緑川(みどりかわ)は、熊本県中部を流れ有明海の島原湾に注ぐ緑川水系の本流で、一級河川である。
地理
宮崎県境の向坂山(むこうざかやま、標高1684m)及び小川岳(標高1542m)の西麓に発し西流。上流に緑川ダム。甲佐町で北西流、嘉島町南部で熊本平野に出て再び西流へと転じ、宇土半島の北側基部から有明海に注ぐ。
急峻な地形
- 水源から美里町あたりまでは、谷が深く、滝が多く見られる。特に山都町には「矢部四十八滝」とも呼ばれるくらい滝が多い。
- 谷が深いため架橋数が少ない。台地から谷を越えて架かる橋は内大臣橋と鮎の瀬大橋であり、橋から遠い集落に住む人たちは、谷を渡るにはかなり迂回しなければならない。
語源
『肥後国誌』等の古文献によると、「紺碧の水面が美しい川」と清らかな水の流れのイメージから命名された[1]。
植生
- 源流部は九州では珍しく降雪量が多い場所。地形が険しいことから営林署による伐採があまり行われずに、広葉樹林がわずかに残った。
- 秋には見事な紅葉になり、冬場には樹氷も見られる。
流域の自治体
- 熊本県
- 上益城郡山都町、下益城郡美里町、上益城郡甲佐町、御船町、嘉島町、熊本市(南区)、宇土市
支流
- 御船川(みふねがわ)
- 加勢川(かせがわ)、江津湖(えづこ)、緑川と加勢川が並行して流れている熊本市と嘉島町の境付近(熊本県道50号熊本嘉島線の周辺)には、捷水路の開削に伴い、旧河道が三日月湖状に残っている。
- 浜戸川(はまどがわ)
- 天明新川(てんめいしんかわ)
- 笹原川(ささわらかわ/ささわらがわ)、山都町の阿蘇南外輪山・朝日地区川口を水源とする。緑川と合流する手前に、鵜の子の滝群があり、河原には甌穴が発達している。
- 五老ヶ滝川(ごろうがたきがわ)、山都町の阿蘇南外輪山・御所地区を水源とする。浜町市街を流れるため水質が落ちる。通潤橋の下に流れる川であるが、放水される水は上流から採取した笹原川の水である。その後、五老ヶ滝にそそぎ、聖滝下流の笹原川と合流する。
- 千滝川(せんだきがわ)、山都町の阿蘇南外輪山を水源とする。流域は浜町市街を流れ千滝に流れている。
並行する交通
鉄道
かつて緑川中流域、嘉島町から美里町砥用(当時は砥用町)まで熊延鉄道が並行していたが、1964年(昭和39年)3月31日限りで廃止となった。
道路
国道
主要地方道
橋梁
周辺の施設
流域の観光地
脚注
外部リンク
関連項目