サウスカロライナに赴くはずだったが、気を変えてジョージア州に向かった[3]。18世紀末のジョージアは、立身出世を夢見たニューイングランド人を惹き付けていた(独立戦争当時のジョージア州知事ライマン・ホールはコネチカット出身だった)。サウスカロライナに向かう船上で、独立戦争の英雄ナサニエル・グリーンの未亡人一行に出会う。未亡人はホイットニーをジョージアのプランテーションMulberry Grove に招待した。プランテーションの経営者でグリーン未亡人の婚約者フィニアス・ミラーもコネチカットからの移住者でイェール大学卒業生(1785年度)であり、後にホイットニーのビジネスパートナーとなった。
部品の互換性を確保しようとする試みはポエニ戦争の時代にまで遡ることができ、船などの考古学的遺物や当時の記録でそれが判明している[要出典]。近代においては、数十年かけて複数の人々がその考え方を発展させてきた。初期の人物としては、18世紀フランスの砲兵士官ジャン=バティスト・ヴァケット・ド・グリボーバルが大砲の部品製造の規格化を行ったが、これはまだ真の互換性部品と言えるレベルではなかった。これに触発されてさらにアイデアを進化させたのがオノレ・ブランやルイ・ド・トザール(英語版)である。ニューイングランドでもホイットニー以前に John H. Hall や Simeon North が部品の互換性確保に成功している。ホイットニーの工場で互換性確保に成功したのは彼の死後、1825年のことである。
1801年、ホイットニーは軍関係者の前で、完成した複数の銃をばらし、その中から任意に取り出した部品により、再び銃をくみ上げるデモンストレーションを行い、驚かせた。しかし歴史家 Merritt Roe Smith によれば、このデモンストレーションは軍と契約した銃の納期が大幅に遅れていることに対して好印象を与えようとしたもので、政府が騙されたのだという。それによりホイットニーはより多くの時間と資金を得ることに成功したが、互換性部品の開発には直結しなかった[9]。
工作機械史の専門家 Joseph W. Roe によれば、ホイットニーは1818年ごろ銃器生産の為に横フライス盤を発明した。その後の工作機械史の研究により、1814年から1818年にかけて複数の発明家がほぼ同時にフライス盤を発明したという見方がなされており[9]、ホイットニーよりも他者のもたらした技術革新の方が重要と見られている。Joseph W. Roe が重視したフライス盤が作られたのは1825年以降のことであり、ホイットニーの死後のことである。したがって誰か1人をフライス盤の発明者とすることはできない。
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