『ズマ 』はカナダ/アメリカのミュージシャン、ニール・ヤング の7枚目のスタジオ・アルバムで、1975年11月にリプリーズ・レコード から発売された。クレイジー・ホース との共同名義で、ヤングの最も知られた楽曲の一つである「コルテス・ザ・キラー (英語版 ) 」が収録されている。
発売後、Billboard 200 で最高25位に達した。1997年にアメリカレコード協会 のゴールドディスク 認証を受けた[ 10] 。2000年にはコリン・ラーキン (英語版 ) の『史上最高の1000枚のアルバム (英語版 ) 』で、410位の票を得た[ 11] 。
背景
1972年のクレイジー・ホースの元ギタリストでバンドメンバーのダニー・ウィッテン (英語版 ) のアルコール /ジアゼパム の過剰摂取による死は、ニール・ヤングに大きな影響を与え、クレイジー・ホースの活動を中断することになった。
1973年後半に、ヤングはクレイジー・ホースのリズムセクション のビリー・タルボット (英語版 ) (ベース)およびラルフ・モリーナ (英語版 ) (ドラムス)、ヤングの『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ 』(1970年)に参加後、1970年から1971年にかけてウィッテン率いるクレイジー・ホースに参加していたニルス・ロフグレン (英語版 ) (マルチプレイヤー)、ストレイ・ゲイター (英語版 ) からのベン・キース (英語版 ) らとともにツアーを行った。このグループは、当初 (英語版 ) はクレイジー・ホースと呼ばれていたが、サンタモニカ・フライヤーズとして知られるようになった。 このメンバーが『今宵その夜 』(1975年)のほとんどの楽曲を録音した。
クロスビー、スティルス&ナッシュ との1974年のスタジアムツアー (英語版 ) と、CSNYの2枚目のスタジオアルバムの試みが頓挫した後でヤングはタルボットおよびモリーナにリズムギタリストのフランク・サンペドロ (英語版 ) を加えた新しい編成のクレイジー・ホースを結成した。この編成は1980年代の短い期間を除いて、2018年にサンペドロが引退してロフグレンが後任になるまで安定していた[ 12] 。
内容
『ズマ』は『時は消え去りて 』、『渚にて 』、『今宵その夜 』からなる、いわゆる「ディッチ・トリロジー」の後で初めてのアルバムだった。
「ドント・クライ・ノー・ティアーズ」の歌詞とメロディは、部分的に Archives (2009年) に収められたヤングが高校生の時に書いた "I Wonder" に由来している。1996年のステージの最中に、ヤングは高校時代に「中南米でかかった下痢」に苦しみながら「コルテス・ザ・キラー」も書いたと主張している[ 13] 。突然の電力サージで元のカットが突然停止し、追加の最後のヴァースが録音されなかったため、この曲はフェードアウトで終わっている。これを聞いたヤングの反応は、「あのヴァースはどっちみち好きではない」というもので、ライブで演奏されることはなかった[ 14] 。
「デンジャー・バード」ではヤングは "L.A. Girls and Ocean Boys" という未発表曲の一部を挿入しているが、これはヤングとキャリー・スノッドグレス との破局に関連したもので、特に "'Cause you've been with another man / there you are and here I am"(「あなたが他の男と一緒にいたから/あなたはそこにいて、私はここにいる」)がこのことを示している[ 15] 。
収録曲
全曲ニール・ヤング が作詞作曲
サイド1 # タイトル 作詞 作曲・編曲 時間 1. 「ドント・クライ・ノー・ティアーズ(Don't Cry No Tears)」 2:34 2. 「デンジャー・バード (英語版 ) (Danger Bird)」 6:54 3. 「パードン・マイ・ハート(Pardon My Heart)」 3:49 4. 「ルッキン・フォー・ラヴ(Lookin' for a Love)」 3:17 5. 「バーストゥール・ブルース(Barstool Blues)」 3:02
サイド2 # タイトル 作詞 作曲・編曲 時間 6. 「ステューピッド・ガール(Stupid Girl)」 3:13 7. 「ドライヴ・バック(Drive Back)」 3:32 8. 「コルテス・ザ・キラー (英語版 ) (Cortez the Killer)」 7:29 9. 「スルー・マイ・セイルズ(Through My Sails)」 2:41
参加ミュージシャン
クレイジー・ホース
追加ミュージシャン
技術
チャート
認定
脚注
出典
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外部リンク