バナナラマ (英語 : Bananarama )は、イングランド 出身のガール・グループ 。
当初はシヴォーン・ファーイ を含めた3人組であったが、1990年代 からは、カレン・ウッドワード、サラ・ダリンのデュオ で活動している。全世界での総売り上げ枚数は4000万枚以上[ 6] 、「最もヒットチャートに登場した女性グループ」としてギネス 認定される[ 7] [ 8] など、最も成功したガール・グループ の一つである[ 8] 。代表曲に「クルーエル・サマー 」「ヴィーナス 」「第一級恋愛罪 」などがある。
2017年 、約30年ぶりにオリジナルラインナップの3人編成ツアーが実現し、期間限定で共演した。
来歴
オリジナル編成時代(1984年)
ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション 在学中にバナナラマを結成。デビューのきっかけは、セックス・ピストルズ のスティーヴ・ジョーンズ とポール・クック が使っていたリハーサル・スタジオの上の部屋に彼女達が住んでいたことによる。彼らの助けにより「アイ・ア・ムアナ 」のデモテープが作られ、後にデビューシングルとなった。
その後「シャイ・ボーイ 」「クルーエル・サマー」「愛しのロバート・デ・ニーロ」といったヒット・シングルを次々にリリース。日本でもホンダ・タクト のCMに出演したり、2ndアルバム『愛しのロバート・デ・ニーロ 』から「ジャングル帝王 (The King of the Jungle)」を日本のみでシングルカットするなど露出を増やしていた。
そして1986年から始まったストック・エイトキン・ウォーターマン とのコラボレーションにより「ヴィーナス」「アイ・ハード・ア・ルーマー (噂) 」「第一級恋愛罪」など更なるヒット曲が生まれ世界的な活躍を見せた。日本 ではバブル景気 絶頂期の1980年代 後半のディスコ ブームと時を同じくして大ブレイクした。
しかし1988年 にシヴォーンが目指す音楽性の相違と結婚によってロサンゼルスへ移住したことにより脱退。その穴を埋める形で同年にジャッキー・オサリヴァンが加入。
1991年にはジャッキー加入後初のオリジナル・アルバム『ポップ・ライフ 』を発表するものの、同年にジャッキーが別のバンドSlippery Feetを結成するため脱退。以降は30年以上カレンとサラのデュオとしての活動が続いている。
1995年、小室哲哉 プロデュースによるシングル「アイ・ファウンド・ラヴ 」を日本限定でエイベックス から発売。
1998年には『ユーロトラッシュ (英語版 ) 』の為だけにシヴォーンを含めた3人体制が一時的に復活、「恋のウォータールー 」をカバーした。シヴォーンは2002年にもG-A-Y (英語版 ) で行われた20周年記念ライヴにゲスト出演している。
2005年には「マイ・ディレクション 」が15年ぶりに全英TOP20に入り、「ルック・オン・ザ・フロアー 」が「ヴィーナス」以来のUSクラブヒットになるなど軽い再ブレイクを果たした。
2016年には27年ぶりの単独来日公演を敢行[ 7] 。
2018年
2017年 、シヴォーンが、約30年ぶりに翌年8月までの期間限定で本格的に復帰[ 9] 。26年ぶりに3人編成が復活し、オリジナル編成では初のUK・US・EUを廻るツアーを敢行、各地でソールドアウトが続出した。
2019年、アルバム『イン・ステレオ 』を発売。同年にはサマーソニック 出演と単独公演開催のため再び来日[ 10] 。
2020年10月、サラとカレンによる自叙伝 "Really Saying Something" を発表[ 11] 。
2022年にはデビュー40周年を記念した12thアルバム『マスカレード 』を発売。
2024年にはサラとカレンが自ら選曲したオールタイム・ベスト『グロリアス - ザ・アルティメット・コレクション 』を発売するなど現在も精力的に活動を続けており、ライヴや各地の音楽フェスへの参加なども活発に行っている。
ゲイコミュニティーへの影響
ビデオクリップやライブパフォーマンスにおいて半裸の男性ダンサーたちが大量に踊るというスタイルが定着し、ゲイコミュニティー の支持を得たことから、ゲイ・アイコン としても有名[ 12] 。
イギリス 国内でも同性愛者 の地位向上のための活動に協力したりすることも多い。そのことから誤解されがちでもあるが、メンバーのカレンもサラも異性愛者である。
メンバー
現ラインナップ
※カレンとサラは4歳の時からの幼馴染。
カレン・ウッドワード (2005年)
サラ・ダリン (2018年)
旧メンバー
シヴォーン・ファーイ
ディスコグラフィ
アルバム
スタジオアルバム
コンピレーション
シングル
『アイ・ア・ムアナ 』 - Aie A Mwana (1981年)
『エイント・ホワット・ユー・ドゥー』 - It ain't What You Do (It's the Way That You Do It) (with Fun Boy Three) (1982年)
エラ・フィッツジェラルド のカヴァー曲をファン・ボーイ・スリーと共演した。
『リアリー・セイイング・サムシング』- Really Saying Something (1982年)
ファン・ボーイ・スリーとの共演。
『シャイ・ボーイ 』 - Shy Boy (Don't It Make You Feel Good) / Boy Trouble (1982年、S07P-1009)
『ハート・ワクワク 』 - He's Got Tact (1982年)
『バナナドリーム 』 - Cheers Then (1983年)
『キスしてグッバイ』 - Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbye (1983年、S07P-1031)
『ちぎれたハート (クルーエル・サマー) 』 - Cruel Summer (1984年)
『愛しのロバート・デ・ニーロ』 - Robert DeNiro's Waiting (1984年、S07P-1050)
『ジャングル帝王』 - King Of the Jungle / Rough Justice (1984年、SO7P-1051)
日本限定発売。
『ホット・ライン・トゥ・ヘブン』 - Hot Line To Heaven (1984年)
『ワイルド・ライフ 』 - The Wild Life (1984年)
『ビーチ・ホテルでアイ・ラブ・ユー』 - Do Not Disturb (1985年)
『ヴィーナス 』- Venus (1986年)
『ヴィーナス 12インチ版』- Venus (1986年、L28P1244)
『モア・ザン・フィジカル 』 - More Than Physical (1986年)
『トリック・オブ・ザ・ナイト 』 - A Trick Of the Night (1986年、S05P-1085)
『アイ・ハード・ア・ルーマー (噂) 』 - I Heard a Rumour (1987年)
『第一級恋愛罪 』 - Love In the First Degree (1988年2月25日)
