フェデリコ・サンティアゴ・バルベルデ・ディペッタ (Federico Santiago Valverde Dipetta, 1998年 7月22日 - )は、ウルグアイ ・モンテビデオ県 モンテビデオ 出身のサッカー選手 。レアル・マドリード 所属。ウルグアイ代表 。ポジションは、ミッドフィールダー 。
クラブ経歴
ペニャロール
2008年から2016年までウルグアイ の名門CAペニャロール の下部組織で過ごし、17歳の誕生日翌日にクルゼイロEC との親善試合でデビューした。ペニャロールでは、自身のアイドルでもあったディエゴ・フォルラン と共にプレーした[ 4] 。
当時からその才能は欧州にも知れ渡っており、練習に招待したこともあったアーセナルFC を始め複数のクラブが注目していたが、2015年5月にレアル・マドリード 移籍が内定、しかしFIFA の未成年者移籍禁止ルールがあったため、18歳の誕生日を迎えた2016年7月22日に正式に加入した。
レアル・マドリード
カスティージャ
移籍1年目の2016-17シーズンはBチームにあたるカスティージャ でプレー、ペニャロールではトップ下 であったが、カスティージャではセントラル・ミッドフィールダー にコンバートされ[ 5] 、時にはセンターバック としても起用された。
デポルティーボ
後述のU-20ワールドカップ での活躍を受け、経験を積むために2017年6月22日、デポルティーボ・ラ・コルーニャ へのレンタル移籍が発表された。しかしバルベルデ自身はこの移籍にショックを受けていたようで、のちにこのことについて見解を述べている[ 6] 。9月10日、第3節のレアル・ソシエダ 戦に途中出場し、デポルティーボと1部リーグデビューを飾った。
レアル・マドリード復帰
レアル.マドリードでのバルベルデ(2018年)
2018-19シーズンはデポルティボの降格もあってレアル・マドリードに復帰。カンテラ出身者を多く起用するサンティアゴ・ソラーリ 監督の元、中盤でリーグ戦16試合に出場するなど上々の出来を見せ、契約更新の機会も掴んだ。
2019-20シーズン中にスペイン国籍を取得[ 7] 。10月5日、第8節のグラナダ 戦では2得点に絡む活躍で存在感を発揮した[ 8] 。長年レギュラーが固定化され層が厚い中盤でも出場機会を増やし、ジネディーヌ・ジダン 監督も「ボックストゥボックスのプレーはそんなに簡単じゃない。守備にも攻撃にもインパクトのある選手になる必要があるから。しかし、バルベルデは試合の度に成長していて、それを見るのは楽しい」と称賛。スペイン紙のエル・パイス もジダンが熱望するポール・ポグバ を引き合いに出し、「欲しがっていたポグバが我々のチームにいた」と見出しを付けた記事を投稿した[ 9] 。2020年1月12日、スーペルコパ・デ・エスパーニャ 決勝のアトレティコ・マドリード 戦では、同点の延長後半10分に相手FWのアルバロ・モラタ が最終ラインを突破してゴールキーパーとの1対1の状況になりかけたところで後ろからスライディングタックルを行い、決定機阻止で退場処分を受けた。しかし、このプレーによりゴールは生まれず、レアル・マドリードはPK戦で勝利し、タイトルを獲得した[ 10] 。
2020-21シーズン、ラ・リーガ第7節では豊富な運動量を買われ、エル・クラシコ にて先発出場を果たした。前半5分には特徴を生かした中盤からの飛び出しから自身のエル・クラシコ初ゴールとなる先制点を記録した。第28節のセルタ・デ・ビーゴ 戦では右ウィングとして先発出場し[ 11] 、またUEFAチャンピオンズリーグ の準々決勝 であるリヴァプールFC 戦2ndレグではチーム事情により右サイドバックで起用されるも本職ではないポジションでも高い評価を得た[ 12] [ 13] 。
