オースティン・トラウト(Austin Trout、1985年9月18日 - )は、アメリカ合衆国のプロボクサー。ニューメキシコ州ラスクルーセス出身。元WBA世界スーパーウェルター級レギュラー王者。
来歴
アマチュア時代
2004年、全米選手権にウェルター級(69kg)で出場し優勝する[1]。ナショナル・ゴールデングローブに出場するが準決勝でダニエル・ジェイコブスに敗退する[2]。アテネオリンピック国内予選選考会を勝ち抜くが[3]、国内最終選考会でバネス・マーティロスヤンに敗退[4]。
2005年、全米選手権に出場するが準決勝でデメトリアス・アンドラーデに敗退[5]。
プロ時代
2005年9月16日、プロデビュー。3回TKO勝ち。
2009年3月14日、マーティン・アヴィラとWBAインターナショナルスーパーウェルター級王座決定戦を行い、4回TKO勝ちを収め王座獲得に成功した。
2009年9月5日、パナマシティのアレナ・ロベルト・デュランにて、WBAフェデラテンスーパーウェルター級王者ニルソン・フリオ・タピアに挑戦。2-0の判定(106-102が2者、105-105)勝ちを収め王座獲得に成功した。
2009年11月5日、タロンゼ・ワシントンとWBCアメリカ大陸スーパーウェルター級王座決定戦を行い、12回3者ともフルマークを付けた判定(120-108)で勝利を収め王座獲得に成功した。
2010年9月10日、WBAからWBA世界スーパーウェルター級正規王者ミゲール・コットのスーパー王座認定に伴うWBA世界スーパーウェルター級レギュラー王座決定戦をWBA世界スーパーウェルター級暫定王者石田順裕とオースティン・トラウトとの間で行い、石田順裕 対 オースティン・トラウト戦の勝者はネルソン・リナレスと90日以内に対戦するよう対戦指令が出され、石田順裕 対 オースティン・トラウト戦の入札を同月21日にパナマシティで行うと指令を受けたが[6][7]、同月24日にトラウト陣営が1試合待つことに同意した為、石田順裕 対 オースティン・トラウトの入札は中止となり[8][9]、トラウトは石田順裕 対 リゴベルト・アルバレス戦の勝者と対戦することになった[10]。
2011年2月5日、グアダラハラのアレナ・コリセオにて、WBA世界スーパーウェルター級レギュラー王座決定戦でリゴベルト・アルバレスと対戦し、3-0(3者共に119-108)の判定勝ちを収め王座を獲得した[11]。
2011年6月11日、デビット・ロペスと対戦し、12回3-0(119-109、117-110、118-109)の判定勝ちを収め、初防衛に成功した[12]。
2011年11月11日、エルパソのコーエン・スタジアムでフランク・ロポルト(オーストラリア)と対戦し、6回TKO勝ちを収め2度目の防衛に成功した[13]。
2012年6月2日、 ホーム・デポ・センター・テニスコートでデルヴィン・ロドリゲス(ドミニカ共和国)と対戦し、12回3-0(117-111、118-110、120-108)の判定勝ちを収め、3度目の防衛に成功した[14]。
2012年12月1日、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンにて元WBA世界スーパーウェルター級スーパー王者のミゲール・コット(プエルトリコ)と対戦し、12回3-0(119-109、2者が117-111)の判定勝ちを収め、4度目の防衛に成功した[15]。
2013年4月20日、テキサス州サンアントニオのアラモドームでWBC世界スーパーウェルター級王者のサウル・アルバレス(メキシコ)と王座統一戦を行い、プロ初黒星となる12回0-3(112-115、111-116、109-118)の判定負けを喫し、WBA王座の5度目の防衛に失敗すると共にWBC王座の獲得にも失敗し、王座陥落した[16]。
2013年12月7日、ニューヨークのバークレイズ・センターにてポール・マリナッジ対ザブ・ジュダーの前座で、WBA世界スーパーウェルター級暫定王者のエリスランディ・ララと対戦するも、12回0-3(109-118、2者が110-117)の判定負けを喫し王座返り咲きに失敗した。
2014年8月22日、カリフォルニア州テメキュラのペチャンガ・リゾート&カジノでPABAスーパーウェルター級スーパー王者のダニエル・ドーソンとスーパーウェルター級契約10回戦を行い、3回に2度ダウンを喫するも8回にダウンを奪い返し10回3-0(3者共97-90)の判定勝ちを収め再起を果たした[17]。
