トランスグローバル株式会社(トランスグローバル)は、東京都千代田区紀尾井町に本社を置く、海外作品の輸入及び国内配給・字幕や吹き替えの翻訳などを行っていた企業である。日本音声製作者連盟に加盟[4]。
外国映画の配給や日本語版制作で名を知られ、国内最大手でもあった。
概要
戦後すぐの時期(1945年頃)から創業し活動。過去の正式社名は株式会社グローバル・プロダクション[5]。
1950年代からは外国製ドラマ・アニメの輸入代理を引き受けており、吹き替え制作も行っていた[6]。また、アニメーション制作を行っていたこともある。
過去には、倒産した会社などが保有している特撮作品の版権・フィルムを買い取りしていた時期があり、一部ネガフィルムが消失した『怪獣王子』はLD-BOX化の際に、トランスグローバルが保管していた再放送用フィルムを使用してソフト化された。
2016年12月31日には、東京都新宿区揚場町に存在した「トランスグローバルスタヂオ株式会社」と本社と同じ住所に存在した「株式会社弁慶橋エステート」を合併している。
住宅金融公庫融資住宅として西五反田には社員寮があり、現在はそこで小児科が入居・営業している[7][8]。
近年は、会社自体は存在しているが表立った活動を行っていない。
エピソード
吹き替え制作の下請けする際は「機材を揃えていること」「演出料だけを支払う」という条件を出していた[6]。
音響監督の田島荘三によると、以前の社長は「ルー」という華僑出身の人物だった[6]。
1965年から数年間放送された『ペイトンプレイス物語』が成功したことから、現在の赤レンガで造られた洋館風である社屋「グローバルハウス[1]」を建設。当時は「ペイトンビル」と呼ばれた[9]。
翻訳クレジットでは翻訳者の名前を出さず、一貫して「トランスグローバル」名義だった。このことについて、翻訳家の額田やえ子は社名こそ出さなかったものの「横のもの(海外作品)が縦(日本語)になってりゃいいのさ」と言う関係者がいたことを証言し、非難している[10]。また、1967年には翻訳の著作権関係で裁判も起こされている[5]。
過去の所属スタッフ
録音スタジオ
- 紀尾井町スタジオ(トランスグローバルスタジオ) - 本社に併設。
主に配給・吹き替え制作をした作品
担当作品によっては、翻訳を大野隆一、山田実、演出を山田悦司、松川陸、田島荘三が担当することがあるが、外部の所属スタッフが翻訳(井場洋子、岩本令)もしくは演出(向山宏志、木村恵理子)を担当している場合があった。一部は、追録作品のほかに新録作品(特にトムとジェリー)も存在し、その追録作品では別の会社が担当している。その例としてテレビドラマの怪鳥人間バットマンも1993年にWOWOWでシーズン3が放送された際は新録となったが(録音制作は不明)、ワーナー・ブラザースからブルーレイ化された時点で同社が製作したフジテレビ版(シーズン1、シーズン2)のみが収録された。
映画
海外ドラマ
アニメーション
テレビアニメ
長編アニメ
主に権利やフィルムを保有している国内作品
自社製作作品
脚注