市内はいくつかの地域に分けられているが、その境界ははっきりと定義されているわけではない。主として、住宅地域ごとにわかれているもので、南側ではディリマン (Diliman) 、コモンウェルス (Commonwealth) 、プロジェクトエリア (The Project Areas) 、クバオ (Cubao) 、カミアス (Kamias) 、カムニン (Kamuning) 、ニューマニラ (New Manila) 、サン・フランシスコ・デル・モンテ (San Francisco del Monte) 、そしてサンタメサハイツ (Sta. Mesa Heights) が含まれている。また、北側には、ノバリチェス地域 (Novaliches) があり、これにはフェアビュー (Fairview) とラグロ (Lagro) が含まれている。
住宅区画/地区
ディリマン (Diliman)
市の南部中心に位置するディリマン (Diliman) 地区は、市庁舎を含む、多くの官庁が所在しているところである。また、ディリマン地区はフィリピン大学のメインキャンパスの所在地でもある。さらに、15ヘクタールのキャンパスを持つ極東工科大学(Far Eastern University's Institute of Technology:現在のFEU-FERN大学)は、ディリマン地区の中心部に位置している。
ロドリゲス通り(E. Rodriguez Jr. Avenue(C-5))沿いのこの地域には「イーストウッドシティビジネスセンター(The Eastwood City Business Center)」がある。ここにはいくつかの高層ビルが立ち並び、多くのIT企業や家電企業が入居しており、高層住宅もある。
ティモッグ通り(Southアベニュー)、エドサ通りとケソン通り(Quezon Avenue(R-7))に囲まれた、通称「南部三角域(The South Triangle)」には、フィリピンを代表するテレビ局の「ABS-CBN(CH2)」と「GMAネットワーク(CH7)」の本社が所在している。
フィリピンのエンターテインメントショーの発信地区となっており、同時に芸能人や有名人の居住地区にもなっている。
ケソン北部には、「カローカン市」、「バレンズエラ市」および、ブラカン州の「サン・ホセ・デル・モンティ市(San Jose del Monte City)」、リサール州の「モンタルバン(Montalban)」に接する、「ノバリチェス(Novaliches)」地区および「フェアビュー(Fairview)」地区があり、主として住宅となっている。さらに、東部には、首都圏北部に水道水を供給する「ラ・メーサダム(The La Mesa Dam)」の水域が広がっている。地域のもっとも古い地区「ノバリチェスバヤン(Novaliches Bayan)」から人口が広がり始め、その増加と共に、ラ・メーサ湖の縁に沿う様に、人口密集地が徐々に広くなっていった(ラグロおよびフェアビュー(Lagro and Fairview))。ラ・メーサ湖に隣接して、首都圏で唯一の森林公園「ラ・メーサエコパーク」があり、そこには「コンベンションセンター」、「ピクニックエリア」、「スイミングプール」やボート遊びのための大きな池がある。また、この公園は、2005年に開催された「2005 Southeast Asian Games」のボート競技開催場所でもあった。現在も定期的にボート競技が開催されている。
また、この地区には「SMシティフェアビュー(SM City Fairview)」と「ロビンソンプレースノバリチェス(Robinsons Place Novaliches)」の二つのショッピングモールがある。
ノバリチェス (Novaliches) という地名は、スペイン統治時代の総督である、「マルキス・デ・ノバリチェス(Marquis de Novaliches)」から採られたもので、1940年代にケソンシティに割譲される前には、リサール州の一部でした。
「サンタメサハイツ(Sta. Mesa Heights)」は、裕福な中流階級と中流階級ファミリーが住んでいる住宅地域となっている。また、フィリピンを代表する教会の「アワレディオブロードス(Our Lady of Lourdes)」の本部が所在している。「ロードススクールオブケソン市(Lourdes School of Quezon City)」と「聖テレサ大学(St. Theresa's College)」のキャンパスも所在している。
サン・フランシスコ・デル・モンテ(San Francisco Del Monte)
サン・フランシスコ・デル・モンテ(San Francisco Del Monte)は、マニラの「イントラムロス(Intramuros)」の居住者のための移転地として、1590年2月17日に設立された。「アモラント通り(N.S. Amoranto Sr. Avenue)」は以前「レティロ(Retiro)」と呼ばれていた。レティロ(Retiro)とは、「retreat=引退」という意味で、多くの引退者の人たちを集めることを念頭に開発された地区でもある。この地区の一番古区からある建物は、聖フランシス教会で、スペイン人の慈善修道士であり創設者でもある、「聖フランシス(St. Francis)=アッシジ(Assisi)」にちなんで名付けられた。
スペイン統治時代の間、250エーカー(1.0km²)のこの地区は独立している町であったが、後にケソン市が成立すると共に、吸収合併された。現在では、市内でも最も人口密度の高い地区となっている。バランガイ「サンアントニオ(Barangay San Antonio)」に代表されるように、この地域は多くの住宅地を含んでいる。同時に、フォアンルナ通り(Judge Juan Luna street)沿いには、多くの工業施設も存在している。また、この地区の大きな交通の要所として、ルーズベルト通り(Roosevelt Ave)とデルモンテ通り(Del Monte Ave)の交差点がある。
初期のこの地区は、2.5km²のプロジェクト7および8(Project 7 and 8)エリアから開発が始まり、現在ではティモッグエリアに迫るところまで来ている。「パライソ(Paraiso)」、「パルトック(Paltok)」、「マサンボン(Masambong)」、「ダマヤン(Damayan)」そして[デルモンテ(Del Monte)」等のバランガイから構成されている。
ガラス/サントール(Galas-Santol)
ガラス/サントール(Galas-Santol)地区は、市の南西に位置しマニラ市との境界地区となっている。ガラス地区には、マヌエル・L・ケソン(Manuel L. Quezon)の妻のオーロラ A. ケソン(Aurora A. Quezon)にちなんで名付けられた小学校がある。また、カルロスアルバート高校(Carlos L. Albert High School)の名前は、元副市長の名前にちなみつけられた。
アラネタ通り(Araneta avenue)の突き当りには、ショッピングモールの「SMシティサンタメサ(SM City Sta. Mesa)」が建っている。