『ネバダ・スミス』(Nevada Smith)は、1966年のアメリカ合衆国の西部劇映画。ハロルド・ロビンズ原作の小説『大いなる野望(英語版)』のスピンオフ映画。ヘンリー・ハサウェイ監督、スティーブ・マックイーン主演。
1966年の日本における洋画配給収入トップ10の第6位[2]。
ストーリー
舞台は、1890年代アメリカ合衆国ネバダ州の片田舎。古い鉱山跡に、白人男性、カイオワ族のインディアン女、16歳の少年の3人が、貧しくも慎ましく平和に暮らしていた。
ある日、少年が川で水くみをしているところに、3人のならず者が来て道を尋ねた。「サンドという人を探しているんだが。」「おやじだ。」「古い友人でね。ジェシーというんだ。家はどっちだい。」「あっち。」「坊や、名前は?」「マックス。」「有難う、マックス」去り際に、マックスの馬を追い散らしていった。マックスは、何故か不安に駆られ、急ぎ、家に向かって馬を走らせた。
家にいた両親は、切り刻まれて殺されていた。亡骸を家ごと灰にして、仇討をかたく誓うのだった。水も食料も持たず、1挺のライフルだけを携え、馬に乗って、3人組を追いかけた。
最初に出会った3人組は人違いだった。食事も一緒にさせてくれたが、朝起きたら誰もいなくなっており、銃や馬まで盗まれていた。2度目に出会ったのは、銃商人のジョナス・コードだった。マックスは、彼から拳銃のイロハを学び、悪党を探すのなら酒場に行けと、酒やポーカーまで教えてもらった。別れ際に、1ドルもらったので、本を買って文字や言葉を学ぶことにした。
牛追いの仕事をしながらも、行く先々で3人組を捜し歩いた。そんなある日、牛を追ってアビリーンの町までやってきた時のことである。同じカイオワ族の娘ニーサと知り合い、顎に傷跡のあるジェシーのことを尋たところ「酒場でカード配りをしている」とのことだった。彼の馬を見ると"SS"の烙印。父親の馬だ。そして、壮絶な死闘の末、彼を倒した。自らも重症を負ったが、ニーサに助けられ居留地で治療、回復をまった。
その後アビリーンへ戻り、ジェシーの妻アンジーから、彼の仲間ビルがルイジアナの刑務所に服役していることを聞き出した。この頃には独学の成果も上がり、新聞も読めるようになっていた。
マックスは狂言強盗を起こして捕まり、ルイジアナ刑務所に入った。そこはワニや毒ヘビのいる広大な湿地帯であった。そして巧みに脱獄を計画し、手引をしてくれるケイジャンの女ピラーやカヌーまで用意した。そこで、ビルをそそのかして3人で脱獄に成功。素性を明かしてビルと対決し、撃ち倒した。その際、カヌーが転覆し、ピラーは水の中で毒ヘビにかまれ、マックスの腕の中で永い眠りについた。
それから5年後、3人目のトムは、駅馬車強盗の頭になって、手下を増やそうとしていた。「そこの若いの、名前は?」「ネバダ・スミス。」(ネバダ出身で、銃の手ほどきをしてくれた人がガンスミスだったので、この偽名を思いついたのかもしれない)。そして、手下の中にもぐりこんだ。駅馬車襲撃の際、トム一人を手下達から切り離して川縁へと追い詰めた。とどめを刺そうとした時、ザッカルディ神父から聞いた話が心に過ぎった。指が引き金から離れた。トムが足元にいるアリンコのように小さく思えたのか。「殺してくれ。」とトムの泣き叫ぶ声を背に、静かに去っていくのだった。そこには、両親を殺された16歳の少年の姿はもうなかった。
キャスト
ニューラインから2025年6月4日に発売される「吹替シネマCLASSICS」シリーズ『ネバダ・スミス -TV吹替音声追加収録版-』には放送時にカットされた部分を追加収録したフジテレビ版の日本語吹替を収録[3]。
脚注
外部リンク
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