カルマ (Kalmah )は、フィンランド 出身のメロディックデスメタル バンド 。バンド名は、カルマー と表記されることもある[ 注釈 1] 。バンドは、自身の音楽性をスワンプ・メタル (Swamp Metal )とも呼んでいる。
カルマ (Kalmah)としての活動は1998年 からであるが、1991年の結成から1998年まではアンセスター (Ancestor )というバンドであった[ 3] [ 4] [ 注釈 2] 。
Kalmah は、カレリア語 で、to The Grave を意味する言葉である[ 5] 。
略歴
1991年 に、フィンランド オウル州 プダスヤルヴィ で、ペッカ・コッコ (Vo , B )、ペトリ・サンカラ (Dr )によって、アンセスター (Ancestor )が結成される[ 3] [ 4] 。1992年 にアンシ・セッパネン (G)が加入し、同年に1stデモ 『Ethereal Devotion』をリリース。同デモは、アンシ・セッパネンが中心で作曲 を行った。このデモでは、スピードメタル とスラッシュメタル を演奏していた[ 6] 。リリース後、アンシ・セッパネンが脱退[ 6] 。脱退後、元アンドロメダのアルッティ・ヴェテライネン (B )が加入し、ペッカ・コッコがベースからギターに転向[ 7] 。1993年 に2ndデモ『With No Strings Attached』をリリース[ 6] 。同デモでは、より純粋なスラッシュメタルに近い音楽性となった[ 6] 。ペッカ・コッコの兵役 によって、アンセスターが活動を停止すると、ベーシスト のアルッティ・ヴェテライネンは、かつてアンドロメダで活動を共にしていたヤルモ・プオラカナホと共に、モシントン・D.C.(Moshington D.C. 、エターナル・ティアーズ・オヴ・ソロウ の前身)を結成している[ 6] 。
ペッカ・コッコの兵役が終わると、アンセスターの活動が再開する。活動再開に際しては、アルッティ・ヴェテライネンが復帰せず、新たにパシ・プハッカ (B)が加入。加えてペッカ・コッコの実弟、アンティ・コッコ (Lead G )が加入し4人体制となる[ 3] 。1997年 に3rdデモ『Material World - God』をリリース[ 6] 。リリース後、パシ・プハッカが脱退し、サウリ・ウリレヘト (B)が加入[ 7] 。1998年 に4thデモ『Tomorrow』をリリース。しかし、元ベーシスト のアルッティ・ヴェテライネンが復帰することになり、サウリ・ウリレヘトが脱退する[ 7] 。更に同年中に5thデモ『Under the Burbot's Nest』をリリース。しかし、レーベル 契約の話は無く、1998年終わり頃、アンセスターは解散する[ 4] 。
アンセスター解散後、間を置くことなくカルマ (Kalmah )を結成[ 4] 。このときのメンバーは、アンセスター解散時のメンバー、ペッカ・コッコ(Vo,G)、アンティ・コッコ(Lead G)、ペトリ・サンカラ(Dr)、アルッティ・ヴェテライネン (B)の4人に、アンティ=マッティ・タララ (Key )を加えた5人であった[ 8] 。またカルマ結成に当たって、活動の拠点をプダスヤルヴィからオウル へと移している。また、アンセスターでは、スラッシュメタル 色の強い音楽性であったが、カルマではメロディックデスメタル へと音楽性を転換させている[ 7] 。1999年 に、1stデモ『Svieri Obraza』を製作。これによって、スパインファーム・レコード の傘下のスパイクファーム・レコードと契約した。また、同年中にキーボーディスト がパシ・ヒルトゥラ (Key)に交代している[ 8] 。
2000年 に1stアルバム『Swamplord 』をリリース。同年末にアルッティ・ヴェテライネン、ペトリ・サンカラが脱退し、カタメニア で活動するティモ・レヘティネン (B)と、ヤンネ・クスミン (Dr)が加入する[ 8] 。2002年 に2ndアルバム『They Will Return 』、翌2003年 に3rdアルバム『Swampsong 』をリリース。
2004年 にパシ・ヒルトゥラが脱退[ 9] 。すぐには、メンバー補充ができず、サポートを立てることもなく、ライヴ では、ギターアンサンブル を強化して対応した[ 9] 。その後、同年中にポイズンブラック などで活動するマルコ・スネック (Key)が加入[ 9] 。2006年 に4thアルバム『The Black Waltz 』をリリース[ 9] 。このアルバムより、ペッカ・コッコのデスヴォイス が今までのものよりも低音に変わった。
フィンランド・オウル公演 (2008年8月)
2008年 に5thアルバム『For the Revolution 』をリリース。日本では、レーベル をキングレコードからユニバーサルインターナショナル に移籍してリリースすることとなった。2010年 に、6thアルバム『12 Gauge 』をリリース。日本では、再びキングレコードからのリリースとなった。
