この項目では、アメリカ合衆国のジョージア州にある州立大学について説明しています。南コーカサスにあるジョージア国の公立大学については「ジョージア技術大学 」をご覧ください。
Tech Tower
Georgia Tech CRC Front
Center Street South
G. Wayne Clough Learning Commons
シェラー・ビジネススクール(Scheller College of Business)
ジョージア工科大学 (ジョージアこうかだいがく、英語 : Georgia Institute of Technology )は、ジョージア州 アトランタ に本部を置くアメリカ合衆国の州立大学 。1885年に設置された。Georgia Tech (ジョージアテック)、GATech 、GT と略される。工学 系は、全米TOP3で国際的に名高い。シェラー・ビジネススクール ( Scheller College of Business ) は、全米TOP30(公立大学ではTOP10、工科大学ではMIT に次いで2位)となっている。
全米屈指の超名門校であり、工科系大学の最難関クラス に位置している。米国州立大学ランキングで総合5位、THE世界大学ランキング 2023では世界38位、工学 の分野では世界で7位で, コンピューター科学 では、世界で8位の米国の工学のほぼ全ての分野において常に5位前後にランクされている世界屈指のエリート名門大学の1つ[ 6] 。「南部のMIT 」 (MIT of the South)と呼ばれ、米国工科大学の御三家 (北東のマサチューセッツ工科大学 MIT、西のカリフォルニア工科大学 Caltech、南のジョージア工科大学Georgia Tech) の1つとされている[ 7] [ 8] [ 9] 。
ジョージア州 、アトランタ 市の西に広がる400エーカー (1.61平方キロメートル)のキャンパスに、1万7千名強の大学生・大学院生を擁している[ 10] 。
沿革
世界を代表する工科大学の一つ。アメリカ合衆国南部 の産業革命 の原点として、1885年 10月13日にGeorgia School of Technology として創立[ 11] [ 12] 。
ジョージア州 議会 の助言により、教育方針にはマサチューセッツ工科大学 と共に、ウースターモデルを取り入れた。同校は理論と実践を重要視し、学生の技術力と応用力を向上させるため、20世紀 には商品開発及び製造を行う会社としても運営されていた。尚、会社の運営は学生たちに任されており、収益は大学の運営に使われていた[ 11] [ 13] 。
1934年 にジョージアテック・リサーチ・インスティテュート(Georgia Tech Research Institute ) がアメリカ軍の研究機関としてジョージア工科大学に創立された。ジョージアテック研究所では主に戦闘機、防衛システム、経済、公衆衛生、ロボットなどの研究が行われている[ 14] 。
1948年 にGeorgia Institute of Technology に名称変更し、科学・技術により力を入れる工科大学件、研究機関になった。
21世紀 になった今も世界で有力な工科大学のひとつである。2009年 からジョージ・ピーターソンが、そして2019年 からはエンジェラ・カブレラが学長を務めている[ 15] 。
学問分野
同校のモットーは「進歩と奉仕」("Progress and Service" )。
入学難易度において、SAT の平均点ではカリフォルニア大学バークレー校 を抜いて州立大学第1位となっている[ 16] 。近年では人気が高まり、入学倍率は連続8年間上昇し続けており、2019年の合格率はわずか18.8%である。同校の一年次入学生の平均GPA は4.07( 4.00 を満点とするスケール換算)、高校在学時の学年順位で上位10%内に位置していた学生の数が全体の95%を占める。また、高校在学時に大学の授業を受けていた生徒の数が全体の99%を占める。大学への入学審査では、将来性と研究 、社会活動、インターンシップ などの課外活動が特に重要視されている[ 17] 。
学部では、工学部、建築学部、経営学部、リベラルアーツ学部、理学部、計算機科学部、大学院では工学研究科、建築学研究科、経営学研究科、リベラルアーツ研究科、理学研究科、計算機科学研究科などがある。同じくアトランタに位置している私学名門エモリー大学 と共同でMD-PhD プログラムを提供している。同校は工学部とコンピューターサイエンス に特に力を入れており、工学部は全米4位、世界では9位、計算機科学は全米8位、世界では16位に位置づけられている(詳細はランキング項を参照)[ 18] [ 19] 。