2015年5月4日、同月9日にテキサス州ヒダルゴ郡イダルゴのステート・ファーム・アリーナでオマール・フィゲロア対リッキー・バーンズの前座でアンソニー・ムンディンと対戦する予定だったが、ムンディンがスパーリングで耳を負傷した状態でアメリカ行きの飛行機に乗り、フライト中に耳の状態が悪化したため欠場となった[18]。
2016年5月21日、ザ・コスモポリタン内チェルシー・ボール・ルームでエリスランディ・ララVSバネス・マーティロスヤンの前座でIBF世界スーパーウェルター級王者のジャーモール・チャーロと対戦し、12回0-3(2者が112-116、115-113)の判定負けを喫し、王座獲得に失敗した[19][20]。
2017年8月30日、トラウトがWBOに対し、2015年にWBO世界スーパーウェルター級の4位にランクされていたが、理由もなくいきなりランクを外され、リアム・スミスとの王座決定戦に出場する権利を奪われたとして、4000万ドル(約44億円)の訴訟を起こした[21]。
2017年10月14日、バークレイズ・センターでIBF世界スーパーウェルター級王者のジャレット・ハードと対戦し、10回終了時TKO負けを喫し王座獲得に失敗した[22][23]。
2018年6月9日、ロサンゼルスのステイプルズ・センターにてレオ・サンタ・クルスVSアブネル・マレス第2戦目の前座においてWBC世界スーパーウェルター級王者ジャーメル・チャーロと対戦し、12回判定負けを喫した[24]。この試合でトラウトは25万ドル(約2700万円)、チャーロは75万ドル(約8100万円)のファイトマネーを稼いだ[25]
2019年5月25日、ビロクシのボー・リヴァージュ・リゾート&カジノにてテレル・ガーシャと対戦し、10R1-1引き分けとなった。
2021年8月13日、ドバイのアトランティス・ザ・パームにてアレハンドロ・ダビラと対戦し、10R3-0判定勝ち。
2022年11月17日、ベアナックル・ボクシングの団体Bare Knuckle Fighting Championshipと契約したことが発表された[26]。
2023年2月17日、Bare Knuckle Fighting Championshipでデビュー戦を行い、総合格闘家で元UFC選手のディエゴ・サンチェスと対戦し、4RTKO勝ち[27]。
2024年2月2日、BKFC-57においてルイス・パロミノと空位のBKFC世界ウェルター級王座決定戦を行い、5回判定勝ちを収め王座獲得に成功した[28]。
戦績
- アマチュアボクシング:206戦163勝42敗1分
- プロボクシング:40戦34勝(18KO)5敗1分
戦
|
日付
|
勝敗
|
時間
|
内容
|
対戦相手
|
国籍
|
備考
|
1 |
2005年9月16日 |
勝利 |
3R 1:43 |
TKO |
フスト・アルマサン |
メキシコ |
プロデビュー戦
|
2 |
2005年12月10日 |
勝利 |
1R 1:45 |
TKO |
ジョシュ・パンキー |
アメリカ合衆国 |
|
3 |
2006年2月4日 |
勝利 |
3R 1:04 |
TKO |
アンソニー・トーレス |
アメリカ合衆国 |
|
4 |
2006年3月4日 |
勝利 |
1R 2:59 |
TKO |
ジェレミー・バーガー |
アメリカ合衆国 |
|
5 |
2006年9月1日 |
勝利 |
3R 0:56 |
KO |
ジェリ・ペレス |
アメリカ合衆国 |
|
6 |
2006年9月29日 |
勝利 |
1R |
TKO |
ダスティン・リリー |
アメリカ合衆国 |
|
7 |
2006年12月15日 |
勝利 |
2R 1:30 |
KO |
カーディル・フィンレイ |
アメリカ合衆国 |
|
8 |
2007年1月5日 |
勝利 |
5R 2:21 |
KO |
ラウル・ムニョス |
アメリカ合衆国 |
|
9 |
2007年4月27日 |
勝利 |
6R |
判定3-0 |
フリオ・ペレス |
アメリカ合衆国 |
|
10 |
2007年5月25日 |
勝利 |
6R |
判定3-0 |
アブディアス・カスティーリョ |
アメリカ合衆国 |
|
11 |
2007年7月27日 |
勝利 |
2R 0:46 |
TKO |
ネルソン・エストピナン |
メキシコ |
|
12 |
2007年11月17日 |
勝利 |
1R 1:17 |
TKO |
ロデリック・マクゲリー |
アメリカ合衆国 |
|
13 |
2007年12月21日 |
勝利 |
6R |
判定3-0 |
エリック・ラファエル・エスキベル |
メキシコ |
|
14 |
2008年5月2日 |
勝利 |
2R 2:26 |
TKO |
スティーブ・バーディン |