2011年 9月13日 、公式Facebook 上で、マルコ・スネックの脱退が発表された[ 10] 。翌2012年 2月15日 、後任としてワン・モーニング・レフト などで活動するヴェリ=マッティ・カナネン (Key)の加入が発表された。ヴェリ=マッティ・カナネンは、マルコ・スネック脱退後のツアーにセッションとして参加しており、そのまま正式加入する運びとなった。2013年 6月、7thアルバム『Seventh Swamphony 』をリリース。
2016年 3月に初のアジア・ツアーに際して初来日したが、リードギタリストのアンティ・コッコが個人的な都合により参加できず、元キウアス のミッコ・サロヴァーラ をライヴ・セッションに迎えてツアーを敢行した[ 11] 。
2018年 4月に5年ぶりとなる8thアルバム『Palo』をリリース[ 12] 。日本では、邦題 『蒼炎』としてリリースされる[ 13] 。同年11月に2度目の来日を果たした[ 14] 。なお、今回の来日では、前回不参加だったリード・ギタリストのアンティ・コッコも来日している[ 14] 。翌2019年 11月にも来日し、東京で2公演を行った[ 15] 。この公演は「PAST AND PRESENT JAPAN TOUR」と銘打たれており、2公演中1公演は、1stアルバム~3rdアルバムの楽曲に限定した特別なセットリストでの公演となった[ 15] 。公演のプロモーターによれば、このセットリストの中には、10年以上演奏していない楽曲や、もう二度とライブで上演しないであろう楽曲も含まれていたという[ 15] 。またこの公演にはリードギタリストのアンティ・コッコは不参加であり、ハッリ・ヒュトネンがサポートギタリストとして出演していた[ 16] 。
その後、新型コロナウイルス感染症 の流行などで活動が停滞していたが、2023年 2月、新たにランカ・クスタンヌス と契約したことを発表した[ 17] 。ランカ・クスタンヌスは、スパインファーム・レコード創業者のリク・パーッコネンが創業したレコード・レーベルで、カルマは活動最初期から契約を続けていたスパインファーム・レコード・グループから初めて移籍することとなった。また、同年5月に5年ぶりのリリースとなる9thアルバム『Kalmah』をリリースする[ 18] 。
その他
カルマは2003年 頃まで、カルマと同じプダスヤルヴィ出身のメロディックデスメタル バンド のエターナル・ティアーズ・オブ・ソロウと深い繋がりを持っていた。特に、2000年 にアンティ・コッコがエターナル・ティアーズ・オヴ・ソロウに加入したときは、ペッカ・コッコ以外のメンバー4人がカルマとエターナル・ティアーズ・オブ・ソロウとを掛け持ちしているという状態になった。その後、上述したように2001年 に、アルッティ・ヴェテライネンとペトリ・サンカラがカルマから脱退し、2003年 にはアンティ・コッコとパシ・ヒルトゥラがエターナル・ティアーズ・オブ・ソロウから脱退したことで、両バンドを掛け持ちしているメンバーはないなくなった。
メンバー
現ラインナップ
ペッカ・コッコ(Vo/G) 2017年
アンティ・コッコ(G) 2008年
ティモ・レヘティネン(B) 2017年
ヤンネ・クスミン(Ds) 2017年
ヴェリ=マッティ・カナネン(Key) 2017年
旧メンバー
セッション・メンバー
ハッリ・ヒュトネン(G) 2017年
ミッコ・サロヴァーラ (Mikko Salovaara ) - リードギター(2016年)
アンティ・コッコに代わってアジアツアーにセッションとして参加[ 11] 。
ハッリ・ヒュトネン (Harri Hytönen ) - リードギター (2016年 - )
アンティ・コッコに代わって様々なツアーにセッションとして参加。
タイムライン
アンセスター時代を含めて記載する。日時については、おおよそであり、完全な日時ではない。
ディスコグラフィ
Kalmah名義
Ancestor名義
1992年 Ethereal Devotion (Demo)
1993年 Material World God (Demo)
1997年 With No Strings Attached (Demo)
1998年 Tomorrow (Demo)
1998年 Under the Burbot's Nest (Demo)
注釈
^ 2ndアルバム『They Will Return』、5thアルバム『For the Revolution』で使用。
^ 日本でリリースされたアルバム のライナーノート では、1999年 にバンド名変更となっているが、公式サイトなどでは基本的に1998年に変更されたと書かれている。
^ 3rdアルバム『Swampsong 』からはバンド自身がプロデュースを行っている