同校は学問において学生の技術力と応用力を何よりも大切にし、授業にプロジェクト・ベースド・ラーニング を取り入れている。米国で最大のハッカースペース を備えていて、運営を全て学生に任せている。同校のハッカースペースの中で特に有名なのは数億円の資金を所有している機械工学のインベンション・スタジオ、テキサス・インスツルメンツ 社が主なスポンサーとなっている電気工学のハイブ、走査型電子顕微鏡 やフーリエ変換赤外分光光度計 などの専門的な器具が置かれている材料工学のミルなどであろう。尚、学生たちはこれらのハッカースペースを無料で使うことができる[ 20] [ 21] [ 22] 。
同校は大学生に大学院生や教授と共に研究することを非常に推奨している。大学一年生から研究を始める学生の数が全体の76%を占める。研究資金は大方、アメリカ政府 や大手企業から受け取っている[ 23] [ 24] 。
同校は米国で最も就職率が高い大学の一つとして知られており、コーオプ ・プログラムは全米で5位にランキングされている。卒業生のボーナス前の平均新卒年収は$72,000(約770万円)で平均年収は$150,000(約1600万円)である[ 25] 。卒業生の中で最も著名なのは、合衆国第39代大統領でありノーベル平和賞受賞者でもあるジミー・カーター であろう。他にも歴代の宇宙飛行士やNASA関係者、Coca ColaのCEO、AT&TのCEO、アップルの元CEOをはじめ、財界にも有力な卒業生が数多く存在する。
主要大学ランキング
世界有数の名門工科大学の1つであり、過去25年間において常に世界で上位40位内にランキングされている。なお、同様の名門工科系大学であるマサチューセッツ工科大学 、カリフォルニア工科大学 等が私立大学であるのに対し、同校は州立大学である。
主要世界大学ランキング(2020)
[ 18]
THE世界大学総合ランキング : 第38位
世界評判ランキング:第44位
世界工学ランキング:第9位
世界CSランキング:第16位
世界経営学ランキング:第71位
Forbes世界大学総合ランキング: 第34位
特許数ランキング:第32位[ 19]
主要全米大学ランキング(2020)
[ 19]
US NEWS 全米大学総合ランキング:第29位
US NEWS 全米州立大学ランキング: 第5位
US NEWS主要学部別ランキング(2020)
US NEWS主要大学院学部別ランキング(2020)
スポーツ
Buzz, the mascot
Georgia Tech Yellow Jacket Marching Band(Marching Yellow Jackets)
学業のみならず、アメフト、野球、バスケを始めとしたスポーツが非常に盛んな大学であり、大リーグ 、NBA 、NFL に数々の卒業生を送り込んでいる。同校のスポーツチームはイエロージャケッツ と呼ばれており、応援バンドはマーチング・イエロージャケッツ (Marching Yellow Jackets)として知られる。マスコットは、イエロージャケットを着たBuzz(スズメバチ )。1996年アトランタオリンピック ではキャンパスが競技場および選手村として使用された。
姉妹校
著名な卒業生
政治家
学者・発明者
キャリー・マリス (化学者。1993年ノーベル化学賞 受賞。PCR法を発明)
アンソニー・アルジェンゴ (化学者。カルベン 、反応性の無さを発見)
ハリー・ヴォーガン(ジョージアテック・リサーチ・インスティテュートの創立者)
ポール・キャラウェイ(化学者。ジョージアテック・リサーチ・インスティテュートのディレクター)
ワット・ウィトリー(化学者。ジョージアテック・リサーチ・インスティテュートのディレクター)
ジョー・ブルックス(電気工学者。ジョージアテック・リサーチ・インスティテュートのディレクター)
ワレス・コールター(電気工学者。コールターカウンター 発明者)
ビジネス
教育者
NASA宇宙飛行士、航空・宇宙関係者
ジョージア工科大学出身の歴代宇宙飛行士の数は、日本出身の歴代宇宙飛行士の数よりも多い。[ 26]
アスリート
デザイン
日本との関係
日本の企業との産学協同にも積極的で、1984年 に総合商社・日商岩井株式会社 (現・双日株式会社 )と提携し、日本への技術ライセンスや製品提供を実施した。
また、ビルや橋梁などの構造物の構造解析 を行なうためのソフトウェアGTSTRUDLは、日本でも多くの企業で使用されている。GTはGeorgia Techを示す。人工知能技術を応用したエキスパートシステムを構築するためのソフトウェアBUZZも、いくつかの日本企業に導入された。
日本の学生交流協定校
脚注
外部リンク