アメリカ合衆国 |
|
15 |
2008年7月9日 |
勝利 |
8R |
判定3-0 |
バイロン・タイソン |
アメリカ合衆国 |
|
16 |
2008年11月20日 |
勝利 |
3R 0:10 |
TKO |
ブラッドリー・トンプソン |
アメリカ合衆国 |
|
17 |
2009年3月14日 |
勝利 |
4R |
TKO |
マルティン・アビラ |
メキシコ |
WBAインターナショナルスーパーウェルター級王座決定戦
|
18 |
2009年6月26日 |
勝利 |
8R |
判定3-0 |
シャウン・ガーネット |
カナダ |
|
19 |
2009年7月31日 |
勝利 |
8R |
判定3-0 |
マルコス・プリメラ |
ベネズエラ |
|
20 |
2009年9月5日 |
勝利 |
11R |
判定2-0 |
ニルソン・フリオ・タピア |
コロンビア |
WBAフェデラテンスーパーウェルター級タイトルマッチ
|
21 |
2009年11月5日 |
勝利 |
12R |
判定3-0 |
タロンズ・ワシントン |
アメリカ合衆国 |
WBCアメリカ大陸スーパーウェルター級王座決定戦
|
22 |
2011年2月5日 |
勝利 |
12R |
判定3-0 |
リゴベルト・アルバレス |
メキシコ |
WBA世界スーパーウェルター級タイトルマッチ
|
23 |
2011年6月11日 |
勝利 |
12R |
判定3-0 |
デビッド・ロペス |
メキシコ |
WBA防衛1
|
24 |
2011年11月11日 |
勝利 |
6R 2:32 |
TKO |
フランク・ロポルト |
オーストラリア |
WBA防衛2
|
25 |
2012年6月2日 |
勝利 |
12R |
判定3-0 |
デルビン・ロドリゲス |
ドミニカ共和国 |
WBA防衛3
|
26 |
2012年12月1日 |
勝利 |
12R |
判定3-0 |
ミゲール・コット |
プエルトリコ |
WBA防衛4
|
27 |
2013年4月20日 |
敗北 |
12R |
判定0-3 |
サウル・アルバレス |
メキシコ |
WBA・WBC世界スーパーウェルター級王座統一戦/WBA王座陥落
|
28 |
2013年12月7日 |
敗北 |
12R |
判定0-3 |
エリスランディ・ララ |
キューバ |
WBA暫定・世界スーパーウェルター級タイトルマッチ
|
29 |
2014年8月22日 |
勝利 |
10R |
判定3-0 |
ダニエル・ドーソン |
オーストラリア |
|
30 |
2014年12月11日 |
勝利 |
7R 終了 |
TKO |
ルイス・グレハダ |
メキシコ |
|
31 |
2015年5月9日 |
勝利 |
7R 0:10 |
TKO |
ルイス・ガラルサ |
プエルトリコ |
|
32 |
2015年9月8日 |
勝利 |
6R 3:00 |
KO |
ジョーイ・エルナンデス |
アメリカ合衆国 |
|
33 |
2016年5月21日 |
敗北 |
12R |
判定0-3 |
ジャーモール・チャーロ |
アメリカ合衆国 |
IBF世界スーパーウェルター級タイトルマッチ
|
34 |
2017年10月14日 |
敗北 |
10R 終了 |
TKO |
ジャレット・ハード |
アメリカ合衆国 |
IBF世界スーパーウェルター級タイトルマッチ
|
35 |
2018年2月17日 |
勝利 |
8R |
判定3-0 |
ファン・デル・アンヘル |
コロンビア |
|
36 |
2018年6月9日 |
敗北 |
12R |
判定0-2 |
ジャーメル・チャーロ |
アメリカ合衆国 |
WBC世界スーパーウェルター級タイトルマッチ
|
37 |
2019年5月25日 |
引分 |
10R |
判定1-1 |
テレル・ガーシャ |
アメリカ合衆国 |
|
38 |
2020年2月1日 |
勝利 |
2R 1:09 |
TKO |
ロスベル・モントーヤ |
メキシコ |
|
39 |
2021年2月6日 |
勝利 |
10R |
判定3-0 |
フアン・アルモンド・ガルシア |
メキシコ |
|
40 |
2021年8月13日 |
勝利 |
10R |
判定3-0 |
アレハンドロ・ダビラ |
メキシコ |
|
テンプレート
|
獲得タイトル
- WBAインターナショナルスーパーウェルター級王座
- WBAフェデラテンスーパーウェルター級王座
- WBCアメリカ大陸スーパーウェルター級王座
- WBA世界スーパーウェルター級レギュラー王座(防衛4)
脚注
関連項目
外部リンク