バーナード・トミック
Bernard Tomic
2017年イーストボーン国際でのバーナード・トミック
基本情報 国籍
オーストラリア 出身地
ドイツ ・シュトゥットガルト 生年月日
(1992-10-21 ) 1992年 10月21日 (32歳) 身長
196cm 体重
91kg 利き手
右 バックハンド
両手打ち ツアー経歴 デビュー年
2008年 ツアー通算
4勝 シングルス
4勝 ダブルス
0勝 生涯獲得賞金
6,386,440 アメリカ合衆国ドル 4大大会最高成績・シングルス 全豪
4回戦(2012・15・16) 全仏
2回戦(2012・15・16) 全英
ベスト8(2011) 全米
3回戦(2015) 4大大会最高成績・ダブルス 全豪
1回戦(2010) 全仏
1回戦(2012・16・17) 全英
1回戦(2013) 全米
2回戦(2012) キャリア自己最高ランキング シングルス
17位(2016年1月11日) ダブルス
114位(2017年7月24日) 2024年10月10日現在
バーナード・トミック (Bernard Tomic , 1992年 10月21日 - )は、オーストラリア の男子プロテニス 選手。これまでにATPツアーでシングルス4勝を挙げている。自己最高ランキングはシングルス17位。ダブルス114位。身長196cm、体重91kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。両親がユーゴスラビア 系であることからトミッチ と呼ばれることも多い。
選手経歴
ジュニア時代
トミックはドイツ のシュトゥットガルト で生まれ、3歳のときに一家でオーストラリア に移住する。父はクロアチア人 で母はボスニア人 である。妹のサラもジュニアのテニス選手である。7歳のときから父親の手ほどきでテニス を始める。
2009年 グランドスラム初勝利
2009年ブリズベン国際でのバーナード・トミック
ジュニア時代から注目を集め、13歳でIMG とマネジメント契約を結んでいる[ 1] 。
15歳で出場した2008年全豪オープン 男子ジュニアシングルスでは決勝で台湾 の楊宗樺 を4–6, 7–6(5), 6–0で破り優勝している[ 2] 。15歳3ヶ月での優勝は最年少記録である。
2009年全豪オープン に主催者推薦で4大大会 に初出場。1回戦でポティート・スタラーチェ を7-6(5), 1-6, 7-6(5), 7-6(6)で破り初勝利を挙げる。2回戦でジル・ミュラー に6-3, 1-6, 4-6, 2-6で敗れた。
全米オープン ではジュニアの男子シングルスで優勝している。
2011年 ウィンブルドンベスト8
2011年全豪オープンでのバーナード・トミック
トミックは2011年に躍進した。全豪オープン では2回戦で第31シードのフェリシアーノ・ロペス を7-6(4), 7-6(3), 6-3で破り、3回戦で第1シードのラファエル・ナダル と対戦した。ウィンブルドン では予選から勝ち上がり、1回戦で第29シードのニコライ・ダビデンコ を 7-5, 6-3, 7-5 、2回戦でイーゴリ・アンドレエフ を4-6, 5-7, 6-3, 6-4, 6-1で、3回戦では第5シードのロビン・セーデリング を6-1, 6-4, 7-5で、4回戦ではグザビエ・マリス を6-1, 7-5, 6-4で破り18歳でベスト8進出を果たした。予選から勝ち上がった選手が、男子シングルスでベスト8に進出するのは11年ぶりの快挙であった[ 3] 。準々決勝では優勝したノバク・ジョコビッチ に2-6, 6-3, 3-6, 5-7で敗れたが第2セットを奪う健闘を見せた。この活躍によりランキングが158位から71位に大幅に上がった。10月の楽天ジャパン・オープン にも出場し、1回戦でビクトル・トロイツキ 、2回戦で伊藤竜馬 を破りベスト8に進出した。大会後のランキングでは49位となりトップ50位入りを果たしている。
2012年 グランドスラム4回戦進出
2012年BNPバリパ・オープンでのバーナード・トミック
2012年は開幕戦のブリスベン国際 でベスト4に進出。全豪オープン前哨戦のクーヨン・クラシック(非公式戦)の決勝で、マーディ・フィッシュ を破り優勝した[ 4] 。全豪オープン では1回戦で第22シードのフェルナンド・ベルダスコ を4-6, 6-7(3), 6-4, 6-2, 7-5で、2回戦でサム・クエリー を3-6, 6-3, 7-6(3), 6-3で、3回戦は第13シードのアレクサンドル・ドルゴポロフ を4-6, 7-6(0), 7-6(6), 2-6, 6-3の逆転で勝利し4回戦に進出した。4回戦ではロジャー・フェデラー に4-6, 2-6, 2-6のストレートで敗れた[ 5] 。
