IBM Client Center(ロンドン ・サウスバンク で)
イングランド指定建造物1級 のHursley House (IBMハーズレイ 開発研究所で)
英国IBM (英語 : IBM United Kingdom Ltd )は、イギリス にあるIBM 社の子会社で、本社はハンプシャー州 のポーツマス にある。数ある国のIBM子会社の中で、国内で営業、保守をしているだけでなく、ドイツIBM と日本IBM と共に、研究・開発・製造の総合力でその国、その地域、および全世界へ好影響を与えてきた。
歴史
ハーマン・ホレリス のパンチカードシステム は、イギリス でも20世紀初頭から広く使われきて、アメリカ合衆国国勢調査局 長官を務めたロバート・ポーターが帰国して1909年にBTM 社(後にパワーズ社Powers も合併してICT となり、さらにICL となり、最終的に富士通 が買収)を設立し[ 1] 、初めC-T-R 社(IBM 社の前身)からのライセンスの機種であったが、後に独自設計の機種がイギリスおよび英連邦 では優勢であった。
こうした状態もあり、英国IBM (IBM United Kingdom)が設立されたのは第二次世界大戦 も終わって、しばらく経った1962年 であった[ 2] 。本社はイギリス最南部のハンプシャー州 のポーツマス にある[ 3] 。
工場
IBMメインフレーム ・コンピューター全盛の時代に英国 には二つの大きな工場があり、国内出荷だけでなく、輸出も広く行われたが、その後閉鎖された。
IBMハヴァント
IBMハヴァント 工場(ハンプシャー州Havant の海岸寄り)は1967年に開設されて、おもにメインフレーム(System/370 、4300 など)、ハードディスクドライブ 、8100 、AS/400 などを生産した。メインフレームの需要が減少するに従って、1994年に閉鎖された[ 4] 。同工場の海岸寄りのグランドを使っていたIBM南ハンプシャー・クリケット ・クラブはその後も場所を他へ移して、IBM社員以外も参加するクラブとして健在である[ 5] 。
IBMグリーノック
IBMグリノック 工場(スコットランド ・グリーノック 近郊のSpango Valley )は1954年に開設されて[ 6] 、初めは電動タイプライター とパンチカードシステム 、次にメインフレーム ・コンピューターの周辺機器(プリンター など)、IBM PC 、さらにノートパソコン を生産しして、一時はスコットランド ではウィスキー の輸出額を上回るような貢献をした[ 7] 。人里離れた所だったので、1978年にはイギリス国鉄 のインヴァークライド線(Inverclyde Line )にIBM鉄道駅 も置かれたほどであった。工場機能は2006年に海外へ移されて、グリーノック市内ではコールセンター などが置かれたが、工場そのものは廃止された。
現在
本社以外に、営業所と保守拠点がロンドン [ 8] やエディンバラ を始め、ケンブリッジ [ 9] 、ブリストル [ 10] 、ベルファスト [ 11] などに置かれている。
IBM Client Centre[ 12] はロンドンにあり、最新のIBMによる技術(データ解析 、クラウドコンピューティング 、ブロックチェーン 、ワトソン 、AI など)を客先へデモしている。
ファイナンス 子会社(IBM United Kingdom Financial Services Ltd)は英国内だけでなく、国際的なサービスを提供している[ 13] 。
研究開発
研究開発はIBMの全世界的な活動の中で、1958年に開設されたIBMハーズレイ (本社からそれほど遠くないハンプシャー州 の歴史的ウィンチェスター 近くのHursley 村)で行われていて、IBM 3279カラー表示装置 、ソフトウェア のGDDM 、Application System(AS)、CICS Transaction Server 、MQ などを開発してきた[ 14] 。
IBM Executive Briefing Centreがここにあり、IBM Hursley Museumもある[ 15] 。
脚注
関連項目
外部リンク