カールトン大学
カールトン・カレッジ (カールトン大学、Carleton College)は、アメリカ合衆国 ミネソタ州 ノースフィールド にある中西部有数の名門リベラル・アーツ・カレッジ 。1866年 11月14日 に設立。
USニューズ&ワールド・レポート 誌の大学ランキングでは、リベラル・アーツ・カレッジ 部門で常にトップ10を維持し、2021年現在、8年連続でU.S. News & World Reportから全米1位の学部教育(#1 Best Undergraduate Teaching)との評価を受けている。ヒドゥン・アイビー の一校に数えられる。
在学生のSAT Composite Rangeは1430 - 1550、ACT は32-33。合格率は17%で入学・卒業難易度が共に非常に高く、米国の大学ランキングでは常に最上位グループに位置する。潤沢な資金により、奨学金が充実している。
留学生はTOEFL 100点(iBT)以上のスコアとSAT Reasoning Test 又はACTのスコアの提出が必要。人気の専攻分野は社会科学(22%)、物理・化学(13%)、生物・生命科学(11%)等となっている。
カールトン・カレッジのミッション(使命)は学部学生に最高の教養(リベラル・アーツ)教育をすることであり、大学院はない。米国では珍しく3学期制をとる大学で、1学期10週間、履修科目を集中的に学ぶ。
全米の多くのリベラル・アーツ・カレッジ 同様少数精鋭制をとり、学生数は一学年約500人で、総数約2,000人である。それに対し、常勤(フルタイム)の教官が200名以上である。97%の教官はPh.D.あるいは担当分野の最高の学位を有する。
ランキング
なお、カールトン・カレッジも含め、リベラルアーツカレッジ のほとんどは、学部教育を専門とし、大学院を持たないため、例えばタイムズ・ハイアー・エデュケーション によるThe World University Rankingsなどの世界の総合大学ランキングには参加しない。また、ランキングを作成する機関によって基準が異なること、米国では進学大学を決定する際に、授業料・奨学金の額等の金銭的な面が大きくものを言うことなどから、カールトン・カレッジに合格しても、ランキングを落とした別の大学に進学する生徒も然程珍しくはなく、その逆も同様である。
特徴
一クラス平均18人、学生対教官の割合は9:1
61%の授業は、20名以下の少人数である。一つのクラスで受講者が50名を越える授業がない。
すべての授業は教官によってなされる。ティーチングアシスタント が教えることはない。
1学期10週間、年度を3学期に分けるトライメスター制を採用している。
USニューズ&ワールド・レポート 誌の学部学生に対する教育ランキング部門でリベラルアーツ・カレッジ の中で2017年の第1位にランキングされた [1] 。
キャンパスは約1,040エーカー(4.2平方キロメートル)
留学生 は42カ国から集まっている。学生の8%
卒業生の約30%が卒業して1年以内にハーバード 、エール大学 、UCバークレーなどの大学院やメディカルスクールへ進学。
メディカルスクール 進学に定評があり、過去10年では応募者の平均75%がシカゴ大学 、ミシガン大学 などに合格している。
卒業生のPh.D.取得者の割合が非常に高い大学のひとつである。過去20年間において大学院を持たない大学の中で第2位(16.4%)の割合でPh.D.を取得している。
卒業生のロー・スクール への志願者の約90%は合格している。
学生の男女比は女性51%、男性49%。90%はキャンパス内に住む。
白人が75%以上、東洋系が10%。
小さな町に立地し、冬は寒く、-40°Cまで下がることがある。
USニューズ&ワールド・レポート 誌の卒業生が母校に寄付する割合のランキング [2] 、愛校心の指標、で第4位にランクされている。
小さな Jo Ryo En静聆園 という日本庭園がある。
大学の個別制度で日本人を対象としたものとしては、Starr Scholarship奨学金がある。
コロンビア大学 、セントルイス・ワシントン大学 とEngineerの3-2Program(学士と修士を5年間で取得する課程)を組んでいる。
Associated Kyoto Program AKPプログラム に参加している大学のひとつである。
NCAA division III に属する19の運動部varsityチーム(フットボール 、野球 、陸上競技、テニス、ソフトボール、バスケットボール、クロスカントリー、ゴルフ、サッカー、水泳、陸上競技、バレーボール)がある。大学のアスレチック・チーム名称は Knights 。カールトン・カレッジはマカレスター大学 やセント・オラフ・カレッジなどとともにMIAC(Minnesota Intercollegeate Athletic Conference に所属している。25%の学生が運動部に所属している。そのほかに合気道、空手、アイス・ホッケー、ラクロス、テコンドーなど多くのクラブ・スポーツや同好会がある。
専攻
37専攻で学士の学位を取得可能
African/African American Studies アフリカ/アフリカンアメリカン研究
American Studies アメリカ研究
Art History 美術史
Asian Studies アジア研究
Biology 生物学
Chemistry 化学
Cinema and Media Studies
Classical Languages 古典語
Classical Studies 古典学
Computer Science コンピューター科学
Dance (available by petition)
Economics 経済学
English 英文学
Environmental Studies 環境学
French
French and Francophone Studies
Geology 地質学
German
Greek
History 歴史
Latin
Latin American Studies ラテンアメリカ研究
Linguistics 言語学
Mathematics (two tracks: Mathematics and Mathematics/Statistics) 数学および数学/統計学
Music 音楽
Philosophy 哲学
Physics and Astronomy 物理学・天文学
Political Science (two tracks: Political Science and Political Science/International Relations)
Psychology 心理学
Religion 宗教
Romance Languages(available by petition)
Russian
Sociology and Anthropology 社会学人類学
Spanish
Studio Art
Theater Arts
Women's and Gender Studies 女性およびジェンダー研究
著名な卒業生
北米再編ドルイド宗団
1963年 春、カールトン・カレッジで学生に宗教的会合への出席を要求する学則が施行された。「自分の」宗教の礼拝に参加することが要件の一つであったため、一部学生グループが北米再編ドルイド宗団 (en : the Reformed Druids of North America (RDNA))というネオドルイド 教団を結成してこれに対抗した。もし学生によるお手製の宗教で要件が満たされれば、主に一神教を想定した大学側の目論見は的外れであったことになり、もし満たされなければ大学側を宗教差別で糾弾することができるからである。教団メンバーの活動の成果もあって問題の学則は1964年 6月 に廃止されたが、教団はその後も活動を続け、アメリカにおけるネオドルイド運動の嚆矢となった。2011年 現在も活動は存続している。
脚注
外部リンク