メル・ギブソン (Mel Gibson, 本名:Mel Colm-Cille Gerard Gibson, 1956年 1月3日 - )は、アメリカ合衆国 とオーストラリア の映画俳優 、映画監督 、脚本家 、映画プロデューサー 。身長177センチメートル。ニューヨーク州 ピークスキル 生まれ。
経歴
アメリカ生まれだが、父親の事業の失敗で1968年 に家族でオーストラリア に移住した。11人兄弟で育つ。ジェフリー・ラッシュ とは大学時代のルームメイトだという。ジュディ・デイヴィス らと共にオーストラリア国立演劇学院 で学び、1979年 にアクション映画『マッドマックス 』の主役で脚光を浴びスターの座をつかんだ。
1985年
オーストラリア映画で活躍した後、1982年 にアメリカ映画初出演。『リーサル・ウェポン 』シリーズなどで人気を確たるものにした。監督業にも乗り出しており、1995年 の『ブレイブハート 』でアカデミー監督賞 を受賞。2004年 には、私財30億円を投じてイエス・キリスト の最期を描いた『パッション 』を製作。作品への評価は賛否が分かれたが、興行的には空前の大ヒットとなった。
しかし、2010年 7月、下記の恋人に対するDV 騒動によりハリウッド大手の「ウィリアム・モリス・エンデヴァー・エンターテイメント(WME)」はメルの代理人業を辞めることを発表。また、この影響で予定されていた『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える 』への出演が中止になった[ 1] 。
人物
歴史スペクタクルを監督する際は、あまり知られていない役者を起用し、当時使われていた言語や衣装、時代考察に徹底的にこだわって制作をすることで知られるが、そのこだわりは歴史的リアリティよりも彼の個人的なイデオロギー を表現することに注がれる。そのため、『アポカリプト 』を製作した際は、マヤ文明 の研究家や関係者から激しい非難を受けた。
私生活
資産・金銭
2010年 12月、BANG Media Internationalによると、プライバシーが足りないとの理由からコスタリカ に所有している豪邸 を3,500万ドル(日本円で約28億7,000万円)で売りに出した。メルが所有している500エーカー(約61万2,000坪)の土地にはスタッフが常駐しており、ベッドルームが7部屋ある母屋のほか、2ベッドルームの家が2軒ある。それぞれの建物にはプライベート・プールが完備されており、ジャングルに囲まれた土地は一部ビーチにも面しているためバケーションには最適だったが、最近はパパラッチ がコスタリカまでついてくるようになったという。この土地は2007年に2,580万ドル(約21億1,560万円)で購入した土地で不動産エージェントは「当初は保養地として購入したのですが、最近ではパパラッチが追ってくるようになってしまったんです」とコメントしている。メルはこの家以外にもマリブ の邸宅を1,450万ドル(約11億8,900万円)で6月に売りに出している[ 11] 。
『パッション』に関する論議
教皇空位論 (ラテン語版 ) (第2バチカン公会議 以降の教皇 を教皇として認めない立場)を信奉する、超伝統主義カトリック教徒としても知られ、その信仰の篤さは自宅近くの丘にチャペルを建設してしまったほどである。2004年2月公開の『パッション 』(日本公開は2004年5月)では、イエス・キリスト の処刑までの12時間をリアルに描いて物議を醸した。
出演作品
映画
テレビ・配信
年
題名
役名
備考
吹替
1976-1983
The Sullivans
Ray Henderson
計4話出演
—
1977-1984
Cop Shop
Peter Lang
計2話出演
—
1989
サタデー・ナイト・ライブ Saturday Night Live
ホスト
「Mel Gibson / Living Colour 」
1999
ザ・シンプソンズ The Simpsons
本人役
声の出演 第11シーズン第1話「メル・ギブソンを100倍スターにする方法」
大塚芳忠
2004-2005
Complete Savages
Officer Cox
兼監督・製作総指揮
—
2023
ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界から The Continental: From the World of John Wick
コーマック
ミニシリーズ
磯部勉
受賞
日本語吹き替え
磯部勉
『エア・アメリカ 』(日本テレビ 版)で初担当。以降、ギブソンの専属(フィックス )として大半の出演作で吹き替えを務めるようになり[ 15] [ 16] [ 17] 、「ギブソンの吹き替えでお馴染みの磯部」「ギブソンと共に歩んできた男」 と評されるほどに定着した[ 18] [ 19] 。
