この項目では、記号について説明しています。
アルファベットについては「X 」をご覧ください。
新井理恵の漫画作品については「× ―ペケ― 」をご覧ください。
×
× は、記号 の一つ。読み方は「かける 」「かけ」「ばつ 」「ぺけ」「たすき じるし」「ばってん 」「ちょめ 」「クロス 」「バイ 」など。また、発音や転写をしない場合もある。読み物等を音読する上では「スラー 」と読むこともある。 [要出典 ]
代用として、ラテン文字 の「x」や「X」 が使われることもある。例えば、寸法表記の「100 cm x 100 cm」など。こちらはASCII コードでも利用できるというメリットがあり、特に英語圏の電子文書(プレーンテキスト )などで広く代用されている。
形が似た記号に「✗ 」(ballot X, X mark , cross)があるが、日本語 では「×」と「✗ 」を使い分けず共に「×」を使うことが多い。フォント によっては、両者の字形に違いがなく、ballot Xも左右対称な字形になっていることがある。
文字実体参照 は「×
」。TeX では「\times
」。timesは掛け算 の「掛ける」を意味する英語 である。
乗算記号
「かける」と読むが、複数の乗算を区別する必要があるときは「クロス 」と読む。
この記号の起源は聖アンデレ の斜め十字架 であるとされ、乗法 の記号としてこの記号が使われだしたのは17世紀 に入ってからであり、最初に使ったのはウィリアム・オートレッド の著書『数学の鍵』(1648年)だった[ 1] [ 2] 。ただし、ヨーロッパ ではあまり普及せず、ライプニッツ が使用した「∙ 」が一般的である[ 2] 。日本 でも中等数学以降では「∙ 」も使われる。
コンピュータプログラミング の分野では、ASCIIコード でも利用可能なアスタリスク (*
)が乗算記号として使用されることが多い。
バツ印
日本 では否定 的な意味としてバツ印が使用される。この場合は「バツ」「ペケ 」と読む。逆の意味の記号は「○ 」(まる)。
文字の出現以前、古墳時代 の土器や埴輪にも×の印は見られ、「〆 」(しめ)と同様に封印 の意味があったと考えられている。
平安時代 以後、×は「阿也都古(アヤツコ )」と呼ばれた。アヤツコには異界 とこの世の行き来を禁止する意味があり、初めて外出する乳幼児の額に書く、葬儀の際に死者の胸に書くなど魔除け の記号、呪符 として用いられた。「凶 」「胸 」「兇 」などの漢字はアヤツコの系列の字である[ 3] 。
なお、「言海 」では、「ペケ」の由来は外来語の訛りとされている[ 4] 。「不可」の中国語 読みからという説も唱えられている[ 5] 。
韓国では正解と不正解にそれぞれ○と×の記号が使われることがあるが、日本とは異なりマルやバツに相当する読み方はされず、アルファベットのオーとエックスを模して「OX(오엑스 )」と読まれる[ 6] 。
欧米では否定的な意味として、「✗ 」あるいは「○ 」を使う。逆に、肯定的な意味を示す記号は「✓ 」である。ただし、欧米でも肯定 /否定(OK/キャンセルあるいはYes/No)の意味でチェックマークとバツ印の組み合わせがアイコンとして使われることもあり、しばしば tick and cross と呼ばれる。ただし、Xは表などで該当の意味としてしばしば使われるので、必ずしも否定とは限らない。
また多くのウィンドウシステム のソフトウェアではウィンドウを閉じる(終了させる)ボタンとして×の記号が使われている。
カップリング
カップリング 。原則として「雄 ×雌 」「男性 ×女性 」の形で表す。
「かける」、「クロス」などと読む。
結婚 、交配 。
雑種 。たとえばDianthus caryophyllus × Dianthus plumarius は、Dianthus caryophyllus の雄とDianthus plumarius の雌の雑種という意味。またこの雑種の場合、雑種自体にも学名 が付いており、Dianthus ×allwoodii とも表せる。
カップリング (同人) 。たとえば「太郎 ×花子 」は太郎と花子がカップルとなる物語。「(攻め)×(受け)」として書かれることもある。
共著 、コラボレーション などを表すことがある。
野毛山公園 (柳宗理 のデザイン)
バッテンマスク
自動改札機 の○ ×
その他の用法
記号
対戦 カードを表す。「○○×△△」で「○○対△△」の意味になる。
野球 やソフトボール などでは、最終回の裏、3アウトになる前に、試合が終了 した場合に、スコアボード の最終回裏部分にこの記号を書く。ただし本来は、「最後まで試合を続ければ何点入ったかわからない」ということから、「未知数 」を表す「X 」(エックス)である。
ボウリング のストライク(予備球を使わずに全てのピンを倒すこと) - 本来はエックスであるが、バツが使われることが多い。蝶やボウタイのように表示される場合もあるが装飾である。
伏字 。「○」「●」「△ 」「□ 」などと同じだが、「×」を使ったときに限り「チョメ」「チョメチョメ(複数文字の場合)」と読むことがある[ 7] 。また、X指定 (XX指定、XXX指定)との連想からか、性的な意味あいを持つことがある。
図表中の1点を示すのに使う。他の記号も使われるが、「○」等では中心が目立たず、「+ 」では格子 線などに紛れやすい。
地図上の目的地など。いわゆる「宝の地図」では、宝物が隠してある場所を示す。
申請書類やアンケートなどの選択肢において、該当項目のチェックボックス に「×」を書く(本来は「✗ 」)。「✓ 」や「/ 」や塗りつぶしと同じ。かつてはGUI 要素のチェックボックス にも「×」が使われていた[ 8] 。
カレンダー などで、済・終了した日を上から消す際に使う。
俗語 として、同じ言葉を複数回繰り返すことを「 - ×n」のように略記することがある。例えばモーニング娘。 の「LOVEマシーン 」の歌詞 「♪日本の未来は(Wow×4)」の「Wow×4」の部分は「Wow wow wow wow」と発音する。なお冪乗 の表記で同様の意味を表すこともある(『めちゃ2 イケてるッ! 』など)。
家紋 では「筋違紋(すじかいもん)」という。
特捜戦隊デカレンジャー で、有罪(デリート許可)を表す。
SCE→SIE のゲーム機・PlayStation のコントローラ のボタンの一つ。PS4 までは動作の役割は文化圏によって異なり、日本ではキャンセルボタンだが、欧米では決定ボタンとして使われた。PS5 では決定ボタンに統一。
違法薬物MDMA の俗称。
×を含む言葉
無発音、無転写
バイ
ペケ
バッテン
符号位置
記号
Unicode
JIS X 0213
文字参照
名称
×
U+00D7
1-1-63
×
×
×
乗算記号 MULTIPLICATION SIGN
✕
U+2715
-
✕
✕
MULTIPLICATION X
✖
U+2716
-
✖
✖
HEAVY MULTIPLICATION X
✗
U+2717
-
✗
✗
BALLOT X
✘
U+2718
-
✘
✘
HEAVY BALLOT X
❌
U+274C
-
❌
❌
CROSS MARK
❎
U+274E
-
❎
❎
NEGATIVE SQUARED CROSS MARK
参考文献
関連項目