ウェストミンスター・スクール

ウェストミンスター・スクール

ウェストミンスター・スクールWestminster School。正式名称 The Royal College of St. Peter at Westminster)は、1560年エリザベス1世によって創設されたイギリスパブリックスクールロンドンの中心シティ・オブ・ウェストミンスターにあり、ウェストミンスター寺院の隣に位置する。

概要

7歳から13歳までのUnder Schoolと13歳から18歳までのGreat Schoolに分かれている。伝統的に男子校だが、最終2年間(Sixth Formと言い、日本での高校に当たる)は、男女共学となる。生徒の3割ほどは寄留する寄宿生だが、残りの通学生もハウスと呼ばれる11個のに割り当てられている。それぞれの寮の建物には談話室(Common room)、娯楽室・レジャールーム、パーソナルチューター2人、ペットの犬などが用意されハウスマスターによって管理されている。よって「校風は寄宿学校そのもの」(Good Schools Guide)である。

ウェストミンスター校は、1861年にクラレンドン委員会英語版によって指定された英国で最も格式高い9学校(Clarendon Schools)のひとつである。この9学校はThe Nineと呼ばれることもあり、残りの8校もイートン校ラグビー校ハーロー校ウィンチェスター校などいずれも知名度の高い一流の学校である。なかでもウェストミンスター校は2020年現代でも偏差値がずば抜けて高く、調査機関によってはイギリストップの学力とされている。また、オックスブリッジの合格率は50%以上と全国で最も高い。

主な出身者

ウェストミンスター校の卒業生は特に政治界での活躍が多い。 歴代7人の英国首相、有名な副首相ニック・クレッグ(Nick Clegg)、ロンドンの著名な建築物の殆どを設計したクリストファー・レン(Christopher Wren)、映画「ハリー・ポッター」の主要な悪役「ベラトリクス・レストレンジ」を演じた女優ヘレナ・ボナム・カーター、ピアニストのジェイソン・クーチャック、シンガーソングライターのミーカ、ノーベル賞受賞者2人、ソビエト連邦の高位スパイなど様々な卒業生を出している。

生粋の貴族の他、大英帝国勲章により騎士称号を得た卒業生が多く目立つ。例えば、上記のヘレナ・ボナム・カーターは大英帝国最優秀勲章の司令官(CBE)、2020年現在の校長パトリック・ダラム(Patrick Derham)は大英帝国最優秀勲章の役員(OBE)である。

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主な建築物

正式に創立されたのは16世紀だが、実際には11世紀からこの立地に学校が存在していたという史料が存在する。

千年近い歴史の間、第二次世界大戦など戦争によって焼き消えてしまった部分もあるが、著名な建物がいくつかまだ残っている。

中でも歴史あるのが、アッシュバーナムハウス(Ashburnham House)とカレッジホール(College Hall)である。

アッシュバーナムハウスは図書館とレクチャールーム、カレッジホールは食堂として現在も生徒によって使用されている。

なお、カレッジホールは建築的にはウェストミンスター寺院の一部だが、一般人には立ち入り禁止になっている。かつてはエリザベス一世もここで食したという。

寺院(通称Abbey)と学校の関係は深く、毎週全校生徒が寺院で礼拝をするため専用の通路も設置されている。

外部リンク