竹中大工道具館(たけなかだいくどうぐかん)は、竹中工務店が、兵庫県神戸市中央区に1984年(昭和59年)に開設した企業博物館である[1]。公益財団法人竹中大工道具館が運営している。
大工道具を収集・保存することを目的としている日本唯一の博物館である[1][2]。
1984年(昭和59年)の開館から2014年(平成26年)5月までは神戸市中央区中山手通4にあった旧館で活動していた[1][3]。
開館から30年を経過し、建物の老朽化が進むと共に収蔵庫も手狭になってきたことから[1][2]、JR新神戸駅近い神戸市中央区熊内町7の[1]竹中工務店本社跡地に新築・移転し[2]、2014年(平成26年)10月4日から新館での展示が一般に公開されることになった[1][4][3]。
下記の通り、木造建築に使った道具や、日本の伝統的な木造建築の「木組」などを展示しているが、手に触れることのできるものや原寸大での復元模型なども多く用意して、五感で感じてもらえるような工夫を凝らしている[3]。
縄文時代から昭和までの木造建築に使った道具の実物や複製を年代順に紹介する展示を行っている[1]。
カンナやノミ[4]、ノコギリ[3]、墨掛道具などのほか[3]、石斧や鉄斧なども収集・展示している[3]。
2014年(平成26年)10月の新館移転時点で、約30,500点の資料を収蔵している[2][3]。
釘をほとんど用いずに建築する日本の伝統的な木造建築の「木組」の技術を間近で見られるように展示されている[1]。
そのため、原寸大で再現した展示を行っている[1]。
鎌倉時代の工事現場を描いた絵巻物がタッチパネルに触れることで動き出し、大工道具の使い方を解説する映像の展示もある[2]。
ベテラン宮大工や木工作家が教える形で木工教室などを開催し、木工作業を体験できる[1]。
建物は鉄筋コンクリート造り(一部鉄骨造り)の地上1階・地下2階建てで[3]、延べ床面積は約1,884m2あり[1][2][3]、中山手通にあった旧館の約1.8倍の規模へ拡大している[1]。
中庭に面した土壁は、平らな壁をこてで削って凹凸を付けた「版築壁」と呼ばれるもので、西宮神社などでも用いられている伝統的な技法を、左官職人が手掛けて作り上げたものとなっている[1]。
また、この中庭の表面には江戸時代に使われていた「だるま窯」を復元して焼成した瓦が敷き詰められており、中庭自体も伝統技法を再現したものとなっている[1]。
さらに、大徳寺玉林院にある茶室「蓑庵」を[3]模した茶室棟「一滴庵」も作られている[2]。
その他にも、漆喰や奈良県産の杉材なども用いているなど、施設の建造物そのものも復元した資料のような形になっている[4]。
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