^ ただし、ベース とドラムス のレコーディングは除く。『Palo』では、ベースがサウンド・ウェル・スタジオ (Sound Well Studio)でレコーディングされ、サカリ・イコネンがレコーディング・エンジニアを務めた。ドラムスについては、ソニック・ポンプ・スタジオ (Sonic Pump Stadio)でレコーディングされ、ロスク・ロヒニヴァがレコーディング・エンジニアを務めた。
^ 5thアルバム『For the Revolution 』以降は、カッティングルーム (Cutting Room)のホーカン・オーケソンが担当、7thアルバム『Seventh Swamphony 』では、ミキシング と同じくイェンス・ボグレン がマスタリング を担当した。
脚注
^ a b c Kalmah reviews, music, news - sputnikmusic・2015年7月28日閲覧。
^ a b c d “Kalmah|Biography ”. オールミュージック . All Media Guide. 2015年7月28日 閲覧。
^ a b c “Kalmah - Web Gauge Biography ”. Kalmah. 2012年9月23日 閲覧。
^ a b c d e Kokko, Pekka (12 March 2010). "Interview Kalmah 2010" (html) . Metal-Experience.com (Interview). Interviewed by Eugene Straver. 2012年9月23日閲覧 。
^ http://metalreview.com/Interviews/30160/Antti-Kokko-of-Kalmah.aspx [リンク切れ ]
^ a b c d e f “Ancestor - Encyclopaedia Metallum: The Metal Archives ”. Encyclopaedia Metallum (2012年8月30日). 2012年9月23日 閲覧。
^ a b c d 和田誠、カルマ『Swamplord』、キングレコード 、東京都、2001年。KICP-788。
^ a b c 和田誠『They Will Return』(CDライナー)カルマー、キングレコード 、東京都、2002年。KICP-866。
^ a b c d 和田誠『The Black Waltz』(CDライナー)カルマ、キングレコード 、東京都、2006年。KICP-1141。
^ Kalmah (2011年9月13日). “13.9.2011 - Future plans ” (html) (英語). Facebook . 2011年9月14日 閲覧。
^ a b Hi all! People have been asking why I... - Kalmah (Official) | Facebook (2016年3月12日)2016年3月20日閲覧。
^ https://www.facebook.com/kalmahofficial/photos/a.409872179036602.98556.217552218268600/1844345435589262/?type=3&theater (2018年2月9日) 2018年3月11日。
^ カルマ(Kalmah)、5年振りとなる待望のニュー・アルバム Tower Records (2018年2月8日) 2018年3月11日閲覧。
^ a b “遂にフィンランドよりKalmah一行が再び日本の地に降り立った! ”. Evoken de Valhall Production Official Facebook (2018年11月20日). 2018年11月22日 閲覧。
^ a b c “【新規公演】 Kalmah特別セットで再来日公演決定!... ”. Evoken de Valhall Production Official Facebook (2019年8月20日). 2019年12月8日 閲覧。
^ “Third part of the tour is over. Always... ”. Kalmah (Official) Facebook (2019年11月11日). 2019年12月8日 閲覧。
^ “We are extremely happy to announce... ” (英語). Kalmah Official Facebook (2023年2月1日). 2023年4月13日 閲覧。
^ “Good news, Swampheads! Our... ” (英語). Kalmah Official Facebook (2023年3月20日). 2023年4月13日 閲覧。
^ a b 前田岳彦『For the Revolution』(CDライナー)カルマー、ユニバーサルインターナショナル 、東京都、2008年。UICO-9041。
外部リンク
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