2021-22シーズン、新たにカルロ・アンチェロッティ 監督が就任。マドリーの中盤は、チャンピオンズリーグ3連覇メンバーであるルカ・モドリッチ 、トニ・クロース 、カゼミロ の3人で固定された。これにより、チーム事情も相まって4-3-3の右ウイングでスタメン出場することが多くなった。攻守のバランスが評価され、重要な試合ではロドリゴ・ゴエス より彼が重宝された。CL決勝リヴァプール戦でも先発。決勝点となったヴィニシウス・ジュニオール の得点をアシストし、自身初となるチャンピオンズリーグのタイトルを獲得[ 14] 。リーグとチャンピオンズリーグの2冠に貢献した。
2022-23シーズンも引き続きウイングとしての起用が主となり、特にカリム・ベンゼマ 不在時には偽9番や得点源として活躍して[ 15] キャリア初の2桁得点を記録した。2022年9月にアンチェロッティから「1シーズンで最低10ゴールを決めなければ、私は監督ライセンスを破らなければならない」と発破をかけられた[ 16] ことで、バルベルデは「今までは自身やゴールへの決意がなく最終局面でパスを選択していたが、今は最初にゴール枠を見るようにしている」とプレーの判断が変わったことを語っている[ 17] 。
2023-24シーズン、カルロ・アンチェロッティ監督は、新たに移籍してきたジュード・ベリンガム をトップ下に置く4-3-1-2のフォーメーションを採用した。不動のスタメンであるモドリッチ が年齢などの影響からスーパーサブに回ったことで、昨シーズンまで起用されていた右ウイングから、右のインサイドハーフにポジションを戻した。ピッチ全域における豊富な運動量と攻守への貢献から、替えがきかない存在となり、2024年5月12日に行われたラ・リーガ、グラナダ戦を除く全ての試合に出場した。CL準々決勝、ホームで行われたCLマンチェスター・シティ戦の同点ゴールは、23-24シーズンの大会ベストゴールに選出された。CL決勝のドルトムント戦 もスタメンで出場し、勝利。クラブの15回目のCL優勝(自身2度目)に貢献した。このシーズン、レアル・マドリードは、ラ・リーガでも2位バルセロナに勝ち点差10を付けて優勝していたため、2021-22シーズン以来、2年ぶりの2冠達成となった。なお、2023年11月9日にクラブとの契約を2029年まで延長している[ 18] 。シベーレス広場 で行われたチャンピオンズリーグ優勝セレモニーにて、同シーズンで引退するトニ・クロース が背番号8番の後継者に指名。2024-25シーズンより背番号8番を背負うことになった[ 19] 。
ウルグアイ代表でのバルベルデ(2017年)
各年代代表に選出されており、2015年の南米U-17選手権 ではFIFA U-17ワールドカップ の出場権こそ逃したが、得点ランキングで2位となる7ゴールを記録。2017年5月に行われた2017 FIFA U-20ワールドカップ では3位決定戦に敗れ、4位に終わったが、バルベルデ自身は大会シルバーゴールに選出された[ 20] 。
その活躍が認められ、2017年9月5日の2018 FIFAワールドカップ・南米予選 対パラグアイ代表 戦でウルグアイ代表デビュー、デビューゴールとなる先制弾を挙げ2-1の勝利に貢献した。試合後には ウルグアイの国内メディアも「バルベルデが国際デビューした歴史的一日」「ニューヒーロー誕生」「19歳の天才がセレステ(水色、代表チームの愛称)を救った」など、手放しで称え、同胞のルイス・スアレス は「あいつは化け物だよ。正真正銘のね。」と語った[ 21] 。しかし、最終的にワールドカップ 本戦のメンバーには選ばれなかった。翌年に開催されたコパ・アメリカ には招集され、その後もコパ・アメリカ や2022 FIFAワールドカップ でもプレーをした。
その後、スアレスやエディンソン・カバーニ 、ディエゴ・ゴディン らが引っ張っていた時代から世代交代を迎えたマルセロ・ビエルサ 率いる代表チームにあってリーダーとなっている[ 22] 。
2024年6月8日、コパ・アメリカ2024 に出場するウルグアイ代表メンバーに選出された[ 23] 。
