マルペーッサ(古希: Μάρπησσα, Marpēssa)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してマルペッサとも表記される。エウエーノスの娘で、メッセーネーの英雄イーダースの妻、クレオパトラーの母。クレオパトラーはメレアグロスの妻となった[1][2][3]。
神話
父エウエーノスは、マルペーッサの求婚者を戦車競走で負かした後に殺していた。しかしイーダースがマルペーッサに恋をし、海神ポセイドーンから有翼の戦車を借りて彼女を連れ去った。エウエーノスは戦車を駆って追いかけたが出来ず、絶望して馬を殺し、川に身を投げた。
ところが2人がメッセーネー地方に来たとき、イーダースと同じくマルペーッサに恋していたアポローンが彼女を奪った。イーダースから引き離された彼女はカワセミ(アルキュオン)のように泣いた[1]。イーダースはアポローンに挑み、両者はマルペーッサをめぐって争った。このためゼウスが仲裁に入り、マルペーッサにどちらを夫とするかを選ばせた。マルペーッサは自分が年老いたとき、不死のアポローンに捨てられることを恐れ、イーダースを夫に選んだ[4]。
2人の間には1女クレオパトラーが生まれ、2人はマルペーッサがアポローンにさらわれたときのことにちなんでアルキュオネーというあだ名で呼んだ[1]。後にマルペーッサはイーダースが死んだとき、自らも夫の後を追って死んだ[5]。
系図
脚注
参考文献
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