トモーロス(古希: Τμῶλος, Tmōlos, ラテン語: Tmolus)は、ギリシア神話に登場する山の神、あるいは人間である。長母音を省略してトモロスとも表記される。主に、
の2人が知られている。以下に説明する。
タンタロスの父
このトモーロスは、リューディア地方のトモーロス山の神で、プルートーとの間にタンタロスをもうけたといわれる[1]。ただし、普通はタンタロスはゼウスとプルートーの子とされる。
オウィディウスの『変身物語』によると、トモーロスはアポローンとパーンが音楽の腕を競ったときに判定役となり、アポローンに勝利の裁定を下した。しかしその場に居合わせたミダース王だけはこの裁定に反論したため、アポローンはミダース王の耳をロバの耳に変えた[2]。ヒュギーヌスによると、この争いはアポローンとマルシュアースとの間で起こったもので、トモーロスは判定者の役目をミダース王にも与えたとしており、両者はそれぞれ異なる判定を下したという[3]。
オムパレーの夫
このトモーロスは、リューディア王で、オムパレーの夫である。死後オムパレーに王権を残して死んだ[4]。
脚注
- ^ エウリーピデース『オレステース』5行への古註(ケレーニイの邦訳、p.51)。
- ^ オウィディウス『変身物語』11巻150行-193行。
- ^ ヒュギーヌス、191話。
- ^ アポロドーロス、2巻6・3。
参考文献
関連項目