国立自然史博物館(こくりつしぜんしはくぶつかん、仏: le Muséum national d'histoire naturelle)は、フランスの文部省・研究省・環境省の共同監督下にある博物館。MNHNと略称されることがある。日本語として「国立自然誌博物館」という表記もある。
沿革
この博物館が正式に発足したのは、フランス革命中の1793年6月10日、国民公会(la Convention)によってだったが、その起源は、1635年にフランス国王ルイ13世が創設し、王の侍医たちにより監督運営された「王立薬草園」(Jardin royal des plantes médicinales)に溯る。しかし、1718年3月31日に少年王ルイ15世の勅令によって医学的な機能は排除されて、自然史に集中することになったので、単に「王立庭園」(Jardin du Roi)として知られるようになった。
本博物館の使命は、基礎及び応用双方の研究と、知識を一般に広めることにある。その組織は、7つの研究部門と、3つの教育部門とからなっている。その研究部門は、分類・進化部門、制御・発生・分子多様性部門、水環境・生物集団部門、生態学・生物多様性管理部門、地球史部門、人間・自然・社会部門、先史部門である。また教育部門は、パリ植物園内の陳列館、植物園及び動物園、そして人類博物館(Musée de l'Homme)である。
本博物館は、パリ第5区(最寄駅 : パリメトロモンジュ広場駅 Place Monge)のパリ植物園内にある当初からのものの他、フランス全土に施設を有する(下記参照)。パリ植物園にある陳列館は、鉱物学・地質学陳列館、比較解剖学・古生物学陳列館、そして有名な進化大陳列館(Grande Galerie de l'évolution)である。博物館所属の古くからある動物園(Ménagerie)もこの植物園内にある。