ギブソンの代表作である『リーサル・ウェポン 』シリーズの主人公、マーティン・リッグス役は全作品を担当し、同シリーズのテレビ朝日版では池田勝 (同じくダニー・グローヴァー の吹き替えを数多く担当)との掛け合いをマシンガントークで演じ[ 20] [ 21] 、『ハート・オブ・ウーマン 』(日本テレビ版)、『ブラッド・ファーザー 』、『キック・オーバー 』などにおけるコミカルな役まで吹き替えを行った。
磯部はギブソンを吹き替えることについて、特に『リーサル・ウェポン』シリーズに関しては、スピード感と緊張感に満ちた作品であることから、セリフを言うたびに目の前に星がちらつくこともあったといい[ 20] 、「これまで、彼(ギブソン)の激しい感じを出す事を意識していて、激しくしゃべりすぎて酸欠になった事もあった。だけど、長年吹き替えをやってきて、次第に、どこで息継ぎをするのか等クセが分かってきた」と一体感を覚えるようになったと語り、ギブソンの演技についても「やっぱり彼は、こういった荒ぶる男の役が似合うと思う。60過ぎで、自分より少し年下だけど、あのたくましさはやはりすごいね」と感嘆している[ 22] 。
後年のインタビューによると磯部は、「メル・ギブソンだったらこの声というのはない」としつつも、多くの作品で吹き替えを務めている中でギブソンの芝居のリズムや呼吸などを予測できるようになる感覚があったといい、セリフを喋るトーンや間合いなども長年に渡って吹き替えているうちに自然と掴めるようになり、現在では特徴を捉えることが出来たため演じやすくなったと話している[ 23] 。
先述の『ブラッド・ファーザー』では予告編のナレーションを担当しており、「今回は彼の映画のナレーションをするのは初めてだけど、ずっと吹替をやってきた人のナレーションが出来るのは光栄だね」と感慨深げに述べ、長年ギブソンの吹き替えを担当している磯部ならではの愛着を見せるコメントをしている[ 22] 。
ギブソンの代表作の一つである『マッドマックス 』シリーズに関しても、BSジャパン にて磯部による新録吹替が企画されたことがあったものの、実現しなかった。これは同時期に後述の安原による新録が既に行われていたためである[ 24] 。
また、2024年(令和6年)度前期放送のNHK「連続テレビ小説 」第110作『虎に翼 』に磯部がサプライズ出演した際には、これまでの磯部の実績も相まって「ウルトラマン (古谷敏 )を弁護するメル・ギブソン」などとネット上で話題を集めた[ 25] 。
その他の担当声優
安原義人
『マッドマックス 』(日本テレビ版)で初担当。同シリーズをはじめとして、主にデビュー初期の作品のソフト版を担当し、磯部の次に多く吹き替えている。
『マッドマックス』シリーズのギブソン演ずるマックス・ロカタンスキー役は当初、第1作のみの担当となっていたが、『マッドマックス トリロジー スーパーチャージャー・エディション ブルーレイ版 スチールブック仕様』の発売時には2・3作目にも安原を迎えたスーパーチャージャー版が新規製作・収録された。
安原はギブソンを「意外にチャーミングな一面のある、面白みのある俳優」と評しており[ 26] 、吹き替えを務めていた当時のギブソンについて「表情が他の役者とはちょっと違うんですよね。追い詰められた小動物みたいな目つきをしてるでしょう。そこが、不思議な役者だと思いましたね」と述べている[ 12] 。
特番『ふきカエ ゴールデン・エイジ』後編で安原自身はギブソンについて「(ギブソンは)コメディなら自分も合う」と話しており、全般的には磯部の方が適任であると考えているという。なお、『パトリオット 』(テレビ東京 版)ではチェッキー・カリョ の吹き替えを担当し、磯部演ずるギブソンと共演した[ 27] [ 28] 。
このほかにも、鈴置洋孝 、山寺宏一 、菅生隆之 、小山力也 、小川真司 、大塚明夫 、さかき孝輔 、青山穣 なども複数回、声を当てたことがある。
脚注
^ “メル・ギブソン、映画界復帰は絶望的!『ハングオーバー2』への出演はナシ!キャストが大反対!” . シネマトゥデイ. (2010年10月22日). https://www.cinematoday.jp/news/N0027805 2013年3月1日 閲覧。
^ “メル・ギブソン、2006年に別居した28年連れ添った妻との離婚がようやく成立” . シネマトゥデイ. (2011年12月24日). https://www.cinematoday.jp/news/N0038082 2013年3月1日 閲覧。
^ “メル・ギブソン和解金減額 元恋人DV喋っちゃった ”. 日刊スポーツ (2016年8月12日). 2022年8月26日 閲覧。
^ “メル・ギブソン、暴言テープ流出!「黒人集団にレイプされてもお前自身の責任だ」元恋人オクサナを脅す” . シネマトゥデイ. (2010年7月4日). https://www.cinematoday.jp/news/N0025402 2013年3月1日 閲覧。
