アクアンティブ

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アクアンティブ
aQuantive, Inc
種類 公開会社
市場情報
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ワシントン州シアトル[1]
設立 1997年[1]
業種 サービス業
事業内容 インターネット広告
代表者 ブライアン・マックアンドリュース
売上高 増加 4億4220万ドル (2006年)[2]
純利益 増加 5400万ドル (2006年)[2]
総資産 増加 9億5232万ドル(2006年)[3]
従業員数 約2600人(2006年)[1]
主要子会社 Atlas
DRIVEpm
Avenue A Razorfish
関係する人物 スコット・リプスキー
マイク・ガルコン
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アクアンティブ:aQuantive, Inc)とは、マイクロソフトに吸収合併されたアメリカ合衆国インターネット広告会社のことである。

歴史

アクアンティブ社はかつてはインターネットインタラクティブ広告ディスプレイ広告の一種)の分野で、世界的に有名な会社だった。ポータルサイトなどから広告枠を購入し、広告主を集めてインタラクティブ広告を企画・販売する広告代理店と、広告管理ツールや配信技術を提供する技術子会社を持ち、NASDAQに上場し、ヨーロッパやアジア、南米などに子会社や合弁会社を設けて企業グループを形成していた[1]。1990年代に流行したディスプレイ広告はその後、検索連動型広告の登場やクリック率の低下などによって勢いを失った。しかし2000年代後半になると、ディスプレイ広告の一種であるSNS向けの広告や動画広告が伸び始め、アドエクスチェンジなどの新技術も登場した[4]

インターネット広告は年率20%で成長し、今後の成長も見込まれたので2007年頃、ディスプレイ広告の配信技術やアドエクスチェンジの技術を持つ会社の大型買収が相次いだ。IT業界ではGoogleダブルクリックを買収し、Yahooライトメディアを買収した。アクアンティブはマイクロソフトに破格の条件で買収されて、世間を驚かせた[5]。マイクロソフトはMSNBingなどに広告を掲載する広告会社でもあり、マイクロソフトはPlatforms and Services部門にAdvertiser and Publisher Solutions(広告主と広告掲載者向けソリューション)グループを新設して[6]、アクアンティブ社の技術でアドネットワークを運営したり[7]行動ターゲティング広告を配信したりした[8]。一方で広告代理店部門は2009年にフランスの大手広告代理店であるパブリシス・グループに売却された。

その後、マイクロソフトの配信技術は思ったほど採用が延びず、Googleが買収したダブルクリックに大差を付けられた[9]。マイクロソフトは配信部門についても投資の失敗を認めて、ほぼ全額を損失計上し[10]、その後アトラスを売却した[11]

沿革

  • 1997年 - スコット・リプスキー(Scott Lipsky)とマイク・ガルコン(Mike Galgon)がアクアンティブを創業[12][13][14]
  • 2001年4月 - レイザーフィッシュが電通と電通レイザーフィッシュ(現・電通iX)を設立
  • 2004年6月 - アクアンティブがレイザーフィッシュを1億6千万ドル~約2億ドルで買収[15][16]。以後3年間で約10社を買収し、資産規模が約5倍になった[3]
  • 2007年5月 - マイクロソフトがアクアンティブを60億ドルで買収[14]
  • 2008年9月 - リーマン・ショックが起きて、インターネット広告業界の不景気が2年ほど続いた
  • 2009年8月 - マイクロソフトがレイザーフィッシュをパブリシス・グループに5億3000万ドルで売却[17]
  • 2012年7月 - マイクロソフトがアクアンティブに対する63億ドルの投資に対して、62億ドルの評価損を計上した[10]
  • 2013年2月 - マイクロソフトがアトラスをFacebookに約1億ドル(推定)で売却[11]

