エステラ・ルイーザ・ミカエラ・カンツィアーニ (Estella Louisa Michaela Canziani、1887年 1月12日 - 1964年 8月23日 )は、イギリス出身の風景画家 、装飾家 、旅行作家 、および民俗学者 [ 1] 。
生涯
エステラ・カンツィアーニの蔵書票
ロンドンに生まれたエステラ・カンツィアーニは画家ルイーザ・スタール とイタリア出身の土木技師エンリコ・カンツィアーニ(1848年 - 1931年)の娘である。ケンジントン宮殿 内にあるケンジントン宮殿街 (英語版 ) にある生家で生涯を過ごした。
始めにアーサー・コープ卿 とアースキン・ニコル が運営するケンジントンの学校「コペルニクス」で、その後はロイヤル・アカデミー・スクール で学びながら画家としての訓練を積んだ。ロンドンの王立芸術院、リヴァプール 、ミラノ 、ベネチア 、フランスで作品を出品した。その中でも1915年に王立芸術院において展示された『夢の管楽器奏者(The Piper of Dreams )』と題された水彩画 が最も有名な作品といえよう。この作品の複製画はラファエル前派 の画家ウィリアム・ホルマン・ハント の『世界の灯火 (英語版 ) 』に匹敵する人気を誇ったと言われる。
彼女はヨーロッパ全域、特にイタリアを旅して回った。彼女の絵画には北イタリアの人里離れた村で過ごす地元の人々の衣服や生活様式が詳細に記録されている。また本のイラストレーター としても活躍した。
彼女は『Costumes, Traditions and Songs of Savoy 』(1911年)、『Piedmont 』(1913年)、『Through the apenines and the Lands of the Abruzzi 』(1928年)の計3冊の紀行 本を発表しており、この著作がきっかけとなって王立地理学会 の会員となった。また『Round About Three Palace Green 』(1939年)と題された自叙伝も発表している。
作品の殆どはバーミンガム美術館 で保護されている。
カンツィアーニは友会徒 であると同時に、英国王立芸術家協会 、美術工芸展協会 (英語版 ) 、テンペラ画家協会 (英語版 ) 、英国王立鳥類保護協会 (英語版 ) 、英国動物愛護協会 (英語版 ) 、および英国伝承協会の会員でもあった。
脚注
^ Grant M. Waters (1975). Dictionary of British Artists Working 1900-1950 . Eastbourne Fine Art
Glenn Hooper, Tim Youngs, Perspectives on Travel Writing , Ashgate Publishing, Ltd., 2004
ISBN 0-7546-0366-0 , ISBN 978-0-7546-0366-5
外部リンク