アルタイルの角直径は1960年代にロバート・ハンブリー・ブラウンと彼の共同研究者らによりオーストラリアのNarrabri天文台で測定され、アルタイルの角直径は3ミリ秒とされた[19]。ブラウンらはアルタイルが自転により、アルタイルが潰れた形状になることも発見したが、その扁平率を測定するにはデータが不十分だった。1999年と2000年にパロマー試験干渉計を用いて行われた赤外線干渉測定によって、アルタイルがつぶれた形状に平坦化されていることが確認された。この研究成果は、2001年にG. T. van BelleとDavid R. Ciardi、そしてその共同研究者らによって発表された[16]。
理論上では、アルタイルは急速な自転により表面重力と表面温度の値は赤道で低くなり、赤道は極よりも明るくならないと予測されている。重力減光もしくはフォン・ツァイペル効果として知られるこの現象は、2001年に海軍精密光学干渉計(Navy Precision Optical Interferometer)によって行われた測定によってアルタイルで確認され、その後2004年にOhishiら、2006年にPetersonらによって分析されている[6][20]。2005年には、Domiciano de SouzaらがVLT干渉計に搭載されているVINCIによって行われた新たな測定と、パロマー天文台と海軍精密光学干渉計で得られていた測定を用いてアルタイルの重力減光を確認した[21]。
アルタイルは直接画像が得られている数少ない恒星の一つである[22]。2006年と2007年にJ. D. Monnierとその共同研究者らは、CHARAアレイ干渉計に搭載されているミシガン赤外線コンバイナ(Michigan Infrared Combiner)を用いて2006年に行われた赤外線観測を基にアルタイルの表面の画像を作成した。太陽以外の主系列星で表面が画像化されたのはこれが初めてであった[22]。擬似カラー画像は2007年に発表された。アルタイルの赤道半径は太陽半径の2.03倍、極半径は1.63倍と推定されており、赤道半径は極半径より25%長くなっている。自転軸は地球から見て約60度傾いている[7]。
固有名のアルタイルは、アラビア語で「飛翔する鷲」の意味である「النسر الطائرan-nasr aṭ-ṭā’ir (アン=ナスル・ッ=ターイル)」が短縮されたもの[27][注 4]で、実際のアラビア語でもアルタイルをالنسر الطائرと呼ぶ。2016年6月30日に国際天文学連合の恒星の命名に関するワーキンググループ (Working Group on Star Names, WGSN) は、Altair をわし座α星の固有名として正式に承認した[28]。
^Malagnini, M. L.; Morossi, C. (1990). “Accurate absolute luminosities, effective temperatures, radii, masses and surface gravities for a selected sample of field stars”. Astronomy and Astrophysics Supplement Series85 (3): 1015–1019. Bibcode: 1990A&AS...85.1015M.
^ abcdD. M. Peterson et al. (2006). “Resolving the Effects of Rotation in Altair with Long-Baseline Interferometry”. The Astrophysical Journal636 (2): 1087–1097. Bibcode: 2006ApJ...636.1087P. doi:10.1086/497981. See Table 2 for stellar parameters.
^David Darling. “Altair”. The Internet Encyclopedia of ScienceAccessed. 2019年7月9日閲覧。
^David Darling. “Summer Triangle”. The Internet Encyclopedia of ScienceAccessed. 2019年7月9日閲覧。
^Hoboken, Fred Schaaf (2008). The brightest stars : discovering the universe through the sky's most brilliant stars. New Jersey: John Wiley & Sons, Inc.. p. 190. ISBN978-0-471-70410-2. OCLC440257051
^Hanbury Brown, R.; Davis, J.; Allen, L. R.; Rome, J. M. (1967). “The stellar interferometer at Narrabri Observatory-II. The angular diameters of 15 stars”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society137: 393–417. Bibcode: 1967MNRAS.137..393H.
^Naoko Ohishi; Tyler E. Nordgren; Donald J. Hutter (2004). “Asymmetric Surface Brightness Distribution of Altair Observed with the Navy Prototype Optical Interferometer”. The Astrophysical Journal612 (1): 463–471. Bibcode: 2004ApJ...612..463O. doi:10.1086/422422.
^A. Domiciano de Souza; P. Kervella; S. Jankov; F. Vakili; N. Ohishi; T. E. Nordgren; L. Abe (2005). “Gravitational-darkening of Altair from interferometry”. Astronomy and Astrophysics442 (2): 567–578. Bibcode: 2005A&A...442..567D. doi:10.1051/0004-6361:20042476.