かつての代表的なグループ企業

レイザーフィッシュ(英:Razorfish)
インタラクティブ広告の大手代理店で、コンサルティングも行う会社。ヨーロッパなどに子会社を持ち、現在はフランスのパブリシス・グループに買収されている。
アトラス・ソリューションズ(英:Atlas Solutions)
広告主と広告掲載者に、広告の入札や配信設定、効果測定などを行う統合管理ツールを提供する会社[18]。アトラス社のツールは、バイアコム[19]など大手のウェブサイトを中心に使われているようである[20]
ドライブ・パフォーマンス・ソリューションズ(英: DRIVE Performance Solutions)
リスティング広告やターゲティング広告などの配信技術を持つ会社。

かつての製品

  • デジタルマーケティング・テクノロジーズ事業部[3]
    • 広告主向け
      • Atlas Media Console
      • Atlas Rich Media
      • Atlas Search
      • Atlas Site Optimization
    • 広告掲載者向け
      • Accipiter AdManager
      • Accipiter AdMarket
      • Atlas Publisher
  • デジタルパフォーマンス・メディア事業部[3]
    • DRIVEpmとMediaBrokers
    • Franchise Gator

出典

  1. ^ a b c d マイクロソフト、aQuantive, Inc.買収へ”. Microsoft. 2012年7月1日閲覧。
  2. ^ a b aQuantive Announces Strong Fourth Quarter and Annual Financial Results”. aQuantive. 2012年7月7日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ a b c d Form 10-K”. SEC. 2012年7月7日閲覧。
  4. ^ ディスプレイ広告 新たな潮流 2012”. japan.internet.com. 2012年7月1日閲覧。
  5. ^ 吉と出るか凶と出るか--マイクロソフト史上最大aQuantiveの買収”. CNET Japan. 2012年7月1日閲覧。
  6. ^ マイクロソフトによるaQuantiveの買収が完了”. 電通レイザーフィッシュ創業者 渡邊 竜介のブログ. 2012年7月1日閲覧。
  7. ^ マイクロソフト、広告ネットワーク事業「DrivePM」を日本国内で開始”. IT Pro. 2012年7月1日閲覧。
  8. ^ MS、ターゲティング広告メニュー『DRIVEpm Selector Program』提供開始”. マイナビニュース. 2012年7月1日閲覧。
  9. ^ Advertising Usage Statistics”. builtwith.com. 2012年7月7日閲覧。
  10. ^ a b 米マイクロソフト、07年買収のオンライン広告会社で評価損計上へ”. ロイター. 2012年7月7日閲覧。
  11. ^ a b 佐藤由紀子 (2013年3月1日). “Facebook、Microsoftの広告配信技術「Atlas」を買収”. ITMedia. 2013年3月10日閲覧。
  12. ^ aQuantive co-founder Lipsky creates new digital photo startup”. BUSINESS JOURNAL. 2012年7月7日閲覧。
  13. ^ aQuantive Co-Founder Mike Galgon Joins Market Leader Board of Directors”. ロイター. 2012年7月7日閲覧。[リンク切れ]
  14. ^ a b MicrosoftがaQuantiveを$6Bで買収、大再編が進む広告ネットワーク市場”. TechCrunch Japan. 2012年6月29日閲覧。
  15. ^ Digitas が Modem Media を2億ドルで買収”. japan.internet.com. 2012年7月1日閲覧。
  16. ^ aQuantive lands SBI.Razorfish”. seattlepi. 2012年7月1日閲覧。
  17. ^ Microsoft、傘下のRazorfishを5億3000万ドルで仏Publicisに売却”. ITmediaエンタープライズ. 2012年6月29日閲覧。
  18. ^ オンライン広告技術の Atlas が VOD 広告市場に参入”. japan.internet.com. 2012年7月1日閲覧。
  19. ^ MSとバイアコム、広告とコンテンツで5億ドル規模の提携”. CNET Japan. 2012年7月1日閲覧。
  20. ^ Atlas Usage Statistics”. builtwith.com. 2012年7月1日閲覧。

外部リンク