馬の年齢については「馬齢 」をご覧ください。
耳飾りの種類。 1) helix/cartilage 2) industrial 3) rook 4) daith 5) tragus 6) snug 7) conch 8) anti-tragus 9) lobe
イヤーカフ
南米のトトナカ族 (英語版 ) の像。プラグ (英語版 )
耳に穴をあけるためのピアッサー (英語版 )
イヤリング (英語: earring )または耳飾り (みみかざり)は、外耳 につける装身具 。『イヤリング』は字義的には『耳輪』であるが、形状を問わず耳に着ける装身具をすべて『イヤリング』という。このうち『穿孔』してとりつけるものは、日本においてはピアス と呼ばれ、穿孔しないものと区別されることが多い(詳しくはピアス を参照)が、本来はどちらもイヤリングである。
概要
多くは、耳たぶ か外耳 の一部に穴を開けて装着される(日本では前述のようにピアスと呼称)が、穿孔せずにクリップ や磁石 、ねじ などで耳たぶ を挟んで固定するものもある(同、イヤリングと呼称)。また耳たぶ以外の耳介 に挟むものもある(同、イヤーカフス/イヤーカフと呼称)。
金属製が多いが、ガラス 、宝石 、ビーズ や骨 、貝 や木 など一定の固さを持ったあらゆる素材が使用されている。デザインも様々であり、小さなリング状のものから、肩の近くまで垂れ下がる複雑なデザインのものまである。
重さと形状は、耳たぶとそこに開けた穴が、どれだけの重さに耐えられるかによって決まっている。大きすぎるデザインは行動の妨げになるほか、他の物体との接触により引っ張られ、耳たぶを傷つける恐れがあるので注意が必要である。
ピアスを模したマグネットピアス、ノンホールピアス(ノンホールイヤリング)、イヤーカフがあり、金具が目立ちにくいシンプルなデザイン、穴開けの必要はない代用品もある。
文化
多くの文化で身分や美しさの象徴として用いられている。かつては、奴隷 身分を示すため、耳から外すことのできないタイプのものが用いられていたところもある。最近では[いつ? ] 、他の人の助けを借りなければ取り外すことのできないほど複雑で巨大なタイプが流行している地域もある [要出典 ] 。また、一部のフェティシズム では、錠 付きのイヤリングが用いられている。
漢
中国の戦国時代末から漢代には、耳璫 (じとう)というものがあった[ 1] 。
ヒンズー教
ヒンドゥー教 の生後1歳から5歳までの子供には、イヤリングを飾るための穴を開ける儀式Karnavedha (英語版 ) がある。
コサック
14から15世紀ごろに現れたロシアのコサック人 の男性は、右耳に扶養する家族がいることを示すためにイヤリングをつけた[ 2] 。
中世ヨーロッパ
中世イタリアでは、沿岸部ではおしゃれであったが、北イタリアでは奴隷や売春婦が付けるものとされた[ 2] 。また、16世紀ごろの西洋文化圏では、キリスト教文化・奢侈禁止令 (おしゃれ、ぜいたく禁止令)・髪を長くのばしたり・フードが流行した等でなじまず、奴隷やユダヤ人女性が付けるものとみなされた[ 3] [ 4] 。
海賊
海賊もイヤリングをつけるが、理由は諸説あり、海難事故で流れ着いた先での埋葬費用、奢侈禁止令への抗議としてつけていたなどがある[ 2] 。
日本
日本列島 におけるイヤリングの文化は縄文時代 前期(約6500年前)には出現しており、「玦状耳飾り 」や「耳栓 」(じせん)と呼ばれる石製または粘土製イヤリングが当時期の遺跡 から出土している[ 5] 。弥生時代 になるとイヤリング文化は衰退し、古墳時代 中期前半(5世紀半ば)頃まで見られなくなるが、中期後半以降には朝鮮半島 からの渡来系 文化・技術として金属製装身具とその製法(金鍍金 など)が流入し、再びイヤリングが出現した。古墳時代 後期から飛鳥時代 (6世紀~7世紀)にかけては「耳環 」と呼ばれる金属製イヤリングが製作され、横穴墓 などから出土するほか、埴輪 の表現にもみられるようになった[ 5] 。しかしその後は律令制 導入に伴う唐 風文化の波及などにより衰退していったと考えられており、以後日本では明治時代 に至るまでイヤリング文化は一般的でなくなった[ 5] 。
アイヌ
アイヌ文化には男女共にアイヌ語で「ニンカリ 」という耳飾りを付ける習慣があったが、[ 6] 日本国内のアイヌ人男子は、1871年 (明治 4年)、日本政府から耳飾りを禁止された[ 7] 。
軍隊
徴兵制を敷いている近代軍隊制度を有する国では、敵につかまれて引き千切られるような装身具の類は好まれていない事実もある(認識票などは引っかかってもすぐとれる)。
ピアシング
ピアス を取り付けるために耳に穴を開けることをピアシング と呼ぶ。安価な器具が販売されており、正しく消毒 を行えば感染症の危険も少ないのだが、最も安全なのは相応の資格を持つ病院で受けることである。また、長期に渡って装着せずにいると、穴がふさがり再びピアシングをする必要が出て来る。
ピアシング後は、金 やチタン などのアレルギー反応 を起こしにくい素材のピアスを身につけ、傷がふさがり、感染症の危険がなくなるまで、装着し続ける必要がある。
脚注
^ 「耳璫 」。https://kotobank.jp/word/%E8%80%B3%E7%92%AB 。
^ a b c “Unpacking the history behind the single earring trend for men ” (英語). www.sleek-mag.com . 2023年10月29日 閲覧。
^ Robert Bonfil, Jewish Life in Renaissance, University of California Press, 1994, 319 p. (ISBN 978-0-520-07350-0 ), « The problem of social identity », p. 102.
^ Irven M. Resnick, Marks of Distinctions: Christian Perceptions of Jews in the High Middle Ages , Catholic University of America Press , pp. 87–88, ISBN 978-0-8132-1969-1 , https://books.google.de/books?id=LarC4PG9osUC&printsec=frontcover&dq=Marks+of+Distinctions:+Christian+Perceptions+of+Jews+in+the+High+Middle+Ages&hl=de&sa=X&ved=2ahUKEwj988PN79nqAhUKyqQKHV52AIgQ6AEwAHoECAYQAg#v=snippet&q=earrings&f=true
^ a b c 上田 2006年 pp.105-110
^ 関根 2016
^ 社団法人北海道観光振興機構 2009年
参考文献
関連項目