ヴュルテンベルクのメンペルガルト(現在のモンベリアル)にヨハン・レオポルト・ニコラウス・フリードリッヒ・キューファー (Johann Leopold Nicolaus Friedrich Kuefer) という名で生まれた。退役して年金で暮らす将校の息子だった。キュヴィエ家はプロテスタントで、ジュラ山脈部のフランス・スイス国境地帯からユグノー戦争による宗教迫害の結果移住してきた家系である。
またキュヴィエは同年に設立されたフランス学士院の会員に選出された。1796年からパンテオン中央学校 (École centrale du Panthéon[† 1]) で自然史ないし博物学の教鞭をとりはじめ、4月に学士院の集会が開催されると彼の最初の古生物学の論文となる文章を発表した。これが後に1800年に『現存および化石のゾウ種についての覚書』Mémoires sur les espèces d'éléphants vivants et fossiles の名で出版されることになるものである。
1798年に初めての著書『動物の自然史基礎編』Tableau élémentaire de l'Histoire naturelle des animaux を出版した。これは彼がパンテオン中央学校で行った講義の要約であったが、おそらくは彼の動物界の自然分類の基礎となっており、最初にして全般的な説明となっているとみなすことができるものである。
主要な古生物学と地学の調査の結果は最終的に2つの別々の研究として世に送り出された。一つは有名な Recherches sur les ossements fossiles de quadrupedes で1812年パリで出版され、1821年と1825年に改訂された。もう一つは Discours sur les revolutions de la surface du globe で1825年パリで出版された。
しかし、どの研究も彼の4色8つ折り判の本の1817年の初版及び1829年から1830年までの5巻の内の2巻目の形で出版された Regne animal distribué d'après son organisation よりも高い評価は得なかった。この古典的な研究でキュヴィエは現生及び化石動物での彼の全ての調査の結果を具体化した。全ての研究は昆虫綱を除き彼のものであり、それは友人のピエール・アンドレ・ラトレイユの支援によるものだった。
再び、学士院終身秘書の地位で、キュヴィエは多数の科学アカデミーの死去したメンバーのエロージュ・ジストリック(éloges historiques:歴史的賞賛)だけでなく、多数の物理学、自然科学史の報告書の筆者となり、それらの最重要な殆どが Rapport historique sur le progrès des sciences physiques depuis 1789 として1810年に出版された。
キュヴィエは次の3つの事項の探求に今度は特に専念した。一つは軟体動物門の構造と分類の関係、二つ目は魚類の比較解剖学と系統的位置、そして三つ目は主として化石哺乳類と爬虫類、次に同じグループに属する現生動物の骨学。軟体動物に関する彼の研究は1792年に始まったが、この部門のほとんどの回想録は1802年から1815年の間に Annales du museum で発表された。それらは後に Mémoires pour servir de l'histoire et a l'anatomie des mollusques として1冊に集約されて1817年パリで出版された。
キュヴィエの魚の調査は1801年に始まり、最終的に5000種の魚について記述された Histoire naturelle des poissons を出版する結果となり、それはキュヴィエとアシル・ヴァランシエンヌ (Achille Valenciennes) の共同研究であったが、(キュヴィエが関わった限り)1828年から1831年へ出版は延期した。この調査の領域では彼は回想録の長い一覧を発表した。それは一部は絶滅動物の骨に関係し、一部は現生動物の骨格の観察結果―特に構造及び化石との類似点を詳細を述べている。その2番目のカテゴリーにはインドサイの、バク、ケープハイラックス、カバ、ナマケモノ、マナティーなどと関係する多数の論文が含まれるだろう。前のカテゴリーではより多数の回想録が含まれ、モンマルトルの始新世の地層の絶滅哺乳類、化石種のカバ、絶滅種のオポッサム(Didelphys gypsorum)、メガロニクスやメガテリウム等の地上生大型ナマケモノ、ホラアナハイエナ、プテロダクティルス、絶滅種のサイ、ホラアナグマ、マストドン等の絶滅種のゾウ、化石種のマナティーとアザラシ、ワニ目、カメ目、魚類、鳥類の化石の形式についての論文が含まれる。