中原 信生 (なかはら のぶお[ 1] 、1933年- [ 2] [ 3] )は、日本の建築設備学者で名古屋大学 名誉教授 [1] [2] 。NPO法人建築設備コミッショニング協会名誉理事長 [3] [ 4] 。協会の設立に尽力(2004年)し分野の継続的な普及・啓蒙活動および人材育成に努める。ほか日本建築学会理事・東海支部長、終身正会員 [4] 。空気調和・衛生工学会理事をはじめ、旧建設省建築技術審査会委員、通商産業省・経済産業省総合エネルギー調査会(省エネルギー部会)臨時委員、旧文部省学術審議会専門委員を歴任するなど、多くの要職を務めた[ 5] 。
経歴
1957年、東京大学工学部 建築学科を卒業し、大林組 本店入社。建築部設備課に配属し1970年、同社東京本社建築本部設備部計画課長・設計課長、1977年同社東京本社建築本部設備部長付。大阪大林ビル(北浜 NEXU BUILD 、1973年)の建築設備において日本初の本格的な最適化制御を導入、熱負荷計算法、空気分布・清浄、空気搬送、ビル管理、故障検知などの諸問題の解決に取組んでいる。これら豊富な実務経験をもとにした省エネルギー設計、最適運転管理・制御、性能評価等に関する多くの業績が日本の建築設備の設計理念・手法の礎を成すものとなっていく[ 5] 。
1978年に大林組を退職し、名古屋大学工学部 建築学科教授に。1983年より30年以上にわたり清華大学 、同済大学 といった中国の主要大学や中国建築科学研究院との交流を深め、多くの中国人研究者、技術者を育成する[ 5] 。1987年、日本のIEA/ECBCS (EnergyConservation in Buildings and Community Systems ) の実施協定参加を機に[ 6] 、エネルギーマネジメントなどで日本代表として参画、建築設備の設計・運用・制御の最適化や設備コミッショニング(性能検証)の国際展開を主導。1996年、名古屋大学を定年退官。
神奈川大学 工学部建築学科特任教授。環境システック中原研究処代表[ 7] [ 8] 。2000年、神奈川大学退職[ 9] 。
著書に『空調システムの最適設計』[5] [ 10] (名古屋大学出版会)『新建築学大系 27 設備計画』[ 11] 『ビル・建築設備の省エネルギ-―設計・管理技術の基礎から応用まで』[6] [ 9] [ 12] など。
2016年日本建築学会賞 大賞受賞。日本建築学会賞は業績(「空気調和設備のコンピュータコントロールシステムによる高品質制御と省エネルギー化」1976 年)と論文(「空気調和・熱源システムの設計・制御の最適化に関する一連の研究」1994 年)をはじめ、ASHRAE International Best Paper Award、空気調和・衛生工学会賞(業績、論文、功績)、同特別賞(十年賞、リニューアル賞)、太陽エネルギー学会論文賞などを受賞している[ 5] 。
脚注
外部リンク