しかし、スペイン語で鉄を意味する単語と同じ綴りであることが、他の言語での名前を付ける際に影響した。16世紀初頭の地図や書物では、この島は「鉄」を意味する単語の名前で呼ばれている。例えばポルトガル語ではFerro、フランス語ではl'île de Fer[1]、ラテン語ではInsula Ferriなどである。
フアン・デ・アブレウ・ガリンド(スペイン語版)の著書「カナリア諸島の発見と征服の歴史(Historia de la conquista de las siete islas de Gran Canaria)」(1764年にジョージ・グラス(英語版)が翻訳・出版)では、島の名前は現地語でEsero(またはEseró)で、「強い」('strong')の意味であるとしている[2]。しかし、リチャード・メジャー(英語版)はLe Canarien[3]の彼の翻訳[4]の注釈で、「水槽・貯水池」を意味するheroまたはherroというグアンチェ語の単語が、民間語源により容易にhierroになり得ることに気づいたと記している[5]。グアンチェ族は雨水を貯めるのに貯水池を築いていたと考えられている。Gran diccionario guanche[6]では、グアンチェ語のheroはスペイン語で"fuente"(泉)の意味であるとしている。
ウンベルト・エーコの小説『前日島(英語版)』(L'isola del giorno prima、1994年)で、エル・イエロ島に触れている。この小説は、国際日付変更線上の島に漂着したイタリア人青年の話である。
脚注
^Bory de St.-Vincent, J.B.G.M. (Germinal An XI [1803]), Essais sur les Îles Fortunées et l'antique Atlantide, ou Précis de l'Histoire générale de l'Archipel des Canaries, Paris: Baudoin, p. 14
^Abreu Galindo, Juan de (1764), The History of the Discovery and Conquest of the Canary Islands, London: R. and J. Dodsley, pp. 24–25
^Bontier, Pierre; Le Verrier, Jean (1872), The Canarian, New York: Burt Franklin, p. 124
^Osorio Acevedo, Francisco (2003), Gran diccionario guanche : el diccionario de la lengua de los aborígenes canarios, Tenerife: Centro de la Cultura Popular Canaria