ザウバー・C32 (Sauber C32) は、ザウバーが2013年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー。
概要
C32の大きな特徴は、横幅の狭いサイドポンツーンである。デザイナーのマット・モリスは、2011年モナコGP予選でセルジオ・ペレスが横向きでバリアに激突した際、潰れたサイドポンツーンを見たことがヒントになったと述べ、「大胆なデザインだが、我々はかなり自信を持っている」と語っている[1]。内部にはラジエーターなどがタイトに収納されているが、テスト段階では冷却機能に支障はないという[2]。
ノーズの段差部分に関しては、ショルダー部分を前後滑らかに繋げ、中央部分に段差を残す処理とした。また、C31と同様にノーズコーンとモノコックの境目にスリットを設けている。ノーズ下から吸い込んだ気流をこのスリットから放出することで、ノーズ上下面の気流を改善していると見られる[3]。
車体後部の排気系レイアウトは、ザウバーオリジナルの傾斜型を廃止して、マクラーレンタイプのバルジ型に変更した。
カラーリングは前年までの配色から白い部分を減らし、グレーを基調とするデザインへ一新された。
スペック
ソース[4][5]
シャシー
- シャシー カーボンファイバー製モノコック
- フロントサスペンション ダブルウィッシュボーン インボードスプリングおよびダンパーによるプッシュロッド式(ザックス・レース・エンジニアリングおよびペンスキー製)
- リアサスペンション ダブルウィッシュボーン インボードスプリングおよびダンパーによるプルロッド式(ザックス・レース・エンジニアリングおよびペンスキー製)
- ブレーキ ブレンボ 6ピストン・ブレーキキャリパー カーボンファイバー製ブレーキパッドおよびディスク
- トランスミッション フェラーリ 7速クイックシフト・カーボンギアボックス 縦置き カーボンファイバー製クラッチ
- シャシー電子機器 MES
- KERS フェラーリ
- ステアリングホイール ザウバーF1チーム
- タイヤ ピレリ P Zero
- ホイール O・Z
エンジン
- エンジン フェラーリ 056
- 排気量 2,398 cc
- 型式 自然吸気 V8エンジン
- バンク角 90°
- エンジンブロック 砂型鋳造アルミニウム製
- ボア径 98 mm
- バルブ数 32
- バルブ駆動 ニューマチック
- 噴射および点火 電子制御
- 重量 95 kg以上
サイズ
- 全長 5,240 mm
- 全幅 1,800 mm
- 全高 1,000 mm
- フロントトレッド 1,495 mm
- リアトレッド 1,410 mm
- 重量 640 kg(ドライバーを含む、空タンク時)
記録
脚注