7月のロンドン五輪 でオリンピックに初出場した。シングルス 1回戦で日本 の錦織圭 に6-7(4), 6-7(4)で敗れた。
2013年 ツアー初優勝
2013年ウィンブルドン選手権でのバーナード・トミック
2013年1月のシドニー国際 でトミックは初めてツアー大会の決勝に進出。ケビン・アンダーソン を6–3, 6–7(2), 6–3で破り初優勝を果たした[ 6] 。翌年の大会も決勝に進出したが、フアン・マルティン・デル・ポトロ に 3–6, 1–6 で敗れ連覇を逃した。
2014年7月のコロンビア・オープン では決勝でディフェンディング・チャンピオンのイボ・カロビッチ に勝利し優勝。
2015年 ツアー3勝目
2015年全仏オープンでのバーナード・トミック
2015年全豪オープン では3年ぶりに4回戦進出。3月のBNPパリバ・オープン では3回戦で第8シードのダビド・フェレール に、4回戦で同胞のタナシ・コキナキス に勝利しマスターズ 初のベスト8に進出。準々決勝ノバク・ジョコビッチ 戦は試合前に棄権した。全仏オープン では2回戦でコキナキスに敗れた。ウィンブルドン では3回戦でノバク・ジョコビッチ に敗れた。ディフェンディング・チャンピオンとして臨んだコロンビア・オープン では決勝でアドリアン・マナリノ に勝利し連覇を果たした。全米オープン では3回戦に進出し、リシャール・ガスケ に敗れた。上海マスターズ では2回戦で第7シードのダビド・フェレール に、3回戦で第11シードのリシャール・ガスケ に勝利しマスターズ2度目のベスト8進出。準々決勝でノバク・ジョコビッチ に敗れた。年間最終ランキングは18位まで上昇した。
2016年 マスターズベスト8
2016年全仏オープンでのバーナード・トミック
2016年全豪オープン では第16シードで出場し、4回戦でアンディ・マリー に敗れた。2月のメキシコ・オープン で決勝に進出し、500の大会 では初めて決勝進出。決勝でドミニク・ティエム に敗れ、準優勝。マドリード・マスターズではマッチポイントを握られると無気力な態度でプレーし、続くイタリア国際の初戦ではわずか8分で途中棄権した[ 7] 。ウィンブルドン では3年ぶりに4回戦に進出したが、リュカ・プイユ に4-6, 6-4, 6-3, 4-6, 8-10のフルセットで敗れた。リオ五輪は過密日程を理由に出場を辞退した[ 8] 。8月のシンシナティ・マスターズ では3回戦で錦織圭 に勝利し、ベスト8に進出。準々決勝でアンディ・マリー に敗れた。中国オープンのダブルスではジャック・ソックと組み決勝に進出したが、決勝ではカレーニョ・ブスタ/ナダル組に敗れた。年間最終ランキングは26位。
2017年 ランキング大幅下降
全豪オープン は3回戦でダニエル・エバンス に敗れた。その後は5大会連続で1回戦敗退に終わった。ウィンブルドン 1回戦敗退後に「飽きてしまった」とテニスへのモチベーション喪失を告白すると、国際テニス連盟にウィンブルドンの賞金を没収され、ウィンブルドン主催者には1万1600ポンド の罰金を課され、ヘッド(HEAD)からはスポンサー契約を解除されてしまった[ 9] 。しかし発言を後悔していないと述べている[ 10] 。その後も全米オープンを含む3大会連続で初戦負けを喫した。楽天ジャパンオープンでは久しぶりに勝利したが、2回戦で敗れた。世界ランキングは140位に急落した。
2018年 ツアー4勝目
全豪オープン はワイルドカードを獲られず予選からの出場となったが、予選決勝で敗れて本戦出場を逃した[ 11] 。その後、豪テレビ局の人気リアリティー番組「I'm A Celebrity... Get Me Out Of Here!」に出演していたが、わずか3日で脱落し、「すっかり目が覚めた」と発言した[ 12] 。
2月のリール・チャレンジャーに出場。5月のエクス・アン・プロヴァンス・チャレンジャーでは決勝進出を果たしたが、決勝でジョン・ミルマン に敗れた。全仏オープン は予選突破を果たし本戦に出場したが、1回戦敗退だった。ロスマーレン・グラスコート選手権 では予選から本戦準決勝まで勝ち上がったが、準決勝でリシャール・ガスケ に敗れた。
ウィンブルドン は予選で敗れたがラッキールーザー として本戦入りし、久しぶりにグランドスラム で初戦突破を果たした。2回戦で錦織圭 に敗れた[ 13] 。その後は4大会連続で初戦敗退が続き、全米オープン も予選敗退だった。それでもラファ・ナダル オープン(チャレンジャー)[ 14] で優勝を果たした。そして成都オープン では決勝に進出すると、決勝でファビオ・フォニーニ に6-1, 3-6, 7-6(7)で勝利し、ツアーでは3年ぶりとなる優勝を収めた[ 15] 。一時期243位まで落ちていた世界ランキングを年間最終ランキング84位までに戻した。