プレースタイル、評価
同胞のルイス・スアレス からは「パンチ力があって、ボックス・トゥ・ボックスの選手でリズムを変えられる」と評価され、リヴァプールFC で共にプレーしたスティーヴン・ジェラード と比較された[ 24] 。また、レアル・マドリード のカルロ・アンチェロッティ 監督も「バルベルデはジェラードのレベルに到達し、さらなる高みまでたどり着くためのすべてを持っている」とその意見に同意している[ 25] 。
守備力、パワー、スピード、パス能力の全てが高く、ジェラードの他にポール・ポグバ とも比較される[ 26] [ 27] 。強烈なミドルシュートを持っており、レアル・マドリード 専門メディア『The Real Champs』はバルベルデを『現世界最高のミドルシューター』と絶賛し[ 28] 、カルロ・アンチェロッティ からは「君の足には石が付いていて凄まじいシュートを放てる。」と言われた[ 29] 。
アス紙 に「無限のガソリンタンク」とも称される豊富な運動量を誇り、2022-23シーズンのチャンピオンズリーグ において走行距離、トップスピード共にチームトップを記録した[ 30] 。
本職は中盤センターのポジションだが、チーム事情によっては右ウィングや右サイドバックでもプレーし攻守に貢献する[ 31] [ 32] 。ウイングで出場した際には、大きなストライドを生かしたドリブル突破のほか得点力でもチームに貢献でき[ 33] 、守備時には5バック化してディフェンスラインをサポートする[ 34] [ 35] 。サイドバックでプレーした際にもタックルやインターセプトで貢献するほか、右サイドのケアをしながら攻撃時には一気に攻め上がりチャンスに顔も出す[ 36] 。「本職のボランチとどちらがプレーしやすいか」と尋ねられた時には、「中盤でのプレーが好きだっていつも言ってきたけど、でも今の僕はもうかなりウィングになってるね(笑)。どっちでプレーすべきかは監督の悩みにしておこう。いずれにしても、僕はどちらのポジションでも楽しめているよ。前の方だとゴールやアシストでもかなりの貢献ができるし、中盤だと仕事量やエネルギーといったところでチームに尽くせるね」と自らがゴールを上げて勝利したクラシコ後に述べている[ 37] 。
個人成績
クラブ
2023-24シーズン終了時点[ 38]
クラブ
シーズン
リーグ
リーグ戦
カップ戦
国際大会
その他
合計
出場
得点
出場
得点
出場
得点
出場
得点
出場
得点
ペニャロール
2016
ウルグアイ・プリメーラ
12
0
0
0
1
0
0
0
13
0
レアル・マドリードB
2016-17
セグンダB
30
3
-
-
-
30
3
デポルティーボ (loan)
2017-18
プリメーラ
24
0
1
0
-
0
0
25
0
レアル・マドリード
2018-19
プリメーラ
16
0
5
0
4
0
0
0
25
0
2019-20
33
2
3
0
6
0
2
0
44
2
2020-21
24
3
1
0
7
0
1
0
33
3
2021-22
31
0
2
0
11
0
2
1
46
1
2022-23
34
7
6
0
11
2
5
3
56
12
2023-24
37
2
2
0
13
1
2
0
54
3
通算
175
14
19
0
52
3
12
4
258
21
キャリア通算
241
17
20
0
53
3
12
4
326
24
代表
出場大会
U-17ウルグアイ代表
U-20ウルグアイ代表
ウルグアイ代表
試合数
2024年3月26日現在
国際Aマッチ 62試合 7得点(2017年 - )[ 39]
ウルグアイ代表 国際Aマッチ
年 出場 得点
2017
4
1
2018
4
0
2019
12
1
2020
2
0
2021
13
1
2022
12
1
2023
8
2
2024
7
1
通算
62
7
得点
タイトル
クラブ
レアル・マドリード
個人
脚注
外部リンク