^ “メル・ギブソンのDV事件、泥沼劇はいよいよ佳境へ” . シネマトゥデイ. (2010年8月20日). https://www.cinematoday.jp/news/N0026338 2013年3月1日 閲覧。
^ “メル・ギブソン、逮捕時にユダヤ人を差別する発言” . シネマトゥデイ. (2006年8月2日). https://www.cinematoday.jp/news/N0008799 2013年3月1日 閲覧。
^ “メル・ギブソン、4月にコロナ感染で入院していた - ハリウッド : 日刊スポーツ ”. nikkansports.com . 2020年10月21日 閲覧。
^ [1]
^ 千歳香奈子 (2024年10月28日). “メル・ギブソン、トランプ氏支持を表明 ハリス氏をこき下ろす「彼女のIQは…」 ”. 日刊スポーツ . 2024年11月7日 閲覧。
^ “「トランプ支持」を貫いたハリウッド俳優たち “ハリス旋風”が席捲した業界で何を訴えていたのか ”. 週刊新潮 . p. 2 (2024年11月7日). 2024年11月7日 閲覧。
^ “メル・ギブソンが約28億円の豪邸を売りに出す!仕事を干されてお金がない?” . シネマトゥデイ. (2010年12月26日). https://www.cinematoday.jp/news/N0029246 2013年3月1日 閲覧。
^ a b c d e f g “DCプロジェクト スペシャルパッケージ | ワーナー・ブラザース ”. マッドマックス トリロジースーパーチャージャー・エディション 6.17リリース . 2020年9月26日 閲覧。
^ “チキンラン ”. db2.nbcuni.co.jp . 2020年9月26日 閲覧。
^ “『エクスペンダブルズ3』最強日本語吹替え声優陣が発表!|ニュース|映画情報のぴあ映画生活(1ページ) ”. ぴあ映画生活 . 2020年9月26日 閲覧。
^ “007 TV吹替初収録 特別版DVDシリーズ 第十一回007 TV吹替声優紹介〜第四期 悪役・脇役〜 ”. 2023年10月2日 閲覧。
^ “「エクスペンダブルズ3」だからこそ実現!BD&DVD日本語吹き替え版に大御所声優が結集” . 映画.com (映画.com速報). (2015年2月23日). https://eiga.com/news/20150223/24/ 2023年2月26日 閲覧。
^ “ささきいさお、「このメンバーの吹替え版は貴重!」 『エクスペ3』“最強”日本語吹替え版お披露目” . シネマカフェ (イード). (2015年3月5日). http://www.cinemacafe.net/article/2015/03/05/29846.html 2017年5月15日 閲覧。
^ “『ジョン・ウィック』前日譚ドラマ、新作映画と同日に配信決定!諏訪部順一、磯部勉ら日本版声優発表” . シネマトゥデイ . (2023年8月28日). https://www.cinematoday.jp/news/N0138705 2023年8月28日 閲覧。
^ “メル・ギブソン、荒野に堂々復活!『ブラッド・ファーザー』日本版予告編解禁 ” (2017年3月17日). 2023年10月11日 閲覧。
^ a b “ドラマ版『リーサル・ウェポン』、映画版でリッグスを演じた磯部勉さんが今度はマータフ役に! ”. 海外ドラマNAVI. November 07, 2023 閲覧。
^ “アクションだけじゃない!津田健次郎&磯部勉が明かす『リーサル・ウェポン』の魅力とは” . クランクイン. (2018年4月8日). https://www.crank-in.net/interview/55250/1 2018年4月12日 閲覧。
^ a b “メル・ギブソンが娘を守るために大奮闘 『ブラッド・ファーザー』アクション満載の予告編 ” (2017年3月17日). 2023年6月25日 閲覧。
^ “声優・磯部勉、「超音速ヘリ・エアーウルフ」は初めてのシリーズもの 「本物に乗れなかったのが唯一心残りなことですね(笑)」 ”. WEBザテレビジョン. September 08, 2024 閲覧。
^ “ダークボのふきカエ偏愛録 ” (2015年6月1日). 2023年8月17日 閲覧。
^ “朝ドラ「虎に翼」磯部勉サプライズ出演!「ハリソン・フォードが目に浮かぶ」「ウルトラマンを弁護するメル・ギブソン」 ” (2024年4月30日). 2024年7月9日 閲覧。
^ “『マッドマックス 怒りのデス・ロード[ザ・シネマ新録版]』 安原義人インタビュー” . ふきカエル. (2019年7月18日). https://www.fukikaekingdom.com/post-12157/ 2023年10月19日 閲覧。
^ ダークボのツイート(2017年8月13日)
^ ダークボのツイート(2011年10月12日)
外部リンク
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