スティーブン・アンソニー・バルマー(英語: Steven Anthony Ballmer、1956年3月24日 - )は、アメリカ合衆国の実業家、マイクロソフト社元最高経営責任者(2000年1月 - 2014年2月4日)、NBAのロサンゼルス・クリッパーズオーナー。
総資産が1000億ドルを超え、フォーブス世界長者番付トップ10にも入る大富豪だが、マイクロソフト創業メンバーでもなければ、現役のCEOでもない[3]。
経歴
ミシガン州デトロイトに生まれる[4]。
父はスイスからのドイツ系ユダヤ人移民で、フォード・モーターにマネージャーとして勤務した[4]。
母はベラルーシのピンスク出身の両親を持つ東欧系ユダヤ人移民二世。
高校時代にSATの数学で800点満点を得点するなど数学に秀でた才能を発揮し[4]、1973年に4.0のGPAで卒業、クラスの卒業生総代となる。卒業後はハーバード大学へ進む[2]。
ハーバード大学在学時にはアメリカンフットボールチームのマネージャーや[5]、学内機関紙のハーバード・クリムゾン(英語版)[5] とハーバード・アドボケイト(英語版)の広告部長を務める。
後にマイクロソフトを設立するビル・ゲイツとは、ゲイツが中退以前に学生寮の同じ部屋に住んでいた。
第2位優等(Magna Cum Laude)で卒業し、数学と経済学の学士号を取得する[5]。
卒業後はプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)でアシスタントプロダクトマネージャーを2年間務める。(P&G時代の同期に後のゼネラル・エレクトリックCEO、ジェフリー・イメルトがいた[5]。)
スタンフォード大学経営大学院の経営学修士課程(MBA)へ進学したが[2]、ゲイツに説得され中退する[5]。
1980年、ゲイツが初めて採用したビジネスマネージャー(事業担当管理職)としてマイクロソフトへ入社、マイクロソフトの30人目の従業員となる。
オペレーティングシステム開発、経営、販売、サポート事業部門長などを経て、1998年7月には空席となっていた社長に昇進した[6]。
2000年1月にはゲイツの辞任に伴い最高経営責任者に就任した。
バルマーはXboxへの巨額な投資を承認した[5]。
2014年2月4日最高経営責任者を退任し、サティア・ナデラに最高経営責任者を譲り、取締役に就任した。
2014年8月12日、NBAのロサンゼルス・クリッパーズを買収し、オーナーに就任した[7]。同月19日、オーナー職などに集中したいとするバルマーの意向が受け入れられマイクロソフト取締役を退任した[8]。
2015年10月16日、Twitter社の株を4%保有していることを明らかにした。個人では3番目の大株主となる[9]。
2018年5月には「投資家であることにもはや集中したくなく、価格が魅力ある水準だったこと」を理由に所有していたTwitter社の株式を全て売却したことを明らかにしている[10]。
人物像
バルマーは、技術者肌であるゲイツに対して経営のアドバイザー的な役割を果たし、マイクロソフトを大企業に仕立て上げた立役者でもある。同社の売上高を3倍、利益を2倍へと押し上げたが、携帯端末事業でAppleやGoogleの後塵を拝したとの評価もある[8]。
基調講演でグロリア・エステファンの「ゲット・オン・ユア・フィート」に合わせて壇上を跳ね回り、「I love this company!」と絶叫する[11]など、ユーモラスな人柄も持ち合わせている。
かつては Windows 1.0 のテレビコマーシャルにも出演し、熱狂的にアピールする姿を見せた[12]。
2017年4月には私財1000万ドル(当時11億円相当)を投じ、アメリカ合衆国の財政状況を具体的に可視化する非営利サイトUSAFacts(英語版)を立ち上げている[13]
。
脚注
参考文献
- Fredric Alan Maxwell, Bad Boy Ballmer : The Man Who Rules Microsoft, HarperCollins Publishers Inc, 2002, ISBN 978-0-06-621014-8
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