2019年 歴代2番目の最短試合
年始のクーヨン・クラシックではジャック・ソック やニック・キリオス に勝利した[ 16] 。全豪オープン では1回戦で第6シードのマリン・チリッチ に2-6, 4-6, 6-7(3)のストレートで初戦敗退。その後は早期敗退が続き、全仏オープン ではテイラー・フリッツ に1-6, 4-6, 1-6のストレートで初戦敗退。
ウィンブルドン選手権 1回戦でのジョー=ウィルフリード・ツォンガ 戦に大会史上2番目に短いわずか58分で敗れた試合を無気力プレイと判断され、大会主催者から4万5000ポンドの罰金を科された[ 17] 。これに対しては対戦相手のツォンガなど複数の選手からも反論が出たが[ 18] 、大会運営側は処分を変えなかった[ 19] 。シーズン通じて7勝15敗と結果を残せなかった。年間最終ランキングは185位。
2020年 コロナ禍での離脱
全豪オープン ではデニス・クドラ に予選敗退。デルレイビーチ・オープン では予選敗退したが、ラッキールーザーとして今季唯一のATPツアー 本戦出場するも、初戦敗退。3月の新型コロナウイルス感染症の世界的流行 により、ツアーが中断し、その後ツアーには全く参戦しなかった。年間最終ランキングは226位。
2021年 グランドスラム2回戦進出
全豪オープン では予選を突破して3年ぶりにグランドスラム 本戦に出場し、1回戦では杉田祐一 に6-3, 6-1, 4-1の時点で相手の途中棄権により、勝利するも、2回戦では第11シードのデニス・シャポバロフ に1-6, 3-6, 2-6のストレートで敗れた。シーズン通してATPチャレンジャーツアー をメインに巡るも、早期敗退が続き戦績が振るわなかった。年間最終ランキングは260位。
2022-2024年 不調
全豪オープン では予選1回戦で敗退した。この出場を最後にグランドスラム には出場できておらず戦績も芳しく、世界ランキング300位前後を行き来している状態である。
人物
気性が荒く、コートの内外で度々トラブルを起こしており、同じオーストラリア 人選手のニック・キリオス と並んで問題児とみなされている[ 20] 。
2015年にはオーストラリアのテニス協会や、その役員を務めるパトリック・ラフター を批判したことでデビスカップ のオーストラリア代表から外された[ 21] [ 22] 数日後に、米フロリダ州 マイアミビーチ のホテルで乱痴気騒ぎを起こして逮捕されている[ 23] 。
2016年のマドリード・マスターズ の一回戦では、ファビオ・フォニーニ との試合でマッチポイントを握られた際に、ラケットを上下逆に持ちあからさまに勝負を捨てて敗退。試合後の会見でも悪びれずふて腐れた態度をとり、ノバク・ジョコビッチ に苦言を呈された[ 24] 。続くイタリア国際の初戦ではわずか8分で途中棄権した[ 7] 。
2017年のウィンブルドン で1回戦敗退後に「テニスに飽きた」と発言し、罰金15,000ドルを課された。またこの発言に激怒したラケットメーカーから契約を解除されている[ 25] 。
デビスカップで主将を務めるレイトン・ヒューイット や豪テニス協会との関係がこじれており、たびたび攻撃的な発言をしている[ 26] 。
ATPツアー決勝進出結果
シングルス: 6回 (4勝2敗)
サーフェス別タイトル
ハード (4–2)
クレー (0-0)
芝 (0-0)
カーペット (0-0)
結果
No.
決勝日
大会
サーフェス
対戦相手
スコア
優勝
1.
2013年1月12日
シドニー
ハード
ケビン・アンダーソン
6–3, 6–7(2), 6–3
準優勝
1.
2014年1月11日
シドニー
ハード
フアン・マルティン・デル・ポトロ
3–6, 1–6
優勝
2.
2014年7月20日
ボゴタ
ハード
イボ・カロビッチ
7–6(5), 3–6, 7–6(4)
優勝
3.
2015年7月26日
ボゴタ
ハード
アドリアン・マナリノ
6–1, 3–6, 6–2
準優勝
2.
2016年2月28日
アカプルコ
ハード
ドミニク・ティエム
6-7(6), 6-4, 3-6
優勝
4.
2018年9月30日
成都
ハード
ファビオ・フォニーニ
6–1, 3–6, 7–6(7)
ダブルス: 1回 (0勝1敗)
成績
略語の説明
W
F
SF
QF
#R
RR
Q#
LQ
A
Z#
PO
G
S
B
NMS
P
NH
W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.
※: 2014年全米2回戦の不戦敗は通算成績に含まない
大会最高成績
脚注
外部リンク
ATPランキング オーストラリア男子シングルス(2022年10月31日付)