『スマイル 』(Smile )は、ニューヨーク出身のシンガー、ソングライター、ピアニストであるローラ・ニーロ による6枚目のアルバムであり、1976年の初めにリリースされた。音楽業界から離れて居た4年間に結婚と離婚を経験し、スポットライトから離れて暮らしていた。アルバムは母親に捧げられている。
『スマイル』の音楽はスムースなジャズ - ポップとなっている。また、『イーライと13番目の懺悔』(1968年) でともに作業したプロデューサー兼アレンジャーのチャーリー・カレロ と再びコンビを組んでいる。
『スマイル』ではニーロが東洋の伝統的な楽器と歌詞における暗喩によって中国文化 を探求していることが(特にマイルドな論争となった"Children of the Junks"において)見受けられる。それ以外にも音楽業界への反発("Money")や、メディアのまぶしさから離れて彼女の新しいのんびりしたライフスタイルを歌っている。
彼女の長い不在にもかかわらず、コロムビア・レコード はニーロと再契約し、このアルバムはヒットチャート上での小さな成功を収め、1976年のビルボード 200 では60位につけた。1976年に彼女の最初のフルバンドツアーを実施し、ツアーの録音からライブアルバム『光の季節』 がリリースされた。
概要
ニーロは1966年から1971年にかけて創造性を爆発的に爆発させ、好評を得た5枚のアルバムと40曲以上のオリジナル曲を録音した後に脚光を浴びながらも愛情生活に惹きつけられるように引退した。
つむじ風のようなロマンスを経て、1972年にベトナム戦争の 復員兵デビッド・ビアンキと結婚し、その後の3年間をマサチューセッツ州 の小さな町で共に過ごした。3年の経過後、結婚生活は終わりを迎えたが、その間に5枚のアルバムを生み出した都市生活とは対照的な田舎暮らしに慣れ親しんだ。
1975年にビアンキと別れるとともに、49歳の母親ギルダを卵巣癌 で無くすことで精神的なトラウマを負うことになった。ローラ自身も20年後に母親と同じ年齢で同じ病に倒れることになる。
この年、『イーライと13番目の懺悔』 を共同プロデュースしたチャーリー・カレロ とともに新しいアルバムをレコーディングすることに慰めを見出した。
音楽的には、『スマイル』からニーロの残りのキャリアーのスタジオアルバムに見られる"mellow period"が始まった。
この時期、ニーロは様々なエキゾチックな楽器や編曲に魅了されていた。
特にタイトルトラックでは中国音楽との深い関わり合いが探求されている。
「チルドレン・オブ・ザ・ジャンクス」や「アイ・アム・ザ・ブルース」などのいくつかの楽曲は1971年と1972年に書かれてコンサートで歌っていたものであり、後にこのアルバムに収められた。
トラックリスト
示されている場合を除き、すべてのトラックはLaura Nyro による。
「セクシー・ママ (Sexy Mama)」(アル・グッドマン、 シルビア・ロビンソン 、ハリー・レイ)-2:41
「ジャンクの子供たち (Children of the Junks)」-2:49
「マネー (Money)」-4:59
「私はブルース (I am the Blues)」-5:44
「嵐の恋 (Stormy Love)」-4:29
「ネコの歌 (The Cat Song)」-2:34
「ミドナイト・ブルー (Midnite Blue)」-3:05
「スマイル (Smile)」-5:36
ボーナストラック付きの日本リマスター版
「セクシー・ママ (Sexy Mama)」-2:41
「ジャンクの子供たち (Children of the Junks)」-2:49
「マネー (Money)」-4:59
「私はブルース (I am the Blues)」-5:44
「嵐の恋 (Stormy Love)」-4:29
「ネコの歌 (The Cat Song)」-2:34
「ミドナイト・ブルー (Midnite Blue)」-3:05
「スマイル (Smile)」-5:36
「サムワン・ラヴズ・ユー (Someone Loves You)」(デモ)(ボーナストラック)
「ゲット・ミ―・マイ・キャップ (Get Me My Cap)」(デモ)(ボーナストラック)
「コーヒー・モーニング (Coffee Morning)」(デモ)(ボーナストラック)
パーソネル
ローラ・ニーロ - ボーカル、ピアノ、ギター、ウッドブロック
ジョン・トロペア、ヒュー・マックラッケン 、ジョー・ベック、ジェフ・ミロノフ、ジェリー・フリードマン、グレッグ・ベネット - ギター
ウィル・リー 、リチャード・デイビス、ボブ・バビット - ベース
クリス・パーカー 、アラン・シュワルツバーグ、リック・マロッタ - ドラムス
ジミーメーレン - タンバリン、ウッドブロック
ニディア・マータ 、カーター・CC・コリンズ - コンガ
ルーベンス・バッシーニ - シェーカー
デビッド・フリードマン - ビブラフォン
ジョー・ファレル 、 マイケル・ブレッカー 、ジョージ・ヤング - サックス
ランディ・ブレッカー - トランペット
ポール・メッシング - トライアングル
ニサコ・ヨシダ、レイコ・カモタ - 琴
テクニカル
ドン・パルス、ティム・ジーラン - エンジニア
ジェイ・メッシーナ、ルー・ワックスマン、スタントン・ケル - アシスタントエンジニア
エド・リー - アートワーク
パティ・ニューポート - 写真
脚注
参照資料
Michele Kortの伝記Soul Picnic:The Music and Passion of Laura Nyro ( ISBN 0-312-20941-X )
外部リンク
スタジオ・アルバム ライブ・アルバム
『光の季節 』Season of Lights (1977)
『ライヴ・アット・ザ・ボトム・ライン 』Laura: Live at the Bottom Line (1989)
『ライヴ・フロム・マウンテン・ステージ 』Live from Mountain Stage (2000)
『ライヴ!ザ・ルームズ・ディザイアー ファイナル・コンサート・アット・ニューヨーク1993,1994』 Live: The Loom's Desire (2002)
『ライヴ・イン・ジャパン1994』 Live in Japan (2003)
Spread Your Wings and Fly: Live at the Fillmore East (2004)
Live at Carnegie Hall: The Classic 1976 Radio Broadcast (2013)
コンピレーション 主要曲 関連事項