茅野市民館 (ちのしみんかん・2005年10月1日開業)は、長野県茅野市にある文化複合施設である。
劇場・音楽ホール、茅野市美術館、スタジオ、図書室、レストランなど、さまざまな機能を合わせ持ち、利用者によって多様な使い方に対応できる。
茅野駅 東口橋上駅舎から通路が延び、直結している。
設計は建築家古谷誠章である。(面出薫照明デザイン。)2007年、デザインが認められ、日本建築学会賞、日本建築家協会賞 受賞。2011年、日本芸術院賞 受賞。毎年9月中旬頃開催されている小津安二郎記念蓼科高原映画祭の会場の一つ(他の会場-新星劇場、小津安二郎記念館・無藝荘)。
概要
茅野市民館は茅野市が同市民館条例に基づく「市民の生涯学習及び地域文化創造の交流拠点」として設置した施設で、主要な施設として「茅野市民ホール」・「茅野市美術館」・「茅野市民館図書室」・「市民館広場」・「イベントスペース」がある[1]。
用地は住宅・商店跡および茅野駅側線跡のほか、北から順に信厚館製糸場(1897年操業開始、のち信濃寒天販売購買組合事務所・寒天倉庫。一部はさらに魚力茅野店→西友茅野店)跡地、授産所(のち地紙世商店寒天倉庫→茅野市民会館)跡地、株式会社地紙世商店事務所・同寒天倉庫(ともに2004年解体)跡地である。
施設詳細
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- ホール
- マルチホール(780席、可動イスもある。演劇や音楽、展示、パフォーマンスなど、さまざまなジャンルのアートに利用できる。2階席の前面に映写スクリーンをおろすことによって、1階だけのコンパクトな利用にも対応する。)
- コンサートホール(客席数300席、規模総面積:320㎡〈特別室をのぞく〉)
- アトリエ(〈リハーサル室〉舞台稽古はもちろんのこと、小規模な発表会やワークショップなどにも利用できる。バレー・バーや鏡も用意されている。)
- スタジオ(練習室)
- Aスタジオ(バンド練習用にドラムセットやマイク、アンプを設置。)
- Cスタジオ(アップライトピアノ〈別料金〉を設置。)
- 市民館図書室(駅のホームと平行するガラス張りのスロープ沿いにある[3]。蔵書数約1万点。「オープン型図書室」をコンセプトに高さ5メートルの全面ガラス張りとし開放感を演出する[4][注 1]。)
- イベントスペース(茅野駅前にあった寒天倉庫の材料を利用して造られた。)
- カフェ・アンダンテ(レストラン)
- 共通ロビー、テラス、中庭、東広場。
- 駐車場258台
開館時間
- 開館時間 午前9時~午後10時(図書室、美術館常設展示室は午前9時~午後7時)
- 受付時間、午前9時~午後8時
- ※休館日 火曜日(火曜が祝日の場合は、その直後の休日でない日)年末年始(年末年始12月29日から翌年1月3日まで)
- カフェ・アンダンテ
- 営業時間:AM10:00~PM8:00(ランチタイム:AM11:00~PM2:00)
茅野市美術館
茅野市美術館 は1980年7月に茅野市図書館・美術館として茅野市玉川に建設されていたが、茅野市民館がオープンしたのを機に、美術館のみ館内に移転。
常設展示室と市民ギャラリーの2スペースがあり、常設展示室では郷土の作家の作品を中心に、所蔵作品を常設展示している。市民ギャラリーでは作家の個展や、美術団体の公募展、サークル等の展覧会、企画展を開催している[7]。
主な所蔵作家
- 日本画
- 洋画
- 彫刻
- 書道
- 工芸
- 建築
- 版画
- 写真
- 現代美術
茅野市民館の歴史
この節の出典:[9]
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- 1967年(昭和42年)11月 -「茅野市民会館」(茅野市民館の前身)開館。
- 1980年7月 - 茅野市図書館、美術館として建設される。
- 1981年初代茅野市美術館長、北澤敏郎の諏訪中時代(現在の諏訪清陵高等学校)の同級生の矢崎博信の遺作展を機に、矢崎の遺族から多数の作品を寄託される[11]。
- 1998年9月 - 第1回小津安二郎記念蓼科高原映画祭開催
- 1999年7月 - パートナーシップのまちづくり推進会議が発足
- 8月 -「茅野市の地域文化を創る会」を結成。(市に寄せられた提案等も活用しながら10回のワークショップを重ね、基本構想素案をまとめ、これを基に基本構想を策定した。「市民の生涯学習や、地域文化の交流拠点」として位置付け、建設を機に「芸術から産業に至るまで、生活のすべてにかかわる多様な地域文化創造」という大きなまちづくりの課題に、市民・民間と行政が一体となった「パートナーシップのまちづくり」により取り組んでいくことが記された[12]。)
- 2003年8月2日 - 茅野市民館建設工事起工
- 2004年7月 - 美術館移転前の最後の特別企画展「~新美術館にむけて~特別企画さよなら展・茅野市美術館委員展」を開催[13]。
- 2005年3月31日 - 建設工事竣工。
- 2006年2月18日「こだま愛 First Recital」開催[14]。
関連項目
脚注
注釈
- ^ 2021年初頭、当館図書室の蔵書の退色(色飛び、日焼け)問題がSNSで話題となった。朝日新聞が施設関係者に取材し報道したところによると、当館図書室では紫外線カットガラスの採用やロールスクリーンの設置といった対策を講じているものの、標高800メートルという高地にあって紫外線の強さは予想以上であり、施設コンセプトと蔵書保護の両立に苦慮しているという[4]。なお本の退色については開館前から懸念されており、茅野市議会でたびたび議論されている[5]。
出典
外部リンク