本堂
明月院(めいげついん)は、神奈川県鎌倉市山ノ内にある臨済宗建長寺派の寺院。正式には福源山明月院(ふくげんざめいげついん)と号する。紫陽花の名所として知られ、あじさい寺としても知られている[2]。平安時代後期、山内俊通の供養のために創建された明月庵が始まり。本尊は聖観音、開基(創立者)は上杉憲方、開山(初代住職)は密室守厳(みっしつしゅごん)である[3]。伝・北条時頼の墓所が境内にある[4]。
山内上杉家の祖、関東管領・上杉憲方は密室守厳を開山として、明月院を開創した。憲方の没年は応永元年(1269年)で、それ以前の開創である。
なお、寺伝では、平治の乱で没した山内首藤俊通(やまうちすどうとしみち)の菩提のため、永暦元年(1160年)、その子の経俊が「明月庵」を建立したのが草創とされ、憲方は中興者とされているが、実際の開基は憲方とみるのが通説である。
明月院は、禅興寺という寺の塔頭であったが、本体の禅興寺は明治初年頃に廃絶し、明月院のみが残っている[5]。
禅興寺の起源は鎌倉幕府5代執権・北条時頼にまで遡る。時頼は別邸に持仏堂を造営し、最明寺と名付けたが、時頼の死後は廃絶していた。時頼の息子の北条時宗は蘭渓道隆を開山としてこれを再興し、禅興寺と改名した。
現在は、「紫陽花寺」として有名で、花のシーズンにはたいへんな混雑をみせる。この寺で紫陽花を植えたのはさほど古い事ではなく、第二次世界大戦後に、物資や人手が不足して参道を整備する杭が足らず、杭の代わりに「手入れが比較的楽だから」という理由で、紫陽花を植えたものが次第に有名になったという。紫陽花の他にも1年中花が絶えず、紅葉でも知られる。他に冬は蝋梅、春は梅と桜が咲く。 こうした美しい花を堪能できる他、枯山水庭園や丸窓、明月院やぐらも楽しめる。特に本堂(紫陽殿)に設けられた「悟りの窓」と呼ばれる方丈内の円窓から見る景色は鎌倉を代表する絶景で、四季の美しさを丸い額に入った絵画のように切り取って鑑賞することができる[6]。
あじさい寺として知られ、境内に数千本の淡い青いあじさいがあり、明月院ブルーともいわれる。またあじさい以外にも、四季にわたり多くの花が植えられている[4]。明月院境内全域が国の史跡に指定されている。
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