『アイ・キャント・ヘルプ・イット 』 - I Can't Help It (1987年)
『アイ・ウォント・ユー・バック 』 - I Want You Back (1988年)
『ラブ,トゥルース&オネスティ』 - Love, Truth and Honesty (1988年9月30日、P10L 40004)
『ネイザン・ジョーンズ』 - Nathan Jones (1988年)
『ヘルプ 』 - Help! (1989年、SOOP-1111)
『アイ・ア・ムアナ (Psycho Remix)』 - Aie A Mwana (Psycho Remix) (1989年1月25日)
『クルーエル・サマー’89』 - Cruel Summer '89 (1989年)
『メガラマ’89』 - Megarama '89 (1989年)
『オンリー・ユア・ラヴ 』 - Only Your Love (1990年)
『プリーチャー・マン 』 - Preacher Man (1991年)
『ロング・トレイン・ランニン 』 - Long Train Running (1991年)
『トリッピング・オン・ユア・ラヴ 』 - Tripping On Your Love (1991年)
『ムーヴィン・オン 』 - Movin' On (1992年)
『ラスト・シング・オン・マイ・マインド 』 - Last Thing On My Mind (1992年)
『モア・モア・モア』 - More More More (1993年)
『アイ・ファウンド・ラヴ 』 - I Found Love (1995年)
Every Shade of Blue
Take Me to Your Heart
CARELESS WHISPER (2001年)
フランスのみ発売
IF (2001年)
フランスのみ発売
REALLY SAYING SOMETHING 2005 (2005年)
『マイ・ディレクション 』 - Move In My Direction (2005年)
『ルック・オン・ザ・フロアー 』 - LOOK ON THE FLOOR (HYPNOTIC TANGO) (2005年)
Love Comes (2009年)
Love Don't Live Here (2010年)
Now or Never (2012年)
Stuff Like That (2019年)
Looking for Someone (2019年)
Favourite (2022年)
Forever Young (2022年)
Feel The Love (2023年)
主な出演作品
CM
来日公演
1989年
2016年
10月5日 - チームスマイル・豊洲PIT
10月7日 - 松下IMPホール
2019年
脚注
^ Erlewine, Stephen Thomas . “Bananarama Biography ”. AllMusic . Netaktion. 2024年4月30日 閲覧。
^ Chiu, David (2024年3月12日). “'Cruel Summer' Singers Bananarama Haven't Heard Taylor Swift's Song (Exclusive) ”. People . Dotdash Meredith. 2024年4月30日 閲覧。
^ Levine, Nick (24 July 2009). "Bananarama" . Digital Spy (Interview). Hearst UK Entertainment Network. 2024年4月30日閲覧 。There's a new single on its way - the thumping 'Love Comes', which cleverly references the group's Hi-NRG heyday - and an album of new material to follow.
^ Moskowitz, David V., ed (2015). The 100 Greatest Bands of All Time: A Guide to the Legends Who Rocked the World . Santa Barbara, California: ABC-CLIO. p. 583. ISBN 9781440803406 . "... Paul Cook (born Paul Thomas Cook, July 20, 1956; drums), who would later work with such New Wave bands as Bow Wow Wow and Bananarama."
^ “ストック・エイトキン・ウォーターマンの極めつけディスコヒット5曲 ”. OKMusic . ジャパンミュージックネットワーク (2017年2月7日). 2021年1月13日 閲覧。 “80年代後半〜90年代初頭にかけてディスコでヒットを連発していたのがバナナラマ、カイリー・ミノーグ、リック・アストリーらのユーロビート勢”
^ “Original Bananarama line-up reunite for first ever tour ”. BBC (24 April 2017). 23 September 2024 閲覧。
^ a b “バナナラマ、27年ぶり単独来日公演迫る! ”. チケットぴあ (2016年9月21日). 2024年11月10日 閲覧。
^ a b “Five times girl bands made a statement with their music ”. BBC . Bitesize. 2024年12月12日 閲覧。
^ “バナナラマ、オリジナル・メンバー3人で再結成 ”. BARKS (2017年4月24日). 2018年9月28日 閲覧。
^ “サマソニ出演のバナナラマ、単独公演が決定! ”. rockin'on (2019年6月10日). 2024年11月10日 閲覧。
^ Southern, Keiran (2020年5月20日). “Bananarama to chart ‘highs and lows of fame’ in memoir coming later this year ”. Belfast Telegraph. 2024年12月12日 閲覧。
^ James, Alastrair (2022年7月22日). “Bananarama on their ‘fiercely loyal’ LGBTQ fanbase: ‘a community we feel we’ve been part of since the 80s’ ”. Attitude . 2024年11月10日 閲覧。
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
バナナラマ に関連するカテゴリがあります。
サラ・ダリン - カレン・ウッドワード シヴォーン・ファーイ - ジャッキー・オサリヴァン スタジオ・アルバム コンピレーション・アルバム EP 主な楽曲 関連項目