|
1着 |
F.ジェルー |
2馬身 |
(Talk Veuve to Me)
|
0000.07.22 |
サラトガ |
CCAオークス |
G1 |
ダ9f
|
1着 |
F.ジェルー |
3馬身 |
(Midnight Bisou)
|
0000.09.22 |
パークスレーシング |
コティリオンステークス |
G1 |
ダ8.5f
|
2着 |
F.ジェルー |
1位入線降着 |
Midnight Bisou
|
0000.11.03 |
チャーチルダウンズ |
ブリーダーズカップ・ディスタフ |
G1 |
ダ9f
|
1着 |
F.ジェルー |
1馬身 |
(Wow Cat)
|
2020.05.16
|
チャーチルダウンズ
|
アローワンス・オプショナルクレーミング
|
|
ダ8f
|
1着
|
F.ジェルー
|
2馬身3/4
|
(Red Dane)
|
0000.07.11
|
ベルモントパーク
|
ラフィアンステークス
|
G2
|
ダ8f
|
1着
|
F.ジェルー
|
2馬身
|
(Vexalious)
|
0000.09.04
|
チャーチルダウンズ
|
ラトロワンヌステークス
|
G1
|
ダ8.5f
|
1着
|
F.ジェルー
|
1馬身3/4
|
(Lady Kate)
|
0000.11.07
|
キーンランド
|
ブリーダーズカップ・ディスタフ
|
G1
|
ダ9f
|
1着
|
F.ジェルー
|
1馬身3/4
|
(Valiance)
|
2021.02.28
|
オークローンパーク
|
バヤコアステークス
|
G3
|
ダ8.5f
|
1着
|
F.ジェルー
|
2馬身
|
(Our Super Freak)
|
0000.04.17
|
オークローンパーク
|
アップルブロッサムハンデキャップ
|
G1
|
ダ8.5f
|
2着
|
F.ジェルー
|
ハナ
|
Letruska
|
血統表
脚注
注釈
出典
外部リンク