アルタイメネース(古希: Ἀλθαιμένης, Althaimenēs)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してアルタイメネスとも表記される。クレーテー島の王カトレウスの子で、アーエロペー、クリュメネー、アペーモシュネーと兄弟。
あるときアルタイメネースは父カトレウスが自分の子に殺される運命であると知り、アペーモシュネーとともにロドス島に去り、上陸したところをクレーティニアーと呼んで治めた。またアルタイメネースはアタビュリオン山に登ったとき、遠方にクレータ島を発見し、ゼウスの聖域を創設した。しかしアペーモシュネーがヘルメースに穢されたとき、相手が神というのは嘘だと考え、アペーモシュネーを蹴り殺してしまった[1]。後に年老いたカトレウスがアルタイメネースにクレーテー島の王権を与えたくなって、密かにロドス島にやって来たとき、カトレウスは海賊と間違われて島民と争いになり、やって来たアルタイメネースは老人が父であるとは知らずに槍で殺してしまった。後になってカトレウスだとわかると、アルタイメネースは絶望して大地に飲み込まれた[2]。
シケリアのディオドーロスによると、アルタイメネースは自分が父を殺害すると予言されたため[3]、クレーテー島を出たがっていた多くの人々を連れてロドス島に渡り、アタビュロス山にゼウスの聖域を創設した[4]。こうしてアルタイメネースはロドス島のカメイロスに移住したが、後にカトレウスがロドス島にやって来て島民と争いになったとき、カトレウスと知らないまま殺してしまった[5]。絶望したアルタイメネースは諸国を放浪した末に死んだが、ロドス島の人々は神託によって彼を英雄として祭祀したという[6]。
系図
脚注
- ^ アポロドーロス、3巻2・1。
- ^ アポロドーロス、3巻2・2。
- ^ シケリアのディオドロス、5巻59・1。
- ^ シケリアのディオドロス、5巻59・2。
- ^ シケリアのディオドロス、5巻59・3。
- ^ シケリアのディオドロス、5巻59・4。
参考文献